• HOME
  • RANKING
  • NEWS
  • INTERVIEW
  • COLUMN
  • MAGAZINES
  • BOOKS
  • ABOUT
  • HOME
  • RANKING
  • NEWS
  • INTERVIEW
  • COLUMN
  • MAGAZINES
  • BOOKS
  • ABOUT
COLUMN
  • #WEBオリジナル
  • #ライヴレポート
  • #怒髪天

怒髪天のフロントマン、増子直純の誕生日ライヴで幕を開けた還暦イヤー。愛情に満ちた特別な夜

text by 石井恵梨子
2026年4月27日


【LIVE REPORT】
怒髪天 還暦上等!生涯現役スタミナ街道
〈Just a sixty “爆発だ!ズーミーマン!” 〉
2026.04.23@東京キネマ倶楽部




メンバーそれぞれが還暦を迎える2026〜2027年。しっかり60本となる企画ライヴシリーズ〈還暦上等!生涯現役スタミナ街道〉は、増子直純の誕生日となる4月23日から始まった。定番SE「男祭」の歌詞が〈誕生日〜、誕生日祭だよ〜〉に入れ替わっていたように、この日だけの、このシリーズだけの、特別仕様がてんこ盛りであった。


昭和のキャバレーを改装したキネマ倶楽部の名物は、メインステージ下手にある高いサブステージ。そこに颯爽と現れた増子の装いがまず振るっている。黒ジャケットに赤の蝶ネクタイ、60の数字を模した赤い眼鏡に「本日の主役」と書かれたタスキを装着。昔のコメディアンよろしく「ハッピー バースディ マン」を唄い上げ、続いては究極の宴会ソング「酒燃料爆進曲」に突入していく。もう最初からめでたさ全開、景気もばっちりよろしい。フロアに「おめでとう!」の声が溢れ返れば、少し目頭を押さえつつ「いや……まだ泣く曲じゃないからね」と笑ってみせる増子がいるのだ。


バースディ・ライヴでは何かしら個人に特化したものを見せる。以前のインタビューでヒントは聞いていたが、どういうことかと思っていれば、本日の会場BGMの選曲は増子本人によるもの。そしてセットリストは、この日どうしても唄いたい曲を中心に組まれたもの。この1日が「俺の歴史を追う」ものであることが明かされる。なるほど、4曲目以降のセトリが次々腑に落ちていく。「夕暮れ男道」や「望郷ドラ息子」は両親に捧げるやんちゃ坊主の歌で、「溜息も白くなる季節に…」は故郷を飛び出す時期の歌。アーバンなダンスナンバー「ソウル東京」は、もちろん上京後、昔のバンドブームがすっかり終わっていた時期の乾いた自嘲の歌である。つねに明るく振る舞う人たちだからつい忘れそうになるが、夢破れ、頓挫し、実際に活動休止する歴史を、確かにこのバンドは背負ってきたのだった。


もっとも、今となれば躓きもイントロダクションだ。それを証明するのが中盤の「トーキョー・ロンリー・サムライマン」や「明日の唄」。前者は任侠映画風に啖呵を切りまくる演歌ロックの真骨頂。後者は真剣に昭和歌謡名曲をイメージした、増子のMCによると「紅白の最後、サブちゃんが、奈落から迫り上がって唄い出す感じの」曲である。復活した2000年頃、流行っていたR&Bへの当てこすりとしてR&E(リズム&演歌)を掲げていた怒髪天。誰もやらない方向、ダサいクサい暑苦しいと笑われそうな方向へ積極的に舵を切ることで、このバンドは息を吹き返すのだ。ネタにするのではなく、本気の演歌道を突き進んでみせることで生まれたオルタナティヴ街道。〈常識を飛び越え、自分のやりたいことをやる〉というのは革命児の共通項だが、その際〈人から称賛されることを目的とせず、その振り切れ方の凄まじさゆえに格好よく見えてしまう〉のは怒髪天くらいのものではないか。


