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【特集】アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』とは何か?|バンドマンが語る魅力と共感

text by その他

昨年10月にアニメが放送開始となって以降、アニメファンだけにとどまらず、ミュージシャンや音楽好きの間でも注目されている作品がある。女子高校生によるバンド活動の様子を描いた『ぼっち・ざ・ろっく!』だ。原作は『きららMAX』にて連載中の4コマ漫画で、極度の人見知りでネガティヴな性格の後藤ひとり(通称 ぼっちちゃん)が主人公。家で一人、ネットに演奏動画を投稿するだけだった彼女は、ひょんなことから伊地知虹夏(ドラム)、山田リョウ(ベース)、喜多郁代(ヴォーカル&ギター)と共に〈結束バンド〉を組むことになる――。
谷口鮪(KANA−BOON)、中嶋イッキュウ(tricot)北澤ゆうほ(the peggies)などが音楽で参加しているというトピックもあるが、ここには、バンドをやっている人、ライヴハウスが好きな人なら誰もが共感したり納得させられるリアリティがある。そして、人前に出る怖さや物事に逃げ腰なぼっちちゃんのメンタリティに共鳴してしまう人も少なくないだろう。
音楽と人.comでは、2日にわたって『ぼっち・ざ・ろっく!』がどうしてこんなに心を打つのか、その魅力を探っていく。1日目は、アニメの感想を聞いたバンドマンインタビュー!


(以下、音楽と人2023年3月号に掲載された記事です)



バンドを組んでライヴハウスに出演する――その様子が丁寧に描かれている本作。ここでは、日々バンド活動を行っているシノダ(ヒトリエ/ヴォーカル&ギター)、高村佳秀(BLUE ENCOUNT/ドラム)の2名に登場してもらい、バンドマンの目線で作品の魅力や共感するポイントなどを語ってもらいます。


シノダ(ヒトリエ)


結束バンドの楽曲で編曲を担当されているギタリストの三井律郎さん(THE YOUTH、LOST IN TIME、la la larks)が大好きなんですよ。


THE YOUTHは10代の頃から聴いてきたし、対バンや呑みの場でもご一緒させてもらったことがあって。で、アニメを観るより前に、三井さんが劇中曲の「星座になれたら」を演奏してる動画をたまたま観たんです。それがすごい反響を呼んでて、〈あれ、三井さんが話題になってる!〉って(笑)。その頃には『ぼっち・ざ・ろっく!』の名前もけっこう聞くようになってたんで、さすがに観てみようかなという気になりました。


僕、先に漫画から読んだんですけど、まず淡々と進んでいく4コマ漫画をあそこまで膨らませるっていう、アニメの底力を感じましたね。人が面白いってなるものを、ちゃんと映像の力で実現しようっていう、気合いと誠意みたいなものが根底にある。だから全体的にクオリティがめちゃくちゃ高いです。


それに出てくるものがリアルですよね。一番びっくりしたのは江ノ島のたこせんかな。実写じゃん!みたいな。下北の街並みとか楽器屋のギターコーナーも、これ観たことあるなぁって毎回なるし、実際知ってる街なだけに、本当に今あの子たちがいるんじゃないかって思わされますね。それくらいちゃんと作り込まれてます。

©はまじあき/芳文社・アニプレックス
©はまじあき/芳文社・アニプレックス


観ていてとくに共感したのが、ぼっちちゃんのマインド。対人関係の苦手意識とか、他人に対してこういうところを恐れちゃうよね、みたいな考え方のディテールがすごくわかるんですよ。彼女みたいにそれでゴミ箱に入ったり、ダンボールをかぶったりして演奏はしませんけど、そういうメタ表現のシーンに対しても、自分もそういう心のシェルターを持ってるかもしれない、って思わされるので。


僕は対人関係に苦手意識はあったけど人前に立つのは好きだったから、ライヴ自体は昔からすごく楽しくて。そこがぼっちちゃんとは違うところかな。でも、家で一人でギターを弾いてる時とステージで演奏する時って全然違うんですよね。家でしか弾けないギターが不思議とある。だから自分の中にあるはずのポテンシャルが、なぜかステージに反映されないことは、やっぱりあって。それは人前に出るっていう意識や周りと合わせるっていうことが演奏に変にフィードバックされちゃうからなんですけど。ぼっちちゃんも最初はそこで悩むじゃないですか。その感じもわかる!ってなるんですよ。


ぼっちちゃんはメンバーからのアドバイスでちょっとずつ自分らしさを出していけるようになるんですけど、そこがすごくバンドらしいなって思います。他者と音楽をやることで、自分を顧みるというか。僕で言えば、どっか〈自分こそが最強〉みたいな思想を持ちながら、ヒトリエで弾き始めたんです。でもメンバーから「お前はもっと練習しなきゃダメだ」みたいな助言を受けて、このバンドに適応していくためにはもっと頑張らないといけないって気づかされた。自分の甘さがガンガンに削ぎ落とされたんです。一人で考えてるだけじゃ気づけないことって山のようにありますから、人と何かをするってすごく尊いことなんですよね。バンドはその最たるものというか。

©はまじあき/芳文社・アニプレックス


印象的な回は、やっぱり結束バンドの初ライヴとなった第8話。演奏がうまくいかないシーンが、もうあるあるだらけで。イントロのバスドラがひっくり返っちゃう感じとか、本当にリアルに再現されてる。聴いててハラハラさせられるし、それを巻き返そうとして、ぼっちちゃんが唐突にアドリブでギターソロをぶっこむんですけど、それが本当にカッコいい! 自分のポテンシャルを発揮できないままだったぼっちちゃんの才能がバンド内で覚醒する瞬間で、カッコよすぎて観ると泣いちゃうんですよね。作ってる方々の尋常じゃない気合いが入っていて、実在するバンドを見ているような気持ちにさせられるところまで突き詰めてるから、そこがすごいですね。

©はまじあき/芳文社・アニプレックス


あと純粋に音楽がめちゃくちゃいい。三井さんがどこかのインタビューで言ってたんですけど、意図的に音数を少なくして作ってるみたいなんです。メンバー分の楽器しか使わないし、できるだけ音も重ねない。そこをこだわった結果、アルバム『結束バンド』は嘘みたいにエレキギターの音が聴ける一枚に仕上がっている。去年ぐらいにエレキギター不要論みたいな言説がネット上で流行ったじゃないですか。ギターソロは飛ばすとか。そんなの関係ないかのように超ロックアルバムですから。


そういうアルバムがランキングで1位を獲ってるのを見ると、インターネット上の言説なんて、マジでまやかしだなって思わされますね。アニメを観てバンドに興味を持つ人は確実に増えてるでしょうけど、これを機にみんなバンドやってほしいし、ライヴハウスにも遊びに来てほしいです。あと、アニメに今後の展開があるようなら、その時は本当に参加させてほしいですね。ぜひ曲書かせてほしいです!


ヒトリエ オフィシャルサイト

高村佳秀(BLUE ENCOUNT)INTERVIEW

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