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GUMMY初ツアー、ファイナルを目撃。遊びだからできること、その底知れなさについて

text by 石井恵梨子
2026年5月11日


【LIVE REPORT】
GUMMY TOUR 2026〈GIVE ME GUMMY〉
2026.05.08 at 代官⼭SPACE ODD




退廃的でも猟奇的でもいいのだが、V系と呼ばれる様式において、一番のNGは「ふざけ」だと思っている。それはいわば、ありのままを肯定するポップスの逆サイド。生まれたままの姿から程遠い、狂い咲くメイクや衣装は本気でなければ成立しない。もちろんアレンジに遊びがあったり歌詞にユーモアがあるのはいい。ただ、大前提として「あ、これフリです」「別にそういう人間じゃないんで(笑)」といったエクスキューズが見えてしまえば興醒めもいいところ。素顔の人間Aが別の魔界人Bになりきることが基本ルールだろう。


魔界でキャリアを築いてきた4人が、さらに「支配人が経営する女装ガールズバーの従業員」というコンセプトの下に始めたのが新人バンドGUMMYだ。これはなんというか、素顔の人間A→魔界人B→フリですよのキャラCになるような転生具合。B設定のままだと成立せず、かといってCになりきられても逆に困る、フリなんだから結局は素顔Aも出てきてしまうといったキャラの綻びもあって、つまりは奇跡的に「ふざけ」が成立するのである。思いついたマッド・デンジャラス(ギター)の発想には感服するが、話に乗ったGara(ヴォーカル)、康太(ベース)、Lotty(ドラム)は喜び勇んでアクセルを踏みまくったのではないか。初音源「GIVE ME GUMMY」の、曲によってはミッシェル・ガン・エレファントみたいなガレージロックには、爆笑するような勢いと破壊力が漲っていたのだった。


かくして、怖いもの見たさ、いや変なもんを覗き見に来たようなテンションで代官山SPACE ODDに足を踏み入れる。フロアは完売。Garaが長らくやっているバンドのファンが多いのかと思っていたが、メンバーの名前をそれぞれ平等に叫ぶ観客が、必ずと言っていいほど「かわいいー♡」の一言を添えていたことに膝を打つ。そういう設定なのだ。魔界人Bはこの際どうでもよく、女装のかわいさ、フリフリでブリブリな衣装のかわいさを全力で褒めちぎるのがGUMMYルール。また、最もビビッドな赤の衣装でフロントに立つ麗人Garaは、最初のMCから「盛り上がんないとあんたたち地獄に落ちるわよ!」と、もうAでもBでもCでもない謎キャラになって暴走している。わはは。この人こんなに面白いのか。大変に失礼ながら、長年やっているバンドよりもよほどインパクトもパンチもあるように感じられた。


当然だ。どう見ても面白いし、どこから見てもふざけているのだから。ただ、それだけなら2曲で飽きる。3曲目くらいには入場時に配られたグミ食べよっかなとか思い始めて、5曲目くらいには帰りたくなっていただろう。そうならないのはマッド・デンジャラスの作る楽曲がマジで荒々しくダークなガレージロックだからだ。1曲目の「バラ」に始まり、4曲目も7曲目もまだ作品になっていない未発表音源。ただし知らない曲だとノレません、といった反応は皆無。一発で脳天をぶち抜き、二発目から一気呵成にハイにさせる。それがガレージロックの絶対的なルールだ。獰猛なダウンピッキングで攻める康太、前のめりに叩きまくるLottyのプレイもそれぞれ映える。そして曲が終わると、頭を振りすぎて乱れてしまったマッド・デンジャラスの白いお花の髪留めを、Garaがちょいっと直していたりする。その光景にもまた「かわいいー♡」の声。わははは。生々しいロックンロールの王道と、虚実がわからないGUMMY的世界、二つのルールが並走するさまがこのバンド一番の見どころであろう。


もうひとつの見どころは、中盤、Garaがマイクスタンドを用意して唄い出したミドルテンポ楽曲群だ。どれも昭和歌謡メロディが印象的で、ハードなスタイルでゴリ押ししないGaraの本領発揮というのか、しっとりした詩情や節回しが急に活きてくる。さらに活きるのは「女装ガールズバー」の設定で、それは本気のゲイバーなのかコンカフェ女装体験なのかわからないが、そういう店の中だったら聴きたい、唄いたい、たぶん一緒にコール&レスポンスしちゃうかもしれない、といった楽曲を想起させるのに十分だった。言い出せばリクエストは無数に出てくるはずで、このバンドのポテンシャル、許容範囲の底知れなさを改めて思い知る。遊びだからできること。フリだからできることだ。そして「ふざけ」ではないから成立すること。「別にそういう人間じゃないんで」という顔を、実はメンバーの誰もしていなかった。


話をライヴに戻そう。歌謡ゾーンを超えて、再び激しいガレージパンクやハードコアにまで突っ込んでいく後半。「グミのテーマ」の前にはインストが続き、衣装替えしたGara姐がべったりキスマークをくっつけたカードを配りながらフロアを練り歩いていたが、それもまたアリ。設立されたファンクラブの名前が「サンネンビーグミ」だという発表も、くだらなすぎてアリである。いやぁ、すごいなGUMMY。これ、もしかするとコロンブスの卵かもしれない。



文=石井恵梨子
写真=マツモトユウ


【SET LIST】

  1. バラ
  2. 死神は⾚いハイヒールを履いて、⾸輪を残す
  3. プリンにスプーン
  4. 不良
  5. 無⾊サーカス
  6. 天国少⼥
  7. Rejection
  8. アスファルトラブ
  9. タンゴ
  10. ニルバーナ
  11. ポップバラード
  12. INST
  13. グミのテーマ
  14. ジグゾ
  15. シール
  16. グランジ

ENCORE 01

  1. 新曲
  2. 氷の結末

ENCORE 02

  1. グミのテーマ




2nd EP「GIVE ME CHOCOLATE」
2026.09.03 Release

  1. 死神は赤いハイヒールを履いて、首輪を残す
  2. 氷の結末
  3. プリンにスプーン
  4. 無色サーカス
  5. 天国少女
  6. シール


TOWER RECORDSで購入

Amazonで購入

HMVで購入


SHINJUKU LOFT 50th ANNIVERSARY GUMMY ONEMAN LIVE〈グミの⽇〉
9月3日(木)新宿LOFT


GUMMY オフィシャルファンクラブ「サンネンビーグミ」開設
https://gummy-fc.com/


GUMMY オフィシャルサイト

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