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INTERVIEW
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Nikoん、9月に2ndアルバム『fragile Report』発売決定。今注目のツーピースバンドの実態に迫る

text by 石井恵梨子


近年じわじわと話題になっているロックバンド、Nikoん。オオスカ(ギター&ヴォーカル)とマナミオーガキ(ベース&ヴォーカル)のツーピースで、2人とも対等に歌唱と作詞作曲を担当。歪みきった凶暴なギターが鳴ったかと思えば、現代的なビートメイクもあり、どの曲もメロディが抜群にいい。日々ライヴハウスで鬱屈した爆音を吐き出している若手――オオスカ主体で続いてきた以前のバンドがまさにそうだった――とは似て非なる可能性が感じられるのだ。とはいえ、この夏に飛び込んできたニュースには仰天させられた。まずは九州編・関西編と初の長期ツアーを行ない、サブスク解禁されていないファーストアルバム『public melodies』のCDを会場限定販売。同時にFACTなどを輩出したレーベル・maximum10と契約し、9月24日リリースのセカンドアルバム『fragile Report』でメジャーデビューも決定したという。足を使って直接人に会いに行くドサ回りスタイルと、今あえてメジャーデビューという決断の両立に、彼らはどんな未来を見ているのか。Nikoんの実態に迫る初インタビューである。



改めて、このバンドの始まりから教えてくれますか。


オオスカ「前のバンドの解散が決まったタイミングが、25歳の時で。〈音楽辞めるんだったらまぁここじゃないか〉みたいな年齢だったんですよね。ただ、解散の理由はドラムとの食い違いだったし、その1年前にベースとして入ってくれたぺやんぐ(マナミオーガキの愛称)には『お前どうすんの? 地元鹿児島だし、バンド辞めたら東京にいる意味なくない?』みたいな話をして。俺の記憶だと、ぺやんぐから『2人でなんかやろう』って言われた気がしてるんだけど……」


マナミオーガキ「いやっ? どっちもが言い出した気がする」


オオスカ「彼女はソロで弾き語りもやっていて。わりと心残りというか、ぺやんぐの面白いところを引き出しきれずに終わっちゃった感じもあって。だから、この2人でゼロから作りたいと思って、またバンドを組んだんですね」


以前の名前で続けずに、解散、そして新バンド結成というプロセスを踏むのは必要なことでした?


オオスカ「必要でした。一回あの活動は、おしまいにして、リセットして踏ん切りをつけたかった。このバンドはこのバンド、前のバンドは前のバンドで、別個に美しいものだと俺は思っているので」


マナミ「うん。前は、自分があとから入ったメンバーだったこともあって、やっぱりオオスカのバンドだっていう感覚だったんです。でもそれを終わらせたことで、自分のバンドっていう感覚を一から作っていけたのがよかったと思います」


オオスカ「作曲の仕方も全然違うんですよ。前はスタジオに入って、リフなりリズムからセッションしていったけど、Nikoんでは初めてDAW(註:音楽制作ソフトの総称)で音楽作り始めて。前のバンドが解散してNikoんが始まるまでに、それぞれのソロ音源でスプリットみたいなのを出してるんです。お互いが曲書いて、そこに意見を出し合って、お互いが唄う。それが母体になってる」


あぁ、シンガーソングライター2人として始まっている。


オオスカ「そうです。で、2人でディスカッションすると、いい意味でズレてる。合ってなさがよかったし、ぺやんぐが自分にないものを持ってる感じもあったので、そこにフォーカス当てたほうがいいんじゃないかと思って」


マナミさんのソロ音源って、ピアノ主体の曲もありますよね。どんなルーツなんですか?