ふっと増子が舞台袖に消え、恐ろしいほど鋲が入った真紅の革ジャン姿で再登場。間髪入れず始まるのは「OUT 老GUYS」だ。ハードコアとメタルとラテン(!)を経由しながら、〈我老いてなお害する者なり〉と害悪宣言を繰り返す名曲のひとつ。珍曲と言うのかもしれないが、振り切れ方の凄まじさは令和の怒髪天の到達点だ。R&E路線が活路と落ち着いてしまうことなく、さらに変なもの、より面白いものを求めていったハングリー精神。まさにこれが〈増子直純の歴史〉なのだろう。周知のとおりトークも秀逸な男ではあるが、4曲目から13曲目までほぼノンストップ、音楽だけでバンドの軌跡を見せる展開が素晴らしく潔かった。


MCを経ての終盤、特筆すべきトピックは初披露の新曲「トカイテ」だ。こちらは驚くほど爽やかなポップソング。「OUT 老GUYS」の異様なクドさと新曲の普遍性を違和感なく受け入れるのがバンドと界隈(=ファン)の懐の深さ。そして今、彼らの笑顔を加速させるのはバズりにバズっている「オトナノススメ〜還暦上等!〜」の圧倒的一体感なのだ。この曲をラスト手前としていよいよ大団円。最後は景気よく「サスパズレ」!……と、思いきや。


イントロのあと曲はスタートせず、代わりにSAやフラカンのメンバー、柳家睦、箭内道彦など、近しい友人たちが続々と登場する。彼らの温かい拍手と祝辞に包まれながら、上原子友康は「最高のパートナー。この歳までバンドをやってくれてありがとう。出会ってくれてありがとう!」と増子への愛情を爆発させる。いっぽうで坂詰克彦はといえば、いつの間にステージから消えていたのか、赤ふんどし姿でケーキを持っての再登場。増子から「……なんて格好してんの?」と真顔でツッコまれていた。


宴にさらなる深みを加えていたのは2階バルコニー席に招待されていた増子の母による手紙である。難産だった60年前の記憶に始まり、バンドに傾倒していく時期のエピソードを、どこかユーモラスに伝える口調は見事なもの。さらに「育てたのは私ですが、東京に行ってからあなたを育てているのは、ここにいるお客さんたちです」の一言には会場中から拍手喝采。このシーンが本日一番のハイライトだったかもしれない。照れ臭いのか、何度も頭を垂れながら頷いていた増子だが、曲に戻ってしまえばショーマンシップの見せどころ。メンバーと笑顔を交わし、ファンや仲間を盛り立て、まめに坂さんをイジりながら、最高のグランドフィナーレへと到達していた。


完成度やストーリー性、仲間たちが寄せる愛情も含め、初日は完璧と言っていいだろう。あと2回あるメンバー誕生祭は、次が8月の坂詰バースディ公演となる。増子のそれと比べてどんなオチが……いや、どんな高低差が用意されているのか。そちらも引き続き要注目である。


文=石井恵梨子
写真=石井麻木


【SET LIST】

  1. ハッピー バースデイ マン
  2. 酒燃料爆進曲
  3. 情熱のストレート
  4. 夕暮れ男道
  5. 望郷ドラ息子
  6. 青嵐-アオアラシ-
  7. 溜息も白くなる季節に…
  8. ソウル東京
  9. トーキョー・ロンリー・サムライマン
  10. 明日の唄
  11. OUT老GUYS
  12. ドリーム・バイキング・ロック
  13. yallow magic orchestra(野郎魔術楽団)
  14. トカイテ
  15. 最後のひとり
  16. ひともしごろ
  17. 歩きつづけるかぎり
  18. オトナノススメ~還暦上等!~
  19. サスパズレ



NEW DIGITAL SINGLE
「トカイテ」
2026.4.22 RELEASE

https://dohatsuten.lnk.to/tokaite

 

〈怒髪天 presents 湯ナイテッド・アワーヅ 2026 "還暦一番風呂、お先で~す"〉
5月16日(土)石川県・粟津演舞場
5月17日(日)石川県・粟津演舞場


〈還暦上等!生涯現役スタミナ街道 還暦RIOT "MORE FUTURE TOUR"〉
5月27日(水)東京都 下北沢SHELTER
6月6日(土)和歌山県 和歌山CLUB GATE
6月7日(日)大阪府 FANDANGO
6月14日(日)長野県 ALECX
6月25日(木)兵庫県 Live House Beta
6月27日(土)福岡県 小倉FUSE
6月28日(日)熊本県 NAVARO
6月30日(火)三重県 club chaos
7月11日(土)石川県 vanvanV4
7月12日(日)岐阜県 yanagase ants
7月18日(土)岩手県 the five morioka
7月20日(月・祝)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
8月1日(土)岡山県 PEPPERLAND
8月2日(日)岡山県 PEPPERLAND
10月8日(木)東京都 Live & BAR Nutty's
10月24日(土)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
10月25日(日)群馬県 Club JAMMERS
10月31日(土)香川県 DIME
11月1日(日)広島県 広島セカンド・クラッチ
11月3日(火)福岡県 LIVE HOUSE CB
11月5日(木)兵庫県 神戸VARIT.
11月14日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
11月21日(土)宮城県 darwin
to be continued...


