• HOME
  • RANKING
  • NEWS
  • INTERVIEW
  • COLUMN
  • QLAP!
  • MAGAZINES
  • BOOKS
  • ABOUT
  • HOME
  • RANKING
  • NEWS
  • INTERVIEW
  • COLUMN
  • QLAP!
  • MAGAZINES
  • BOOKS
  • ABOUT
INTERVIEW
  • #MUCC
  • #アーカイヴ

【Archive/Interview】MUCC/音楽と人2010年7月号

text by 樋口靖幸

6月9日といえば〈MUCCの日〉である。毎年この日、彼らは何かしらのファン向けのイベントを発信していて今回はニコ生4時間放送をやるらしい(ていうかこの記事をアップした頃に放送開始?)。で、今回は期せずしてアルバム『惡』のリリース前日ということもあって、編集部としても記念日にまつわる記事を上げようと思ったところ、ちょうど10年前の今日、彼らは「約束」というシングルをリリースしており、しかも『音楽と人』はそのタイミングでしっかり取材もやっていた。というわけで10年前の記事をこちらに再掲載。高円寺のガード下で焼き鳥を食いながら近況を語る当時の逹瑯(無精ひげ)の発言と、明日発売の『PHY Vol.16』の彼のインタビューとぜひ読み比べてほしい。逹瑯、という男の根本にあるものがずっと変わらないことがわかるはずだから。

(これは『音楽と人』2010年7月号に掲載された記事です)


実は今年に入ってムックに会うのはこれが初めてである。毎月のように顔を合わせてる時は「また会うのか」と多少ウンザリすることもあるんだが(すまん)、半年近く会わなくなればそれはそれで寂しいというか、妙に彼らのことが気にかかってくるというもの。しかも今年は例年と違い、リリースのスパンがやけに長い。つまり単純に言うと本人らと直接会う以前にムックの情報が乏しいと感じているわけで、あれだけ馬車馬のごとく働いていた彼らが活動ペースを落として制作に没頭していることに、僕は妙な不安を感じていたのだ。
そこへ届けられた新曲「約束」。ムックの抒情性を前面に押し出した非常にメロディアスな曲である。アニメの主題歌とはいえ、ここまで歌モノに振り切った曲をシングルに持ってきたことが、彼らの今後のベクトルを示唆するものなのか、それともタイアップ絡みの〈狙った〉楽曲なのか、逹瑯の話を聞くまでわからなかった。しかし、作詞作曲のクレジットに彼の名前があることに、なにかバンド内の地殻変動を感じるだけでなく、なぜかそこに期待を寄せていたのも事実だ。果たして今のムックとは、そして逹瑯とは、これまでとはどう違うのか。時間的余裕があるスタジオワークから生み出される曲はどのような未来を暗示しているのか。高円寺のガード下の焼き鳥屋に彼を呼び出し、久しぶりの取材と相成った。



久しぶりだね。


「そうっすね」


半袖で寒くない?


「まさか店がオープンカフェだと思わなかったけど(笑)。まぁ大丈夫ですよ」


それにしても今年はなかなか春を感じないね。


「そうすか?」


ちなみに今のムックは季節的に言うと?


「季節的に言うと、種まいて……種まいてるから春っすかね? いろんな種を選んで、その選んだ種をまいてるところですね」


どうですか種まきの作業は。


「今までよりも時間があるんですよ、すごく。でもその時間があるのが逆に良くねぇんじゃねぇかっていう話がこないだされて(笑)」


ははははは!


「切羽詰まってきた中で生まれてくる良さもあるんじゃないのかって。時間を与えられたら与えられただけ、結局使ってしまうんで」


今までのペースからは考えられないぐらい余裕はあるよね。


「そうですね。とにかく時間があっていろんなことが試せるんで。でもいろんなことが試せると迷いが生じるじゃないですか。で、ブレたりもするし。そこが悩ましいところではある」


でももともと今年はじっくり時間かけて作りましょうっていう予定だったんでしょ?


