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【特集】アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』とは何か?|バンドマンが語る魅力と共感

高村佳秀(BLUE ENCOUNT)


ベースの辻村(勇太)から「面白いアニメがあるよ」って教えてもらったのがきっかけで観始めました。その話を聞く以前からもツイッターのトレンドに入っているのは観ていて、〈話題になるぐらいだから面白いんだろうなぁ、見てみようかな〉ぐらいの軽い気持ちだったんですけど、第1話の出来がもうとにかくよすぎて! これはちゃんと観なきゃ!って思いましたね。


まず、ぼっちちゃんの引きこもり感とかネガティヴ感の表現の仕方が最高でした。押入れでギター弾いてるとか、落ち込んでゴミ箱に入っちゃうとか、普通に考えたらありえない行動なんだけど、ぼっちちゃんの心情を極端に振り切って見せていて。あれはアニメならではですよね。そういう極端な表現をしている作品が僕すごく好きなんです。

©はまじあき/芳文社・アニプレックス


そういうエンタメ性も強くありながら、下北沢の風景やライヴハウスはけっこう忠実に描かれているので、インディーズで下北のライヴハウスに出てた頃を思い出しましたね。2010年から2011年ぐらい、下北沢ReGってところに定期的に出演していて。その頃はまだ動員も少なかったんですけど、KISDっていうバンドとツーマンをやった時に、取り置きの時点でソールドアウトしたんですよ。すごい喜んでたら、当日は半分ぐらいしか人がこなかった、なんてこともありましたね。


だから、第8話で台風のせいでチケット買ってたお客さんが集まらない場面も、すごくよくわかるというか。それに目当てのバンド以外は全然興味を示してくれないお客さんって、アニメだけじゃなくて実際もいて。ああいう中でどうお客さんを振り向かせるかが、インディーズバンドの一番の勝負所。ギターソロでお客さんを振り向かせようとしたぼっちちゃんは正攻法ですよね。僕らはフロアに降りちゃう時もあって(笑)。一個でもいいから観てもらえるきっかけを作りたい、みたいな感じ。それだけがむしゃらにやってたから、あの瞬間のメンバーの気持ちはすごくわかります。

©はまじあき/芳文社・アニプレックス


個人的にすごく印象的なのは廣井きくりさんですね。普段はお酒ばかり呑んでるのに、ステージに立ったらカリスマな一面を発揮する。これ、すごく的を射てるなって思うんです。日常生活がどっか人と違うとか、違う感覚を持っている人がやっぱりカリスマになり得るのかなっていう印象があるので。そういうところを、極端にだけど、狙って表現してるのかなと。


あと、アマチュアやインディーズのバンドにとってライヴハウスの店長さんの存在って大きいので、結束バンドのメンバーと店長の星歌さんの関係がちゃんと表現されてるのもいいなって思いました。僕らが初めてお世話になったのは熊本B.9の福田さんっていう店長さんで、アニメの店長さんと違って、会うたびに背筋が凍るような本当に怖い大先輩みたいな存在(笑)。でも、実は裏ではバンドのことをいろいろ気にかけて面倒見たり、いろんな人と繋げてくれたりしていたとあとで知って。そういう人の存在があるから、バンドがちょっとずつ大きくなっていける。そばでちゃんと見守ってくれる存在がいるっていうのは、すごく大事ですよね。

©はまじあき/芳文社・アニプレックス
©はまじあき/芳文社・アニプレックス


バンドの面白いけど大変なところって、違う人間同士がひとつのものに向かっていくことだと思うんです。結束バンドは、メンバーのキャラクター性もハッキリしてるから面白いし、言ってしまえば、演奏のスキルはすっごい高いところから始まってるんですよね。ぼっちちゃんはギターめちゃめちゃうまいし、他の3人も高校生としては十分過ぎるレベルで。僕らの高校生の頃とは比べ物にならないですよ(笑)。でも各々のスキルがいくら高くてもうまくいかないバンドって散々見てきた。技術とは関係ないところで、人と人が一緒に何かを創り出していく苦悩や、どうやったらライヴが成功するんだろうっていう壁に当たる。そういったバンドをやる難しさも、12話を通してちゃんと描かれているから、そこはすごくリアルに近いですね。ライヴ中に突発的な感情をぶつけたり、弦が切れるトラブルがあったり、そういういろいろな出来事を経て結束バンドのライヴも少しずつよくなっていったじゃないですか。些細なことの積み重ねが、いつかバンドの大きな進化になっていくんですよね。

©はまじあき/芳文社・アニプレックス


でも、第1話と最終話で、ぼっちちゃんってそんなには変わってないんですよ。それが逆によくて。言ったら根の性格だから陰キャな部分ってそんな簡単には変われない。文化祭でライヴしても人生がガラッと変わることもなく、また普通の1日が始まって物語が終わるっていう最後もすごくよかったです。劇的に人生が変わらなくても、一個の経験を経て、ほんのちょっぴり人間関係や心模様が変化していくっていう。そういう描写だったからすごく身近で、ナチュラルに観れました。


原作漫画はまだ読めていないので僕はこの先の展開を知らないんですけど、王道パターンだと、ここからメジャーデビューとかを目指すと思うんです。でも、学園生活とライヴハウスの範囲で、ぼっちちゃんや他の3人がどうなっていくのか、そういうところももっと見たいですね。



BLUE ENCOUNT オフィシャルサイト


ALBUM『結束バンド』
2022.12.28 RELEASE

01 青春コンプレックス
02 ひとりぼっち東京
03 Distortion‼
04 ひみつ基地
05 ギターと孤独と蒼い惑星
06 ラブソングが歌えない
07 あのバンド
08 カラカラ
09 小さな海
10 なにが悪い
11 忘れてやらない
12 星座になれたら
13 フラッシュバッカー
14 転がる岩、君に朝が降る

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