休憩中の楽屋では、第二部の登壇順の相談が。第一部の壇上でも言っていたが、「次は絶対ユータさんの隣がいい」とウエノさんが言えば、黒霧島の水割りを呑みながら「俺、一番最初に出るよー」とシンイチロウさん。すると一斉に面々から「その隣は決まりだな」と今回もまたキョウスケがシンイチロウさんの介護係に任命される。そして「ストーブリーグはすでに始まってます!」というスーパーアシスタントMOBYさんの宣言から、2020年のプロ野球について語る第二部がスタート。まずは、それぞれの来季期待の選手を挙げていく。しかし、ウエノさんがユータさんに抱きつきイチャつけば、客席に一番近い席のシンイチロウさんは壇上にあるつまみをどんどん最前席のお客さんに配りはじめる。しまいには、司会の金光が思いっきりパソコンの上にテキーラをこぼす、と早々にカオス状態。
完全に深夜の居酒屋と化したゆえに、林くんが今季期待の選手として、伝統の巨人の四番打者の資質を持っていると岡本和真選手のことを語れば、この若いスラッガーが1996年生まれと知り、ベイスターズ(好き)のベテラン2人に向かって「俺らバリバリ、デビューしてるよね?」とウエノさん。そこで林くんも「俺も97年デビューなので」と言葉を重ねると、シンイチロウさんが「BUCK-TICKは何年デビューよ?」とユータさんに尋ねたところ、「えっと、2000年?」と、よくわからないサバ読み回答が飛び出す(笑)。とまあ、度重なる脱線はあったにせよ、過去のイベントに比べ、真面目な野球話が繰り広げられる瞬間も多かった今回(たぶん)。キョウスケが来年こそ期待したい選手と、大型ルーキーとして日ハム入りした清宮幸太郎選手の名を挙げると、壇上では「日本の四番打者になる逸材」であるという話になったり、ユータさんが毎年期待というよりも切望しているピッチャー、藤浪晋太郎選手の復活を口にすると、彼がなぜ調子を崩してしまったかについて語り合う面々。まあ、「さっき俺が転んだのも、内角インハイを避けようとしたから」というシンイチロウさんの茶々入れで、またもや脱線(笑)。そこを司会の金光がなんとか引き戻し、第二部のメインテーマであるストーブリーグの話題へと移っていく。
まずはベイスターズ・筒香嘉智選手のポスティングシステムによるメジャーリーグ移籍の話からFA制度について。「その選手が手にした権利なので、好きなところに行くべきだと思う」という持論を展開するあっちゃん。しかしそこからなぜかヴォーカリストがFA権を取得できたら?というネタに発展し、「じゃあ、芸歴長いイノウエさんはBUCK-TICKに入れるの?」とウエノさんが言えば、「同じあっちゃんですしね」という金光の言葉に満更でもない顔をするロティカのあっちゃん。しかし「本人が希望したとしてもBUCK-TICKが獲得するかどうかは別問題ですからね」とキョウスケが鋭いツッコミを入れ、会場は大爆笑。イノウエさん、「俺、パンク界じゃものすごく優しい先輩なのに初めて怒ったぞ!」と思わず立ち上がって後輩に怒りをぶつける一幕も(笑)。
その後、コーチ・監督、そして選手の去就へと話は移り、平成の怪物と呼ばれたピッチャー、松坂大輔選手の西武ライオンズ復帰の話題に。メジャーリーグから日本球界復帰後はなかなか活躍できずにいた彼も、いよいよ来年40歳。引退の二文字が目の前に見えているなか、プロ選手としての第一歩を踏んだ球団に戻るということで、「最後に西武に帰るというのは美しいですよね」と林くんが話す横で、「ホークスの3年間はなんだったんだ?」とポツリとこぼす幹宗。そんな彼の呟きに反応し「声を大にして言ったほうがいいよ!」とキョウスケが言えば、「それは孫さんに言ったほうがいい」とユータさん。そのあと「2人で孫さんのポケットマネーでソフトバンクに入れてもらったらいいかな?」とウエノさんに冗談を振るも、早口でウエノさんが聞き取れず「え?」と返され、「あ、変なこと言っちゃった……」と思いっきり照れてうつむく。そんなユータさんの肩を「全然大丈夫です」と言って抱き寄せ、再びいちゃつくウエノさん(笑)。そして、阪神メッセンジャーの引退の話題から、日本球界にやってきた助っ人外人の面白エピソードへ。そこから、どんどん球界コアトークとなっていき収拾がつかなくなったので強制終了し、ようやく最後のトークテーマである、来季の順位予想へと相成った。
「今年シーズン成績は2位だったので、巨人のようにリーグ1位で日本シリーズ4連覇を目指したい」と絶対王者ならではの思いを幹宗が語れば、ベイスターズをセリーグ1位に挙げ、その根拠を問われ「そろそろ俺にもご褒美をください! 先も長くないので」と懇願するあっちゃん。大抵、この順位予想に関しては、多くの野球ファンが願望込みで贔屓球団を1位にあげることが多い。ご多聞に漏れずこのプロ野球大好きミュージシャンたちも同じなのだが、今回、贔屓球団の広島を2位に挙げたウエノさん。いわく、チーム力の立て直しがまだ完全にはいかないだろう、と実に冷静な分析を述べる。予想ラストを飾るユータさんも、願望予想とリアル予想の2パターンを用意。リアル予想の1位は巨人、阪神は3位と予想、その理由も、シーズン中2画面を駆使して各球団の試合をチェックしていただけの内容。すると「あの、僕ステージ上で寝そうな人、初めて見ました」とうつらうつらするシンイチロウさんを見て、思わず言葉を発する林くん。もはや壇上で船をこぐシンイチロウさんの姿は、このイベントの名物ともいえるもの。そんな説明をウエノさんがしつつ、そろそろ締めましょうということで、最後は、登壇者全員のサイン入りボールをかけてのじゃんけん大会が行われ、22時30分すぎ、約3時間近い宴は幕を閉じたのでした。
今回、まとめ役のマエカワさんが不在だったというのもあり、真面目な野球トークが始まるもすぐに脱線してしまう場面が、これまで以上に多かった気もしますが、それでも回を増すごとに、濃く深い野球トークが展開されていったのは間違いないでしょう。開幕前とシーズンオフの年2回開催が定例化しつつあるので、きっと次は、3月頃の開催でしょうか。各出演者も心機一転、さらに熱くプロ野球愛を語ってくれるであろう、次回の「僕たちプロ野球大好きミュージシャンです!」もぜひお楽しみに!
文、撮影=音楽と人編集部