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TENDOUJI、ニューアルバム『EASY PUNK』リリース! 初の日本武道館ライヴへのリアルな思いをVo&Gモリタが語る

text by 平林道子
2026年10月1日


2027年2月19日〈TENDOUJI 日本武道館単独公演『EASYPUNK』〉開催――昨年11月、この報せを聞き、あまりにも大胆な挑戦に驚いた。初期から行動を共にしてきた映像ディレクターの元(はじめ)の「武道館やろうよ」という言葉をきっかけに開催を決めたのだという彼ら。4年前に事務所から独立し、完全DIYで活動。3000人規模のワンマン経験もない彼らの無謀とも言える挑戦に心配は尽きず、7月オープンの特設サイトにあるシビアなチケット券売数に不安は的中した。そこでヴォーカル&ギターのモリタナオヒコを緊急召集。語られたのは、想像とは違ったバンドのリアルな状況と、そこからふたたびロックバンドをやる喜びを取り戻した道のりであった。現在行っているツアーでは、かつてない手応えを感じているという4人。来年2月19日は迷わず武道館へ。そこには愛すべき遅咲きロックバンドが見せる最高の空間が広がっているはずだ。

(これは音楽と人2026年10月号に掲載された記事です)



YouTubeチャンネルで公開されてるドキュメンタリー映像にもあるように、元さんから「武道館やろううよ」と言われたことがきっかけで、来年2月の武道館ライヴを決めたということだけど、3年前、『BUDDY CLUB』の取材の時、武道館とか大きいハコでのライヴにはあまり興味がないという話をしてましたよね?


「そうですね。2022年から自分たちでやりはじめて。〈今年はこれやろう〉みたいなのを掲げないと、みんなが動きづらいので、その都度、目標を掲げてはいるんですけど、大きいハコでやろうっていう目標は、これまで一度も考えたことなかったですね」


でも元さんから言われて、武道館をやろうと決めた理由っていうのは、一体なんなんだろうか?


「去年の6月に韓国のフェスに出た時に、そういう話をされたんですけど。決めた理由は……そうですね……ぶっちゃけ解散しそうだったんですよ(苦笑)。メンバーはそこまでは思ってなかったかもしれないけど、でも危機感はたぶんあったと思う」


バンドを続けていくことに?


「うん。俺はもう休むか辞めちゃうか、そろそろ決めなきゃって思ってて。それが2025年に入った頃とかですね」


結成10周年、かつセルフタイトルのアルバムを出したのが2024年。その後、アルバムのツアーもあったけど。


「ちょうど10周年のあれこれが終わって、その頃が一番キツかったんですよね。活動自体に不満があったわけじゃないんですけど。なんつったらいいんだろうな。〈このままやってたら、いいものができなくなるぞ〉っていう感覚がめっちゃあった。それはライヴに対してもそう」


10周年が終わって、ちょっと燃え尽きた感もあったの?


「や、そういうのでもなくて。〈なんかつまんねえな〉っていう感じですかね。メンバー見てても楽しそうじゃないし、その頃って、お互いの考えを話したりもしてないし、みんなバラバラ、すっごいとっ散らかってて。でもやっぱ俺はバンドは辞めたくなかったし、〈どうする?〉ってずっとモヤモヤしてたんですよ」


「バンドを辞めたくない」というのは、TENDOUJIというバンドのことなのか、ロックバンドを、ってことなのか。


「TENDOUJIですね。俺、TENDOUJI以外のバンドをやりたいと思ったことないんで。たぶんそれは他の3人も同じだと思うんですけど」


でも、ナオくんのテンションも、バンドの空気もあまりいいものではなく。


「たぶんそれを元は察したんですかね。韓国のフェスの出番前、確か30分前とかだったと思うけど、『ナオちゃん、最近どう?』って言われて。『正直もう無理。今日なんか起こらなかったら、このバンド終わりだと思ってる』みたいなことを返したんですよ。俺としては、ここで新しい何かを発見できなかったら、もう一生バンドできない気がするって感じではあったんで」


そこまで追い込まれてたんだ。


「限界でしたね。このままなら辞めようかなってずっと思ってる一方で、〈でもTENDOUJIは続けたいんだよな〉っていう……もうどうしていいかわっかんねえ!って感じで」


そこで、元さんから武道館を提案されて。〈現状を打破するいいきっかけになるかも〉という気持ちになったと。


「てか、それしかないよねって感じでしたね。『Zeppツアー目指そうぜ』って言われても、『NHKホール目指そうぜ』って言われてもピンとこないし。でも、『武道館やろうぜ』はなんかわかりやすいなみたいな」


むしろ笑える感じもあるし。


「そうそう、〈え、ちょっとマジ? なんかオモロい〉っていうね。でもやっぱ最初、武道館やろうって言われた時は、〈こいつ何ワケわかんないこと言っての?〉って感じでしたけどね。だから『無理』ってはっきり言いましたもん。『事故って終わりだよ』って。8000人入るところに2500人しか入んない怖さは想像すりゃわかるし、お金がかかるのもどう考えたってわかるし。でもたぶん元は、〈っていうかお前ら、このままだともう解散しちゃうじゃん〉っていうところで提案したんだとは思うんですけど」


それで去年11月に武道館をやると発表したわけですが、半年とか1年前に告知するバンドが多い中、1年半近く前に発表というのは、ちょっと早いですよね。


「たぶん普通は、武道館が取れていろいろ仕込んで、ある程度準備を整えてから発表すると思うんですけど、俺ら武道館押さえてすぐ発表しましたね。ただ俺はギリギリまで悩んでたんですよ。メンバーは『もうやるしかないよね』って感じになって、俺も『とりあえずやるしかないよな』とは言ったけど、そのために何をやるのがいいのか全然みえてなくて。だから〈これマジでやったほうがいいのか? やんねえほうがいいのか?〉ってすげえ悩みましたね」


でもさっき言ってた現状を打破したいっていう気持ちもあって、やることを決めて。ただ悩みつつも、結局〈とりあえずやるしかない〉って見切り発車しちゃうところが、なんともTENDOUJIっぽい気が(笑)。


「たしかに、それは間違いないっすね(笑)。〈やっぱ武道館なんて無理じゃね?〉って半信半疑のくせに、〈引くのダセえ〉みたいになっちゃう。冷静に考えて、素直に引きゃいいのに(笑)」


あははは。先日新たに公開されたドキュメンタリー動画の第2弾で、対バンツアーをやっていく中で、バンドのギアが変わったという話をしてましたが、それは対バン相手からの刺激なのか、それとも各会場のお客さんの熱によってなのか、はたまたバンド自体の意識の変化からなのか。そのあたりどうですか?


「その全部が噛み合わさってのことだと思います。でもやっぱ最初の入口は絶対バンドの意識の変化で。結局、武道館を決めてからも〈もう無理〉って状態は続いてて。ほんとにヤバかったんですよね。会話もないし、めっちゃ仲悪かったし」


それは長く一緒にいすぎたが故に?


「それもありますね。もはや家族に近い感じではあるんで。ただ俺らの場合、運よくそれを教えてくれる人が毎度現れるんですよね。サラリーマンからカメラマンになって、今すごい活躍してるヤツがいるんですけど。そいつがめちゃくちゃTENDOUJIが好きで。28歳の時にリキッドルームでのライヴを観て、俺のMCを聞いて〈俺もなんかやらなきゃ〉って思ったらしく。それで会社を辞めて、今の仕事を始めたらしくて」

4人それぞれ不満とかバンドに対する考えを言い合って。そこからお互いを信頼して進むしかないって、ようやく武道館に向けて円陣組めたんです

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