〈還暦上等!生涯現役スタミナ街道 Just a sixty "中空見つめて60年"〉
8月18日(火)荻窪 TOP BEAT CLUB *坂詰 誕生日公演
8月19日(水)荻窪 TOP BEAT CLUB *後夜祭


〈怒髪天 presents BAKA CLASICO 2026 横浜なんちゅうか、本中華、珍中華〉
8月21日(金)F.A.D YOKOHAMA(ワンマン)
8月22日(土)F.A.D YOKOHAMA
w/柳家睦とラットボーンズ *バンドセットでの出演


〈カムバック・サーモンTOUR 2026 還暦故郷遡上編~ホッチャレ歌まつり~〉
9月19日(土)留萌市中央公民館 講堂
9月20日(日)小樽・ヲタル座
9月22日(火/祝)札幌・モエレ沼公園 ガラスのピラミッド
*全公演アコースティック・ワンマン


〈怒髪天 presents 中京イズバーニング 2026 ×名古屋CLUB UPSET21周年 池下DE還暦祝ってもらいまSHOW〉
10月17日(土)名古屋CLUB UPSET w/ピーズ
10月18日(日)名古屋CLUB UPSET w/THE BOYS&GIRLS


〈ドハツの日(10・20)特別公演 2/3の純情な還暦〉
10月20日(火)名古屋CLUB QUATTRO


〈還暦上等!生涯現役スタミナ街道 Just a sixty "俺のギターでラブ注入♡"〉
2027年2月26日(金)札幌 ペニーレーン24 *上原子 誕生日公演




怒髪天 オフィシャルサイト

SHARE
RECOMMEND
RECOMMEND
WEB ORIGINAL

怒髪天のフロントマン、増子直純の誕生日ライヴで幕を開けた還暦イヤー。愛情に満ちた特別な夜

#ライヴレポート #怒髪天

BE:FIRSTが音楽と人6月号の表紙に登場。生涯BE:FIRST宣言を掲げた6人の姿に迫る!

#BE:FIRST

My Hair is Badバヤ&やまじゅんによる連載「反省をさがして」。2周年記念で過去回を特別公開【後編】

#My Hair is Bad
ARCHIVE

【Archive/Interview】怒髪天/音楽と人2026年2月号

#怒髪天
CURRENT ISSUE

D’ERLANGER、11枚目のアルバム『Evermore』。ロックギタリストが語る永遠と自身の未完成さ

#D’ERLANGER
LOAD MORE

© 株式会社音楽と人

FOLLOW US
タグ一覧
ライヴレポート / 最新号 / WEBオリジナル / アーカイヴ / 編集部通信 / 怒髪天 / BUCK-TICK / 言の葉クローバー / 僕たちプロ野球大好きミュージシャンです! / DEZERT / 小室ぺいの自由研究 / 音楽と人LIVE / PHY / NITRODAY / 映画 / GRAPEVINE / 9mm Parabellum Bullet / a flood of circle / 中田裕二 / MUCC / 銀杏BOYZ / THE COLLECTORS / フジファブリック / noodles / Mrs. GREEN APPLE / go!go!vanillas / SUPER BEAVER / 後輩ノススメ! / the pillows / THE BACK HORN / SixTONES / THE YELLOW MONKEY / ヤバイTシャツ屋さん / The Birthday / ストレイテナー / BRAHMAN / ENDRECHERI / UNISON SQUARE GARDEN / lynch. / ポルノグラフィティ / 忘れらんねえよ / 山崎まさよし / THE NOVEMBERS / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / 2019年プレイバック&MY BEST MUSIC / KinKi Kids / The Songbardsの描写探訪 / aiko / The Songbards / KEYTALK