「うん、ちゃんと時間かけてやろうっていうのが今回のプランで。いろいろ体制も変わったし。で、こんなに時間ある中でやったことないから嬉しくていろいろ試してるんですけど、結果どれが一番良かったのかわからなくなってきたっていう曲もあって。それも含めて面白いすけどね」


じゃあやっぱり馬車馬のように働かされるのがムックには合ってると。


「かといって、あのカオスがどんだけすごいかっていうのはもう知ってるから、好んでその状況にはなりたくはないです。あの、今の話ってネガティヴに聞こえるかもしれないけど、実際はすごいポジティヴな悩みで。やっぱり今までより1曲1曲のクオリティが上がってるんですよ。だから単純にハードルが上がってるだけで」


じゃあメンタル的にはむしろいい感じだと。


「今までだったら曲が足んないから、もう1回メンバー個人で曲作りしよう、みたいなのがよくあって、俺、それがすげぇ嫌だったんですけど、今は別に嫌じゃないし」


バンド全体の空気はどうなの?


「今までのレコーディングで一番空気がいい気がする。混沌としてない。それもやっぱり時間があるからで。しかもみんな、曲が作れなくても後ろめたさがないっていうか。『いついつまでにデモを上げて』みたいな時でも、潔くギブアップできる時はできるし。そこで、みんなが作るって言ってるんだからちゃんと作ってこいよって責める空気もないし」


なるほど。ちなみに時間的な余裕が生まれたことで、逆に焦りとかはないの? 今までメジャーでカツカツのスケジュールでやってたのに、メジャーじゃなくなってしかも余裕があるわけじゃない? そこに不安を感じることもあるんじゃないかと思ったんだけど。


「や、逆。納得いくまで作れるんで、それはすごいメリットだと思ってる。デメリットがあるとすれば、表に出る回数が減るぶん次の作品が出た時の反響がどうなるかっていうのが見えづらいことかな。ファンが今までどおり来てくれるかっていうのは出してみなきゃわかんないじゃないですか」


そうそう、そこに対して不安とか焦りとかはあったりするんじゃないかなって俺は思ってたんだけど。


「他のメンバーはわかんないけど、俺はないですね。ホントは持ったほうがいいのかもわかんないけど、今のとこない、次のアルバムが出た時に、もしかしたらなんかしらの焦りが生まれるかもしれないっていうのはあるかもしれないけど」


なんで焦らないんだろね。


「だってもう12年やってきたバンドなんで、ある程度の土台はできてると思うし。それにまた次々と時間ない中で曲作ってリリースしてっても、どんどん音楽が薄まってくような気がするから。だから今の状況はすごいメリットだと俺は思いますね」


なんか言うことがいちいち頼もしいね。しばらく会わないうちに(笑)。


「そうすか? いろいろ迷走もしてますけどね。でも次のアルバムが楽しみですよ。たぶんアルバムが出た時、またインタビューは俺が受けることになると思いますよ」


なんで?


「たぶん俺が書いた曲がけっこう次のアルバムには入りそうなんですよ。したら音人は絶対俺1人のインタビューで来るだろうなって読んでるんですけど」


勝手に決めるな(笑)。

野良猫だったアイツが、最後はちゃんと腕の中で死ねて良かった。天国で楽しくしてくれたらいいなってこれを書いた

NEXT

1 2

© 株式会社音楽と人

FOLLOW US
タグ一覧
ライヴレポート / 最新号 / WEBオリジナル / アーカイヴ / 編集部通信 / BUCK-TICK / 怒髪天 / 映画 / 小室ぺいの自由研究 / DEZERT / NITRODAY / 言の葉クローバー / 僕たちプロ野球大好きミュージシャンです! / GRAPEVINE / 音楽と人LIVE / PHY / 9mm Parabellum Bullet / MUCC / THE COLLECTORS / a flood of circle / go!go!vanillas / noodles / フジファブリック / 中田裕二 / the pillows / THE BACK HORN / 後輩ノススメ! / 銀杏BOYZ / Mrs. GREEN APPLE / SixTONES / The Birthday / BRAHMAN / ヤバイTシャツ屋さん / SUPER BEAVER / ENDRECHERI / UNISON SQUARE GARDEN / 吉井和哉 / 忘れらんねえよ / ストレイテナー / KinKi Kids / 2019年プレイバック&MY BEST MUSIC / 山崎まさよし / The Songbardsの描写探訪 / THE YELLOW MONKEY / aiko / The Songbards / ポルノグラフィティ / MAN WITH A MISSION / メリー / 古市コータロー