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Galileo Galileiのスタジオを訪ねて。そして約束を果たした札幌の夜

取材を終え、いよいよ約束を果たす時が来た。3人で話すテーマは〈友だち〉。理由はガリレオの歴史を知る人なら説明不要だろう



作業の合間の食事もここでとるそうだ。いつもは岡崎がキッチンで腕をふるうらしい。テーブルとソファはあるけどテレビがまだないので、早くここで野球の試合が観られるようにしたいという。こんな感じでガリレオにとって生活と音楽が地続きにあるのは当たり前のことで、雄貴は20年近くこのスタイルで音楽活動を続けてきた。しかもこれまでと同じように、彼の家族の住居もこの建物内に備わっているのだ。音楽家にとっては理想的な環境かもしれないが、逆に言えば逃げ場のない空間でもあるだろう。音楽、バンド、家族。そのすべてがこの場所に集約されているだけでなく、それらすべてを支えているのは彼自身が生み出す音楽なのだから。その孤独感たるや、万人には到底理解できないものだ。


撮影がひと通り済んだところで、予定していたインタビューを3人で行うことになった。すでに配信中の新曲「木漏れ日坂」が、6月24日に2曲入りのCDシングルとしてリリースされるタイミングに合わせての取材だ。こちらのインタビューは次号6月5日売りに掲載するので詳細は避けるが、個人的にはいつか和樹のソロインタビューをやってみたい、と思うような内容だった。やはり今のガリレオを語るには、メンバーひとりひとりの言葉が必要であることを実感した。


取材を終え、いよいよ約束を果たす時が来た。実は、スタジオ訪問が決まった時点で雄貴だけでなく、岩井を含む3人で呑むつもりでいた。というのも岩井には『BLUE』リリース時に、雄貴のピンチヒッターとしてリモートで取材を受けてもらったのだが、そこでも彼と「呑もう」という話になったからだ。3人で話すテーマは〈友だち〉と決めていた。理由はガリレオの歴史を知ってる人なら説明不要だろう。すすきのに移動し、彼らが昔からお気に入りだという居酒屋のドアを開けた。録音した会話を誌面にするけどいい?と彼らの了承を得てから、ビールで乾杯した。以下、読みやすいようにインタビュー形式でまとめているが、実際は友だちノリの砕けた会話だった。


⚫


というわけでやっと約束を果たせます。乾杯。


雄貴&岩井「かんぱーい!」


雄貴「このお店はデビューした頃から来てて。失恋した夜、ひとりでここに来て泣いたことがある(笑)」


いい話だ(笑)。


岩井「このお店にしてよかった」


岩井くんとは『BLUE』の取材でいろんな話をしましたが。


雄貴「俺のピンチヒッターだ。あの時、誰にも会いたくなかったんですよ」


岩井「ここまで喋っていいのか?っていうことまで喋った気がする。しかもリモートなのにお酒呑みながらやったんで、途中から何話したか覚えてない」


雄貴「お酒に関しては岩井くんのほうがヤバいよね。いきなり『ギター辞める!』とか言い出すし」


岩井くんとはその時の取材で、ガリレオを辞めた時のこととか「どうしてヨリを戻したの?」みたいな話をしたんですよ。もちろん雄貴くんともそういう話は散々してきたけど、今日は〈友だち〉をテーマに話したくて。


岩井「マジすか」


単刀直入に聞くけど、仲はいいの?


雄貴「と、僕は思ってますけど」


岩井「僕も思ってます(笑)」


はははは。他に仲のいい友達は?


岩井「俺、基本的に友だちがいないんですよ。その時のインタビューで話したかもしれないけど、友だちが作れなくて。作ったとしても、自分から離れちゃうし」


どうして?


岩井「わかりあえないって心のどこかで思ってるのかな……」


雄貴「小学生の頃って、一瞬で友だちができるじゃないですか。けど今の岩井くんにはそういう能力がなくなってる気がする。例えばFOLKSの元メンバーがスタジオに遊びにくると、めっちゃ岩井くんのことを好きなのがわかる。だから『めっちゃいい友だちいるじゃん!』って岩井くんに言っても、肯定しない。『あいつ、クズが好きだからな』みたいな」


もしかして羨ましい?


雄貴「うん、羨ましい。だってメンバーじゃなくなっても、そうやって会いにきてくれたり話を聞いてくれる友だちがいるってことじゃないですか。自分の場合、そうじゃないから」


前に言ってたよね。「対バンしても、そのバンドの音楽が好きじゃないと友だちになれない」って。


雄貴「それはそうです。やっぱり自分に嘘はつけないから」


音楽と友だちを切り分けられない?


雄貴「出会いのきっかけが音楽だと難しい。まずは音楽っていう車に乗るところから始まるわけで、そこで『どうなの?』っていう話をするわけだし。だから逆に、まったく音楽と関係ない人たちのほうが仲よくなりやすい。すごい潔癖だなって自分でも思うけど」


潔癖っていうか、面倒くさい(笑)。


雄貴「はははは。面倒くさいっていうところで話すと、前にレコード会社の洋楽を担当してる人とご飯を食べた時に、その人に絡んじゃったことがあって。『あなたは僕らの音楽を聴いてないじゃないですか』って。『さっきからずっとフジロックの話をしてますけど、フジロック嫌いなんですよ。なんでかっていうと、俺らに声がかからないから』って(笑)」


あははは! ちなみに雄貴くんにはバンド以外に友だちと呼べる人はいるの?


雄貴「いないです。学生時代からずっと。僕、BUMP OF CHICKENが好きだったんですけど、メンバーが幼馴染みっていうのにすごく憧れてた。だからガリレオを始めた時も、最初はメンバーと交換日記をやってて。そこに飼ってた犬が死んだ時のことを長文で書いたら、『雄貴の日記は重い』って言われて」


デビュー当時もそれに近い感じではあったけどね。メンバーと研究ノートを作ったり。


雄貴「あれも僕からメンバーに『やってくれ』って言って。今でもそうなんだけど……バンドをやるのにメンバーとお金の話が絡むのが嫌なんですよ。でも、〈お金の切れ目は縁の切れ目〉って言うじゃないですか。だからそういうことが起こらないようにちゃんとお金を稼ぎたくて、でもお金のためにバンドをやるのが嫌で、そのジレンマがつねにあって」


今でも?


雄貴「今でも。特に岩井くんは人生の大きい部分を占めてる人だから、友だちとして接するべきなのか、メンバーとして接するべきなのか、そういうところでも悩んだり。しかも岩井くんは岩井くんで、最近悩んでるみたいだし」


そうなの?


岩井「ま、悩みは尽きないですけど。ただ、僕にとってガリレオは、自分の人間性を回復させる場というか。僕、ガリレオとは別に自分で会社をやってるんですけど、なるべくそっちで飯のタネを稼ぐことで、ビジネス的なことはこっちに持ち込まなくていいようにしてるんです。だから今、雄貴との仲メンバーであり友だちであるっていう関係性がなくなると、たぶんメンタル的にヤバいだろうなって」

一緒に音楽やってるんだから、僕は岩井くんの孤独を解き明かしたい。今まで……自分の孤独感と向き合ってばっかりだったけど(雄貴)

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