The Songbardsの作詞を担うヴォーカルコンビ・上野皓平&松原有志。
彼らによる新たな連載が音楽と人.comでスタートします。その名も「The Songbardsの描写探訪」。某建築番組を彷彿とさせるタイトルですが一切関係ございません。
作詞のスキルアップを目指して、与えられたお題に沿って歌詞を考え、 そのお題にまつわる体験チャレンジも行うという、武者修行コラム。
このコラムに至ったきっかけは、メンバーも同席のうえ行った連載の企画会議でのやりとりでした。まずはその様子をどうぞ。
音楽と人のWEBでぜひ連載をやっていただけたらと思っています。どんな内容がいいですかね。お2人の人柄がわかるものがいいなとは思ってるんですが……例えば、何か弱点はありますか? それの克服モノとか。
松原「うーん……僕らは2人とも積極的に人とコミュニケーションをとるタイプではないというか」
上野「他のバンドとの繋がりがあまりないほうやなって思います」
人見知りというか、それに近い感じですか?
松原「そうですね」
じゃあお2人には毎回散歩をしてもらって、そこで出会った道行く人に声をかけて交流してもらう人情系企画とか。人見知り克服も兼ねて。
上野「ああ、人との触れ合いができるのはいいですね」
それか他に弱点はあります?
松原「僕は逆に皓平の弱点というか、動じる姿を見てみたいなって思います(笑)」
上野さんっていつも落ち着いている印象ですけど、例えば絶叫マシーンに乗ってもあんまり大きな声とか出さないんですか?
上野「ドキドキはするんですけど……顔には出ないかもしれないです」
松原「僕と皆さんで皓平に何を仕掛けたらドキドキするか考えて、それを皓平に仕掛けるのも面白いかもしれない」
どうにかして上野さんを動じさせるっていう(笑)。絶叫する姿想像つかないな……。あと挑戦してみたいことはありますか?
上野「……あ、歌詞を書く力を身につけたいです」
松原「僕ももっといい歌詞が書けるようになりたいです。連載っていう形で、制作以外の部分でもストイックに書いていく場所があるのは嬉しいし」
武者修行みたいな。
上野「毎月50本とか」
それは活動に支障が出るのでやめましょう(笑)。
松原「歌詞の題材も編集部のみなさんで決めてもらって」
え、なんでもいいんですか? 俄然ワクワクしてきました。
上野「頑張ります(笑)。想像つかないようなものをお題にしてもらったほうが、僕らも成長できると思うので」
松原「『いろはす』(打合せ時、たまたま机の上に置いてあった)もいいですよね」
じゃあソングバーズに関係ないような、突拍子もないのを考えますね(笑)。書いてもらった歌詞をただ載せるだけじゃなくて、お題にまつわる体験取材を挟んでまた同じテーマで歌詞を書いてもらうのはどうですか? 歌詞のビフォーアフターを楽しんでもらうような。
上野「あ、それいいですね」
松原「いろいろな体験を通じて、僕らも成長していきたいです」
★
……という、彼らの音楽に対する真面目でストイックな姿勢から誕生したのでした。
記念すべき1回目のお題は〈催眠術〉。ガチで突拍子もないのを提案しました。果たして、2人はイメージだけでどんな歌詞を書き上げたのでしょうか?
【上野】
湿った空気に浅くなる呼吸
僕をどこに連れて行くつもりか
脈打つ視界に不釣り合いな声
妖しい優しさに目を眩ます彼は
出口のない夢の案内人
「普段あまりテレビも見ないので、催眠術という得体の知れない何をされるかわからない不安に妄想を膨らませました」
【松原】
夢見る夢を見ているように
はじめて会った自分
昔隠された自分
出会ったことは忘れるけれど
鏡には映る自分
「自分の知らない本性を暴かれるような気がして、怖さを期待に変えることでポジティヴに考えようと思いました」
さて、2人のこの歌詞がどう変化するのか――。