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【連載コラム】The Songbardsの描写探訪/第4回「坐禅」

■お寺で坐禅を体験!


今日お世話になるのは、世田谷区の大澤山龍雲寺です。ご指導してくださるのは住職の細川晋輔さんです。


2人「よろしくお願いします」


細川「こちらこそよろしくお願いします」


まずは「坐禅とは何たるか」を教えていただきましょう。


細川「はい。僕は坐禅を句読点だと考えていまして」


松原「句読点って、〈。〉とか〈、〉ということですか?」


細川「そうです。句読点が単体で並んでいても意味はないんですが、文章に置かれるだけで読みやすくなりますよね。坐禅も一緒で、これをすることで得るものはないですが、得るものがない時間を人生に置くことが大切なんです。それによって、他の時間がより活きてくるといいますか、純粋に物事と向き合えるんじゃないかと考えてます」


松原「なるほど……」


細川「坐禅は何かを得るのではなく、置いていくようなものと捉えていただけたらいいと思います。煩悩とか悪いことだけはでなく、いいことを置いていくことも大切なんですよ」


「いいこと」というのは、具体的にどういうことですか?


細川「過去の栄光とか成功によってもたらされたものですね。それがあると、人によっては傲慢になったり、自分を過信して判断が鈍ることもあると思うんです」


上野「確かに」


細川「坐禅の時間を使って一度リセットする、という感覚で臨んでいただけるといいのかなと思います」


2人はもともと傲慢になるような人たちではないので、細川さん、どうかお手柔らかにお願いします。


2人「ははははは!」


細川「わかりました(笑)」


まずは坐り方から教えていただきましょう。


細川「坐禅は姿勢、呼吸、心を調えていく行いなので、姿勢を調えるところから始めていきたいと思います。姿勢を調えるために、次は右足を左足に乗せてください」

すんなり坐り方をマスターできて、初っ端から褒められていた2人


細川「そして両手で楕円の形を作ってください」


松原「この楕円にはどんな意味があるんですか?」


細川「これは心の集中を表す鏡と言われています。大体、坐ってから5分、10分経ってくると〈お腹空いたなぁ〉とか雑念が浮かんでくるんですけど、そうするとこの楕円がどんどん崩れていきます」


私は撮影しつつ、楕円の形も注意深く見ておきますね。


細川「次に呼吸を調えていきます。7秒から10秒をかけて、ゆっくりと部屋の隅々まで息が行き渡るように息を吐いてきます。吐くところから始めるのも、禅の大きな特徴になります。吐いて吐いて吐ききって、もうこれ以上吐けないというところまで行くと、自然と息を吸い込みます」


(教えてもらったように、呼吸を練習)


細川「吐いて吸うのを1回として、これを1から10まで数えていきます。10回やったらまた1に戻ります。数を数えることだけに集中していると、無心というものが現れてきます。心の中がその一つのことだけで満たされた時に、私たちは無心という言葉を使っているのですが、今日はそういう意味での無心を体験していただきたいです」

無心になるべく呼吸に集中する2人


細川「では、この体勢で20分間やってみましょう」


松原「20分……けっこう長いですね」


上野「前にやった時、足がかなり痺れたのでちょっと不安です」


この20分間で、背中を叩いて喝を入れる瞬間もあるんでしょうか?


細川「龍雲寺では希望制なんですよ」


喝入れが希望制⁉︎


細川「〈警策を受けたいな〉と思ったら背中を前に倒してください。それを合図に背中を叩きますので」


だそうです。必要に応じてサインを出してください。


2人「わかりました!」

ついに坐禅開始。果たして上野と松原は、20分間耐えることができるのか⁉︎
楕円はなかなか崩れない。お見事!


(20分経過)


細川「それでは合掌とご低頭をお願いします。はい、ゆっくりと足を解いてください」


2人「ふぅ……」


あの、一息ついてるところ申し訳ないんですけど、誰も喝入れ求めないってどういうことですか?


2人「ははははは!」


絵面的には誰かしら背中を打たれてほしかったんですが……。


上野「あ、確かに」


松原「全然そこまで気が回らなかった(笑)。すみません……」


いや、いいです。前のめりじゃないところもソングバーズ感あるので(笑)。


細川「私も〈あれ、撮影中なのに誰も打たなくていいのかな?〉と思ったのですが……こういうのを雑念と言うのでしょうね(笑)」


上手いことおっしゃいますね(笑)。実際にやってみてどうでした? 松原さんは手の形があまり崩れてなくて、集中できているのかなって思ったんですけど。


松原「うーん……手のことが気にならないぐらい、他のことに意識が行っちゃってました(笑)」


はははは。


上野「いやあ、やっぱり気が散っちゃいますね。足が痺れてきたなぁ、とか……」


松原「でも呼吸を数えるのに集中したので、他のことで気が散るのは少なかった気がします」


細川「せっかくなので、最後にお経をお唱えしてみませんか? 坐禅と読経は基本的にセットでやっていて、お経のお唱えは5分くらいで終わります。こちらもかなり集中できますよ」


2人「やってみたいです!」

1人ずつ教本を手に取り、集中して唱えます



細川「はい。お疲れ様です。この教本に書かれている文字を一文字ずつ丁寧に読んでいくことは、実は坐禅よりも集中しているんです。うちの坐禅会では坐禅と読経をあわせて25分、3セットやっています」


松原「これを3セット……慣れるまでに時間がかかりそうですね」


上野「でも心がすっきりした感じはある」


細川「そう言っていただけてよかったです。禅の教えって、なかなか文字では表せられなくて、体験してもらうことが一番いいんですよね。皆さんも文字だけで伝えられないものを伝えたくて歌にされていると思うんですけれど……禅が一番伝えたいことが何かを聞かれた時、私はよく〈初恋〉に例えてお話しているんです」


上野「初恋ですか?」


細川「私には6歳と3歳の娘と息子がいるんですけど、6歳の娘に初恋を伝える時、『初めて人を好きになることだよ』と言ってもわからないみたいで、例え話として『カルピスみたいな味がする』って言うんです。まあカルピスは知ってますので、〈あ、そういうもんか〉と思うようなんですけれども。本当の意味で彼女が初恋を知るのは、やっぱり誰かを好きになって初めて理解するものだと思うんですよね。禅の教えというのも、どれだけ言葉を尽くしても、実際に体得しないとわからないものなんです」


なるほど。今お話にあった「文字だけで伝えられないものを伝えたくて歌にする」っていうのは、2人も特に共感されたんじゃないかと思いますが。


上野「そうですね。思いは形も色もないものですけど、言葉でその輪郭を作って、歌で届けられたらっていうのは考えてます」


松原「そうですね。見えない思いを形にして伝えていくことって、何が正解なのかからないし、手探りしながらやっているものではありますけど、これからも伝えていく努力は怠らないでいきたいですね」

体験を終えて、歌詞はどう変わったのか

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