大変お待たせしました!! プロ野球シーズンオフの開催も恒例となったトークイベント『僕たちプロ野球大好きミュージシャンです!』の第6回。4年に一度の国際大会である〈WBSCプレミア12〉開催中の11月13日、新宿ロフトプラスワンで行われたイベントの詳細レポートをお届けします!
19:00すぎ、会場入りした本日の出演者の面々は、楽屋で〈WBSCプレミア12〉の日本vsメキシコ戦の様子を気にしながら、今回初登場となる2名の自己紹介や互いの近況の報告など、(トークの)ウォーミングアップを開始。ここで一番の話題となったのは、稲葉篤紀・日本代表監督率いる侍ジャパン、のことではなく、Google mapのストリートビューに写り込んでいた、ある人物の話でした(笑)。
19:30すぎ、司会の金光とスーパーアシスタントのMOBYさんが壇上に登場し、プロ野球好きミュージシャンによるプロ野球好きのためのトークイベントがスタート。しばしMOBYさんによるMLBトークタイム。今回のネタは、MLB解説者としても活躍するMOBYさんがイチローの引退試合となった3月のメジャーリーグ開幕戦に記者として参加した、というかなり興味深いもの。まあ、楽屋の面々からは、もはやお約束のように「話長げーぞ!」「ドラム練習せい!」とヤジが飛んでおりました(笑)。その後、今回の出演者がシーズン成績順で登場。なお、登場順&出場回数は以下の通り。
キョウスケ(爆弾ジョニー/北海道日本ハムファイターズ・パ5位/5回目)
ウエノコウジ(the HIATUS/広島東洋カープ・セ4位/5回目)
佐藤シンイチロウ(the pillows、Theピーズ/横浜DeNAベイスターズ・セ2位、CSファーストステージ敗退/6回目)
イノウエアツシ(ニューロティカ/横浜DeNAベイスターズ・セ2位 CSファーストステージ敗退/5回目)
樋口豊(BUCK-TICK/阪神タイガース・セ3位、CSファイナルステージ進出/6回目)
林 幸治(TRICERATOPS/読売ジャイアンツ・セ1位/初)
山本幹宗(ex.The Cigavettes/福岡ソフトバンクホークス・パ2位、日本一/初)
今回は、ユータさんと共に本イベントの発起人であり、時に無秩序にトークを暴走させる面々をなだめ、自身のバンドだけでなくこの会でもリーダー的存在でもあるグレートマエカワがライヴ本番日と重なってしまったため不参加。「今日はグレートくんがいないから……」と、この日誰もが抱えていた心配を口にしたユータさん主導による恒例のタイトルコールのあと乾杯と相成り、イベントがスタートしました。
そして、マエカワさんからのコメント動画と、2018年シーズンの本イベントに登場したDIR EN GREYのDieさんからのメッセージが紹介されたあと、今回初登場となるTRICERATOPSの林 幸治、くるりや銀杏BOYZでサポートギターを務める山本幹宗の自己紹介を兼ねたトークへ。まずは家族三代に渡って巨人ファンであるという林くんがプロ野球にのめり込むきっかけとなったゴジラこと松井秀喜の1試合3ホームランの時のエピソードを披露。福岡出身の幹宗は、幼少期の思い出話&写真とともに父親が応援団のトランペット奏者だったという筋金入りのホークスファンぶりを語る。続いて、最初のトークテーマである「2019年シーズンの思い出のプレー、名シーン」へ。これまでみずから作成した動画などで日ハムの健闘や魅力を伝え続けてきたキョウスケだったが、「今年はオールスターでシーズンが終わった」と、5位というチーム成績を嘆き、名シーンとしてソフトバンク戦で西川遥輝選手が、降雨中断中にスタンドの観客から傘を借りたシーン挙げ、「これが今シーズン、一番楽しかったシーン」とコメントすれば、すかさず「これが今年の名シーンっていうぐらいだから、やっぱBクラスだよな」とウエノさんにつっこまれ、「可哀想だな、キョウスケ」と哀れむシンイチロウさん。そんなシンイチロウさん、「今年の名シーンは?」と振られると、「さっき判明したんだけど、Google mapで八王子・藤屋(お菓子屋さん/ロティカ・あっちゃんの実家)で検索すると仕事中のあっちゃんが見られる!」と野球ネタではなく、開演前の楽屋ネタを披露し、ストリートビューのスクショ画像が公開される、と序盤からイベント主旨から脱線する展開に。
