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INTERVIEW
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a flood of circle〈LIVE AT 日本武道館〉開催直前企画。第二弾は唯一のオリジナルメンバー、渡邊一丘!

text by 金光裕史
2026年4月29日


5月6日、ついに日本武道館のステージに立つ a flood of circle。その直前インタビューの2回目は、佐々木亮介と共に20年バンドを支えてきたドラムの渡邊一丘。メンバーの失踪、脱退、加入、そしてまた脱退。なかなか安定しない、そして結果を残せないバンドをここまで一緒にやってきた彼は、今のライヴが予定調和をよしとせず、曲順を突然変え、リハもなく、SEもBGMもない、そんな状態なことをどう考えているのか。そして彼にとっての武道館とは。



武道館が近づいてきました。


「近づいてきましたけど、いよいよだ!という感覚はまったくないです(笑)」


ツアーもイベントも直前まで続くから、日々、気が抜けないですね。


「気が抜けない、というか、佐々木に翻弄されてます。〈バンドとはこういうものである〉〈こういうライヴをやるものである〉ということへのアンチテーゼを示そうとしてるんでしょうけど、それに乗って全員が暴走すると、ライヴが成り立たない。あと枠を壊すためにやってるのに、壊すという行為そのものが枠になってしまって、今度はそれを壊さないとおかしくない?と思って、すごく冷めちゃったりもする。その繰り返し。日々悩んでます!(笑)」


そういうパフォーマンスに見えちゃう、ってことよね。


「そうです。ツアーに出てくれたw.o.d.の元良くん(中島元良/ドラム)と打ち上げで話してて。『佐々木が武道館も本番の10分前に来るって言ってんだよね』って言ったら、『でも本当に10分前に来る人って、事前に言わなくない?』って(笑)」


確かに(笑)。しかし何で佐々木はこんなやさぐれたモードになったと思いますか?


「俺が思うに、あいつ、根が真面目なんですよ。真面目が真面目にロックンロールを続けてきたけど、あまり結果が出ていない。そもそもロックバンドをやっているアイデンティティも薄い。それを探す旅に出ているというか」


武道館直前に(笑)。


「でもちょっとだけわかるのが、40代が見えてくると、老いとか死とか生活とか、そういう言葉の意味が20代とは変わってくるんですよ。ドキドキしないし、飽きてくる。何なら現実を見据えないといけない。いつか死ぬなら、予定調和を一生続けるよりドキドキすることをしたい、と思う。これは自然なんじゃないかな」


だから曲順は突然変えるし、本番10分前に入ってリハやらないし……。


「俺たちはリハやるけどね(笑)。なのに、歌を演奏と合わせようとしない」


逆に、メンバーは合わせてくれるはずだ、と信頼してるとも言えます。


「だったらもっと優しくしてくれ(笑)。でもまあ、普通じゃ嫌なのはわかります。武道館含めて、ここまで這いつくばってみんなとよく頑張ってきたね、みたいな感動のストーリーは、なんか嘘くさく感じちゃうんでしょうね」


5年前、ナベちゃんが佐々木とサシ呑みして、このまま何の目標もないまま40歳までダラダラ続けるつもりはない、と言ったことが武道館のきっかけではありますが。


「でも俺、辞めるとは言ってないですからね! 武道館で『ナベちゃんは辞めへんでー!』(ガキの使いやあらへんで!のネタ)みたいに、面白く言えたらいいんだけど(笑)」


佐々木自身は、これだけやってもナベちゃんや姐さん(HISAYO/ベース)、テツ(アオキテツ/ギター)はやってくれるはずだ、という甘えもあるんじゃないですかね。


「その感じで2年ぐらいやってるんでね。こっちは、〈いつまでこのままでやるんだい?〉って気持ちがあるわけですよ。まあそれをあいつのせいにするだけじゃなく、4人みんなで変われたらいいな、とは思ってます」


なるほどね。


「曲順変えてくるとか、リハに来ないとか、そういうのは全然いいんですよ。あえて合わさないようにやるのがムカつくんです(笑)。たぶん曲を同じようなフォーマットでやりたくないからそうしてるんでしょうけど、俺らはバンドで、めちゃくちゃテクニカルなわけじゃないから、すぐそれに対応できるわけじゃない。まあ、試してるのかもしれないですけどね。どこまで行けるか」


そういう状況で武道館をやることに対して、どう思っていますか。


「どうも思わないようにしてます。もうここまできたら、〈こういうふうにちゃんとやろう〉なんて思ってても意味がない(笑)。あと俺、武道館に憧れてバンドを始めたわけじゃないんで。ただ、一緒にライヴハウス出てたバンドが、すごいスピードで羽ばたいていって、武道館をやる姿を客席から観てた。20年かかったけど、自分もそれができるのは嬉しいですよ」


武道館をどういうものにしたいっていうイメージはある?