マナミ「バンドのルーツでいうと、GO!GO!7188。地元の鹿児島出身のバンドで。ノマアキコさんへの憧れで、最初は同じサンダーバード使ってました(笑)。あとはクラシックピアノを習ってました。私はギターが弾けないので、歌の伴奏として扱えるのはピアノで」


オオスカ「ぺやんぐの曲ってリズムと歌、あとはピアノと歌しかない場合もあって。細かい理論とか俺はわからないし、全然違うコードに変えちゃうんですよ。だから聴感上ではたぶん合ってると俺は思ってるけど、実はなんのコードが基準になってるかよくわからん、みたいな曲になったりして。彼女のほうが音楽知識は上だから頼るところはあるし、オーソドックスになりすぎるものを俺がギターで壊していくところもあるし。お互いのルーツをあんまり知らないのが逆にいいのかな。趣味が近いと(オマージュがある場合)元に寄りすぎちゃうから。〈俺は、こう聴いてこう思ったよ〉みたいなディスカッションをやってる感覚に近いですね」


スタジオで向き合うんじゃなく、距離を保ちながらデータでやり取りしていくんですか?


オオスカ「や、絶対集まってやるんですよ。お互いパソコン持ち寄って」


あ、DTMではあるけど、顔は突き合わせるんだ。


オオスカ「うん。とにかく2人で会わないとできない。データ上だけ、っていうのも最初やってみたけど、すげぇ時間かかるんですよ」


マナミ「その場で聴きながら意見をやり取りするのが大事なのかな」


オオスカ「そうしないと、曲が肉体的じゃなくなっていく気もするし。LINEとかで文面が送られてきても、どれくらいのレベルで言ってるのか、顔見ないとわからなかったりするじゃないですか。だからDAWでの制作が好きっていうよりは――」


マナミ「DAW上でスタジオ作業をやってる、みたいな感じ」


効率がいいのか悪いのかわからないけど、面白い作り方。お互いの曲をそれぞれどう思っています?


マナミ「自分は基本的に歌からしか作れないので。良し悪しのジャッジが必然的に全部歌になっちゃうんです。でもオオスカは〈このリフがいい〉とか〈このリズムがいい〉とか、いろいろパターンを作れるから」


オオスカ「器用貧乏(笑)」


マナミ「でもそれは自分にはできないことだから、すごいなって。あと理論をあんまり知らないってさっき言ったけど、自分的にはありえない音の組み合わせとか、けっこうあるんですよ。一緒に作る時にそれをどう解釈していくかが、かなり面白いなと思います」


オオスカ「俺から見ると、たぶん本人は重要視してないと思うけど、ぺやんぐは、めちゃめちゃ詞の人だなって思ってる。何言ってんのかよくわからないけどメロディはいいね、みたいな歌は俺嫌いなんですよ。もっと一節で飛び込んできてほしいんだけど、そういう歌が出てくる。しかも、素のままで来るから、〈こういう人間です〉っていうのが、話すよりも曲のほうがわかりやすい。それが面白いなって」


前のバンドと比べるものではないんでしょうけど、最初に音源を聴いた時、風通しのよさが全然違うと思ったんですね。ハッタリで作ってない。


オオスカ「ははは! それはまさにそうだと思います」


お互いにリスペクトしながら、純粋にいい曲を求めているんだなって。


オオスカ「一回バンドが解散してるから、自分の自己承認がゼロどころかマイナスになって、俺ゴミカスやんけ、みたいなところまでいってる。もうプライドとかもなくなるじゃないですか。そうなると、聴いてくれる人のこと考えてもしょうがないというか。お互いが好きであることのほうが大事で」


あぁ。まずは自分たち2人のために作り出した。


オオスカ「そうですね。作る時に、聴いてくれる人がこうだから、とは考えない。そんなの議題に上がったこともない」


マナミ「自分が嫌だったらやんないことが大事。あと、嫌なものとか、これが納得できないっていう価値観が一致してるから。だから一緒にやれるんだと思います」

バンドに命を懸けてる人たちが生き残れる土壌をメジャーに作りたい。ロックバンドが生きやすい場所、かつ俺らも生きやすい場所を作りたい

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