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INTERVIEW
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SILENT SIREN活動休止前のラストライヴ直前。すぅが語る休止とバンドへの思い

text by 樋口靖幸

SILENT SIRENは昨年9月にバンド結成10周年記念ライヴを開催するはずだったものの、コロナの影響で中止となり、そのリベンジとして今年9月25日に野音でライヴが行われることになっていた。しかしその開催日の直前に、バンドのリーダーでありドラマーであるひなんちゅがこの日のライヴをもってバンドを脱退することが決まり、ステージではメンバーらが涙で顔を濡らす場面もあるライヴとなった。そして10月22日、オフィシャルサイトにてバンドが年内をもって活動を休止することが発表され、11年分の感謝の気持ちを伝えるために、オールタイムベストのリリースと、スペシャルツアーの開催も合わせて告知された。あまりにも突然のこの事態に、ファンでなくても驚いた人は多いことだろう。実際、彼女たちは楽曲やライヴはもちろんのこと、インタビューにおいても「一生青春」を標榜し、どんなことがあってもこのバンドを守り抜くことを発信してきた。その団結力や意志の強さを改めて感じさせた前アルバム『mix10th』は、まさかサイサイにこんな結末が待っているとは想像もつかない作品だったのだ。しかし、今回のインタビューですぅ(ヴォーカル&ギター)が話している通り、バンドは決して当たり前に続くものではない。続くこと自体が奇跡であり、いつ終わってもおかしくない存在なのだ。それでも、いつかまた、必ず帰ってくる。そう彼女は約束してくれた。

( これは『音楽と人』1月号に掲載された記事です)



本題に入る前に聞きますけど、最近は福島に帰れてますか?


「やっぱり前に比べたらあんまり帰れてないですね。9月に帰りましたけど、それがすごい久々で」


そうなんですね。実はウチの奥さんも福島出身で。


「あ、そうなんですね!」


でもコロナ以降やっぱり帰るのが難しくて。だからすぅさんはどうなのかなって。


「実家にはできるだけ帰りたいタイプなんですよ。スキあらば帰りたい(笑)」


どうしてそんなに帰りたいんですか。


「なんでだろう……単純に故郷が好きなんですよ。向こうにいた時は〈こんな田舎はイヤだ!〉って東京に出てきたんですけど、こっちに来てからは逆に故郷の素晴らしさに気づいて。景色がキレイだな、とか優しい人多いな、とか」


ウチも同じことをよく言ってます。実家にいる時は田舎を出ることしか考えてなかったみたいだけど。


「そうなんですよ。だからなるべく帰りたくて。あと、向こうに帰ると東京に出て行った時の気持ちに戻れるというか。あの頃は特にやりたいこともなくて、やりたいことがなかったから田舎を出たんですけど、そのぶん、東京で頑張らなきゃ!みたいな気持ちを思い出しますね」


初心に帰るというか。


「そう。で、実際に出てきて今思うのは、東京が自分の居場所になっちゃってるというか」


なっちゃってる?


「〈なった〉じゃなくて〈なっちゃった〉ですね(笑)。やっぱり故郷が好きなぶん、東京が自分の居場所になってることがちょっと寂しくもあったり。でも東京で生きてくって決めて出てきたんだから、これでいいんだよなって」


その東京で出会った仲間と始めたサイサイも、すぅさんにとっては大事な居場所で。


「もちろんそうですね。上京して友達がいなかった私がメンバーと出会って、〈この人たちとバンドをやりたい!〉って思って始めたのがサイサイなので。それまでずっとやりたいことが見つからなかったし、自分の居場所がどこにもない感じだったけど、ようやく居場所を見つけた!と思って」


地元でも居場所がなかった?


「友達もいっぱいいたし部活もやってたしクラスでも楽しくやってたけど、いつも心ここにあらず、みたいな感じがずっと続いてて」


どうして?


「わかんない。ちっちゃい頃からずっとそうで、いつも自分の置かれた状況を客観視するクセがあって。友達といるのは楽しいけど、どこか冷めてる自分がいるというか」


夢中になれない、みたいな?


「何となくそこにいる感じで。けど、東京でバンドをやることになって、やっとこれだ!っていう場所が見つかった気がしたんです。たぶん……昔からそうなんですけど、信じられる仲間と同じ目標に向かって進むことがやりたかったんですよ。仲間意識というかチームという存在に憧れがある。一人じゃ完結できないもの。あと、信頼とか裏切りのない場所に対する憧れがあったんだと思います」


サイサイはまさにそういう場所ですよね、すぅさんにとって。


「そうですね」


それを一旦失くしてしまうことについて、どう思いますか?


「えっと……まず私がバンドを組もうと思ったのは、ひなとの運命的な出会いがきっかけで。いい旦那さん見つけた!みたいな感覚で(笑)、会ったその日にバンドを組んで、そこから11年続いたんですよ。上京してからは家族も近くにいないし友達もいなかったから、バンドメンバーの存在って私の中ですごく大きくて」


そうですよね。


「けど、メンバーと同じ時間を10年以上重ねていく中で、いろんな思いがそれぞれから出てくるし、個人個人の考え方も変わってきて。それで今回こういう発表になったんですけど」


あと、その前に発表された、ひなさんの脱退にもビックリしました。


「そうですよね。本当にあれは……すごく悲しかったです。彼女は彼女なりに強い意志があってのことなんだと思いますけど、その話を聞いた時はやっぱりショックでした。もともと彼女は破天荒で、不器用な性格だし誤解されることもあったけど、そこも含めて惹かれるものがあって。ただ、私たちがひなから報告を受けたのは本当にライヴの直前だったのでびっくりしたし、サイファミ(註:ファン)のことを思うと申し訳ない気持ちでいっぱいでした」


そうだったんですね。


「脱退の報告が突然だったから正直、野音のライヴもやれる気がしなかったし、リハにも行けなかった時期があって。けど、ファンの人からの手紙に『日比谷のライヴ楽しみにしてるね』とか『コロナで会えない時間が続いてたから会えるのすごく楽しみ』とか『今回だけは親に許してもらって行けるようになった』とか、そういうのを見て、こっちの事情をファンに押しつけちゃダメだなと思って。で、メンバーに『休んでごめんね。ライヴはちゃんとやる』と言ってやったんですけど」


そもそも野音は10周年ライヴのリベンジだったわけですし。


「そうなんです。本当は去年やる予定だった10周年ライヴがコロナで中止になり、そのリベンジだったんですけど、ライヴ前日にあんな発表をしてしまって申し訳なくて。みんなも複雑な気持ちだったと思います」

最初はすごくバカにされましたけど、絶対にこのメンバーとならすごいバンドになるって信じてました

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