「今、対バンツアーを廻ってて、各地のライヴハウスの店長とかイベンターさんと話してて、けっこう俯瞰した視点をもらえてます。佐々木が急に違う曲のイントロ弾き始めても、それに対応しようとするんじゃなくて、逆にこっちが何か起こして、ライヴを成立させるのもいいんじゃないかな、って。昨日のフェス(註:4月19日〈I ROCKS 2026 stand by LACCO TOWER〉)とか、本編終わってテツはすぐ捌けちゃったんですよ。あいつは今、一瞬で帰ることに命かけてるから(笑)。そしたら佐々木が、あと何分ある?って確認して、〈The Beautiful Monkeys〉を始めたんですね。どうにか俺とHISAYOでついていったけど、ステージにテツはいない(笑)。おいおいと思うけど、まあこれはこれで、事が起きたからいいのかなって」


なるほど。


「予定調和で何が悪い、とも思います(笑)。ここでMCやって、こういうギターソロが来て、というのは(バンドに)酔ってないとできない。俺らそこそこ歳を重ねて、正直、そういうのを痛々しくは感じるのは確かだし、どのバンドもそういうところはあると思う。だからそれを排除することで、お客さんも含めて。本音でぶつかろうとしてるのかもしれない」


本番10分前に会場に入ってくるのも、リハやんないのも、〈予定調和じゃないからな?〉と示すためのものというか。


「そうかもしれない。でもだったら、『そういう気持ちでやろうとしてる』ってちゃんと言え! 俺たちも……人間だよ?(笑)」


まあ、まず味方から欺け、と言うし(笑)。しかし武道館のライヴが終わったあと、どんな気持ちになるんだろうね。


「握手したり抱き合ったりはないかな(笑)。でも、20年間もバンド続けてこれて、武道館に立ってることへの感謝はちゃんと伝えたいですね。佐々木も、どんなやり方してたって、それがないはずはないので。俺らが20年間、どんな気持ちで歩んできたかみんな理解してるからこそ、逆に、みんなで作り上げる感じになれたらいい、と思う。肩を組む感じじゃないし、ベタなMCも演出もないだろうし、ステージでは予定調和を崩そうとするヴォーカルと、それについていく3人がライヴを必死にやってる。みんなが同じものに向かって必死になれてるのはいいと思うし、それをみんながライヴで感じてくれたらいいな、と思います」


楽しみにしております。


「どうやったら一番いいですかね? 最後」


まあ今の気持ちとこの20年を考えたら、終わって、ステージでナベちゃんが握手を求めて、佐々木が戸惑いながらそれに応えようとした瞬間ビンタして、ギュッと抱きしめる、とかじゃない(笑)。


「わははははは、なんだそれ、最高!」


それが一番この20年のバンドを表してると思う(笑)。


「それで『ナベちゃんは辞めへんでー!』と叫ぶ(笑)。いいですね。でも、やりません!(笑)」



文=金光裕史
写真=新保勇樹


第一弾 アオキテツインタビュー
第三弾 近日公開
第四弾 近日公開



〈a flood of circle 20周年記念公演 LIVE AT 日本武道館〉
5月6日(水・祝)日本武道館
OPEN/START 15:00 / 16:00
特設サイト


NEW ALBUM
『夜空に架かる虹
』
2025.11.12 RELEASE

  1. 夜空に架かる虹
  2. KILLER KILLER
  3. ASHMAN
  4. マイ・モーターサイクル・ダイアリーズ
  5. モモちゃんのブルース
  6. SNAKE EYES BLUES
  7. キメラファンク(FLY! BABY! FLY!)
  8. ルカの思い出
  9. 全治
     


a flood of circle オフィシャルサイト

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