心を揺さぶられたり、座右の銘となっている漫画、映画、小説などの1フレーズが誰しもあるはず。自身の中で名言となっている言葉をもとに、その作品について熱く語ってもらう連載コラム『言の葉クローバー』。今回は、9月9日にメジャー1stフルアルバム『世界が変わる時』をリリースしたハク。のフロントマン、あいが登場。幼い頃に目にした聖書の一節が、自分の中にずっと残っている理由について語ります。
(これは音楽と人2026年10月号に掲載された記事です)
自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ
『マタイによる福音書』22章37~39節
作品紹介
『マタイによる福音書』22章37~39節
新約聖書正典に含まれる四福音書のうちのひとつ。イエス・キリストの生涯を綴ったとされる4つの福音書の中で、キリストの12使徒のひとりであるマタイが記したものとされている(諸説あり)。
幼稚園くらいの頃、子供向けの聖書をなんとなく読んた時にパッと目について、ずっと自分の中に残っていたのがこの言葉で。ほんとスッと自分の中に言葉が入ってきた、っていう感覚をすごい覚えています。そこから子供ならではの素直さで、この言葉をすんなり受け入れている自分がいて。〈自分がしてもらって嬉しいように人と接しよう〉っていう感じで、自分から友達にもどんどん話しかけたりして、今よりもずっと他者と素直に接することができていたように思います。だから子供時代は、今と違って、めっちゃ明るい性格だった気がします(苦笑)。
やっぱり中学校や高校になると、思春期というのもあるけど、人間関係も複雑になってきて。なんかうまくいかなくて嫌な気分になることも増えるじゃないですか。そんな中で人に優しく接することができるほどできた人間じゃないというか、それこそ人とのコミュニケーションがめちゃくちゃ億劫になってしまった時期があったんですよね。その頃は、むしろこの言葉が綺麗事にしか思えなくて、なんだか教科書みたいな言葉で嫌だなとも思っていましたね。
実は今まで、自分にしっくりくる言葉ってあまりなかったんですよ。今回、この取材を受けるにあたって、改めて自分の好きな言葉って何だろう?って考える機会を得て。そこですっと一番に出てきたのが、この言葉だったんです。それによって、ずっと自分の中にあったことに改めて気づいたというか。
聖書の中には、すごくいろんな言葉があるわけですけど、これだけがずっと自分の中にあったのは、きっと人と接する時に思うことや、人に対して〈そうありたい自分〉っていうのが、この言葉に集約されているからなのかなと思います。
この言葉って、そもそも〈自分のことを愛する〉っていうことが前提にあると思うんです。だから嫌になってた時期は、自分のことも好きになれず、だから人にも優しくできなかったんだろうなって。それで自己嫌悪に陥ったこともあったけど、年齢やいろんな経験を重ねた今、人間関係と自分の気持ちのバランスが取れるようになってきたのもあって、改めてこの言葉の意味を、ちゃんと自分の中に落とし込めるようになってきたのかもしれません。
小さい頃は、純粋に〈いい言葉だなぁ〉ぐらいにしか思ってなかったし、一時期は、すごく嫌だなって思ったりもしたけれど、24歳の今、ようやく自分の中でしっくりきていて。今後すごく落ち込むようなことがあっても、この言葉があることで浮上できるというか、自分の感情の居場所がここにあるって思える、そういう安心感を得られた気がします。
NEW ALBUM
『世界が変わる時』
2026.09.09 RELEASE

- 渋谷から
- GO
- 宇宙船ハート号
- 一進
- 大事なもの
- 停滞 midnight
- 奥二重で見る
- 飛行
- それしか言えない
- dedede
- 夢中猫
- ふわ輪
- 南新町
- 世界
