心を揺さぶられたり、座右の銘となっている漫画、映画、小説などの1フレーズが誰しもあるはず。自身の中で名言となっている言葉をもとに、その作品について熱く語ってもらう連載コラム『言の葉クローバー』。今回はAge Factoryのドラム増子央人が、コロナ禍に視聴したという映画『ライフ・イズ・ビューティフル』のセリフを紹介します。
(これは音楽と人2026年5月号に掲載された記事です)
映画『ライフ・イズ・ビューティフル』
沈黙こそ最大の叫びだ
作品紹介
『ライフ・イズ・ビューティフル』 監督:ロベルト・ベニーニ
1999年公開のイタリア映画。第二次世界大戦下、ユダヤ人が迫害される中で奮闘する家族の物語。第71回アカデミー賞では複数の部門でノミネートされ、賞も受賞した。
コロナ禍で映画観るのにハマっとった時期があって、ブックオフ行ってはDVDをジャケ買いしてたんです。この映画もその時に買って観ました。
最初はタイトルが目に留まったんです。というのも、俺が20歳になった時、初めて父親と呑みに行って。バンドやりだして、周りにもいい人がいっぱいいて楽しいよ、とか近況を話してたら、父さんが「央人が、今生きているこの世界を素晴らしいと思ってくれていることがうれしい」みたいなことを言ったんですよ。それがめっちゃ頭に残ってて、このタイトル見た時に、〈近いぞ、これ〉って思わず手に取ったんですよね。
で、観てみたら家族の話で。しかもユダヤ人のホロコーストを描いた内容なんですけど、映画に出てくるグイドっていう父親と自分の父親がなんか重なって。グイドはどんなに辛い場面でも考え方次第で今を楽しめるぞ、みたいな感じでつねににこやかに振る舞うんです。うちも裕福な家ではなかったけど、父親が金のかからへん遊びをたくさん教えてくれた。楽しさは自分で作ることができるって気づかせてくれた父親とグイドに近いものを感じて、より引き込まれましたね。
このセリフはグイドではなく、叔父のエリジオのものなんですけど。エリジオの家がファシストたちに襲われて、タイミングよく訪ねてきたグイドが「大声で助けを呼んだ?」って聞いた時に、さらっとエリジオがこれを言うんです。
それまでは、シュプレヒコールじゃないけど、何かを訴えるにはやっぱり声に出すことが大事やと思ってた。でもそうじゃないこともあるんやって、衝撃的やったんすよ。それにちょうどコロナ禍でライヴに来たお客さんが声を出せなかった状況ともリンクして。何を話すかより、何を話さないかのほうが大事なこともあるし、口を閉ざすことで訴えるものや守れるものがある。そんなことを考える時期やって、それを当ててるセリフやったんですよね。映画の中では立場が弱いから口にできないんじゃなくて、堪える力強さも感じて、そこもすごくカッコよかった。ほんまに言えない現状があったからこそのセリフではあると思うけど、こうして日本人として平和に生きてる自分も、そういう覚悟とか強さを持っていたいなって思わされました。
重たいテーマの映画だし、物語の後半にかけて状況は深刻になっていくのに、グイドがずっと冗談言ってるし、辛い状況だけど明るく振る舞うから、ずっとコミカルなんですよ。その空気感もすごくいい。俺が将来結婚して子供ができて、何か1個だけ映画を見せるとしたら絶対これを選ぶ。それくらい心に残っている作品ですね。
NEW DIGITAL SINGLE
「静脈 / ERROR」
2026.04.15 RELEASE

- 静脈
- ERROR
NEW DIGITAL ALBUM
『AGE FACTORY REMIXES 2026』
2026.04.15 RELEASE

- 向日葵 - 142clawz Remix
- HIGHWAY BEACH - play in stereo Remix
- 3 - tsubi club Remix
- OVER - lil soft tennis Remix
- nothing anymore - vq + 23wa Remix
- may feat.lil soft tennis - Yohji Igarashi Remix
- AXL feat.JUBEE - imai Remix
- Dance all night my friends - Big Animal Theory Remix
- Party night in summer dream - tofubeats Remix
- See you in my dream - VMO Remix