改めてシンイチロウさんに「野球の名シーンを」と話を振ると、阪神戦でノーヒットノーランを達成した中日・大野雄大選手のガッツポーズを挙げ、「これをどう思ったのかを聞・き・た・い・ね!」と隣に座るユータさんにグイッと詰め寄る。するとユータさん、「この試合、阪神勝たなきゃいけない試合だったんだけどな……」と悔しがりながらも、数年不調続きだった大野投手が今シーズン復活したことは良かったと言ったあと、「でもベイスターズ、関係ないですよね、この試合」と見事にツッコミ返す。さらに「横浜で名シーンがあったじゃないですか、10月に。横浜アリーナで」というウエノさんの援護射撃を受け、「噂によるとドラムをミスったとか?」と強烈な一撃をシンイチロウさんへお見舞いするユータさんだったのでした(笑)。
セリーグ覇者の林くんは、今年で現役引退となった阿部慎之助選手の最終試合でのホームランを挙げ、そこから「そういえば僕、原監督とグータッチしたことあるんですよ」と突然の告白。その告白に、若干会場がどよめく中、林くんが事の経緯を説明し始める。なんでも、たまたま入った鮨屋に原監督がいたらしく、プライベートな場所だし……といろいろ考えながらも我慢しきれず「子供の頃からの巨人ファンです! 良かったらグータッチを」と声をかけたという。その時の模様を壇上にて再現すべく、隣に座るユータさんが、林くんからのグータッチに思わず応じてしまった瞬間、「うわ、やっちゃったよ……」と声をあげて後悔するユータさん(笑)。「阪神ファンにあるまじき行為」「屈辱だな」と周りからやんや言われる中、「これが今日の名シーンだね」というウエノさんのひと言に、その場にいる誰もが納得したのでありました。
続いてのトークテーマは「パリーグ強すぎる問題」。これまで日ハムファンのキョウスケ以外、出演者すべてセリーグファンだったが、今回はホークスファンの幹宗が加わったということもあってのトークテーマだ。今年日本シリーズ3連覇、12球団の中でもっとも選手層が厚いと言われているホークス。早くに地域密着型のボールパーク(野球をやる場所=球場だけでなく、球場を中心としたアミューズメント性の高い場所。メジャーリーグの球場は、ほぼボールパークとなっている)を形にしたことでの収益アップと球団経営および選手育成の安定化を現在の強さの理由として幹宗が挙げると、キョウスケもまた、今まさに札幌近郊でボールパーク構想を日ハムが進めていることを話す――と、過去6回の中で一番真面目な野球トークに。司会の金光が、ホークスと同じく常勝球団である巨人ファンの林くんに話を振ると、個人的には金を使ってFAで選手補強するやり方は好きじゃない、とこぼす。しかしそこから、「どんなに嫌だと思っても、親のことを心底嫌いになれないと同じように巨人のことは嫌いになれない」とDNAレベルで好きであるという、プロ野球ファンの鑑のような名言が飛び出し、おお〜!と客席から感嘆の声があがったのだった。そして、セ・パ交流戦での戦績をあげ「そこまでパリーグは強くない。ホークスがずば抜けて強いだけ。むしろセリーグ何やってるんだよ、って感じですよ!」というキョウスケの力強い言葉で締め、とはならず、野球とは関係ない危険な話題に脱線しかけたところで第一部は終了となったのでした(笑)。