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Mrs. GREEN APPLEの新曲「Theater」に溢れる彼らの思い、そして活動休止について

text by 樋口靖幸

5人の笑顔がこのバンドの未来を象徴しているようだった。


ベストアルバム『5』のリリース日である7月8日に、Mrs. GREEN APPLEは「Theater」のミュージックビデオを公開した。『5』の最後に収録されたこの新曲は、爆速で駆け抜けてきたデビューから現在までの5年間を振り返りつつ、バンドの未来をも連想させる言葉が綴られており、本作の発表と共にバンドの第1期――フェーズ1の幕引きにふさわしい曲となっている。この日公開されたミュージックビデオもそんなバンドの活動をドキュメンタリー映像で振り返るもので、ライヴやレコーディング現場を始めツアーの移動風景やミュージックビデオの撮影シーンなど、どんな場面においても彼らが笑顔を絶やさずにいたことがわかるミュージックビデオだ。改めて『5』という作品がバンドの代表曲をまとめた単なるベスト盤ではなく、彼らの5年間の記憶や感情がとことん詰まったエモーショナルな作品であることを思い知らされる。


バンドの司令塔である大森元貴(ヴォーカル&ギター)は「音楽と人」最新号の取材でも語っていたように、〈心の寂しさ〉を埋めるために音楽を発信し続けてきた。デビュー当時の取材においても彼は「誰かに認められたかった」「承認欲求で音楽を始めた」といった発言を残している。ミセスの音楽性がポップで明快で陽性なベクトルに振り切れているのは、彼がそこまで強く他者の存在を求めていることの証でもあり、まさに『5』はその集大成でもあると言えるだろう。しかしその一方で「バンドに人気が出てもきっと寂しさは埋まらない」という諦念も彼はずっと持ち続けてきた。つまりこの5年間とは、彼の中で消えないカルマの存在をより確かなものとして認識する時間でもあったのだろう。夢の大舞台に立ち、万単位の聴衆を前に「寂しい」と叫んでも、それは届くことのないという虚しさ。バンドメンバーとともにスターダムへ駆け上がってきた日々につきまとっていた、光と影の激しいコントラスト。『5』にはそんなバンドの二面性も露わになっている。


しかし彼らは「Theater」という曲で、さらにはそのミュージックビデオで、この5年間を「笑顔で満ちた日々」として描いている。喜びの日々、僕らの青春時代として高らかに唄い上げているだけでなく、美しい思い出の日々を糧に、次のストーリーへ向かっていこうという決意すら感じられるのだ。そこには大森の根本にある承認欲求――〈心の寂しさを埋めたい〉という思いから解放され、ただ純真な思いだけで音楽を奏でたいという大森の真摯な願いがあるのではないか。そんなことをミュージックビデオの映像の中で無邪気な笑顔を振りまく彼を見て、思うのだった。


そして「Theater」のミュージックビデオを公開した直後、彼らから3つの発表があった。フェーズ1完結に伴い、当面の間はバンド活動を休止すること。前所属事務所より独立し、新体制となること。さらに、「Project-MGA」を立ち上げ、フェーズ2を共に旅するクリエイターやプロジェクトスタッフなどを募集するオーディションを開催すること。以上のどれもがバンドがさらなる未来へ向かって羽ばたくための準備、という解釈で間違いない。前向きかつ積極的な今後の活動を見据えての休止。しかしそれは、笑顔と喜びに満ち溢れた日々を求めるために行った大森自身のシフトチェンジでもあるのだろう。「Theater」で描かれていた多幸感を揺るがないものにするための必須事項、それがフェーズ1とフェーズ2の間に置かれた「活動休止」ということなのかもしれない。


文=樋口靖幸



BEST ALBUM『5』
2020.07.08 RELEASE

■初回限定盤(CD+DVD )
■通常盤(CD)
■5 COMPLETE BOX (CD+DVD+Blu-ray Disc+復刻Tシャツ2020+フォトポスター)

〈CD〉 ※全形態共通
01 スターダム(新録)
02 我逢人(がほうじん)
03 StaRt
04 Speaking
05 パブリック
06 サママ・フェスティバル!
07 In the Morning
08 鯨の唄
09 どこかで日は昇る
10 WanteD! WanteD!
11 Love me, Love you
12 アウフヘーベン
13 青と夏
14 僕のこと
15 ロマンチシズム
16 インフェルノ
17 アボイドノート(新曲)
18 PRESENT(Japanese ver.)(新曲)
19 Theater(新曲)

HMVで購入

タワーレコードで購入

Amazonで購入

Streaming / Download


Blu-ray&DVD『EDEN no SONO Live at YOKOHAMA ARENA 2019.12.08』
2020.07.08 RELEASE

■初回限定盤
■通常盤

収録内容 ※全形態共通
1 インフェルノ
2 藍(あお)
3 WaLL FloWeR
4 VIP
5 アンゼンパイ
6 ProPose
7 Soup
8 愛情と矛先
9 Viking
10 クダリ
11 REVERSE
12 ア・プリオリ
13 ナニヲナニヲ
14 Ke-Mo Sah-Bee
15 僕のこと
16 StaRt
17 WanteD! WanteD!
18 青と夏
19 CHEERS
20 lovin'
21 Folktale

En1 Circle
En2 我逢人(がほうじん)

〈特典映像〉
Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR / The Documentary of "EDEN no SONO"

HMVで購入

タワーレコードで購入

Amazonで購入


『5』特設サイト https://sp.universal-music.co.jp/mrsgreenapple/bestalbum5/
Mrs. GREEN APPLE オフィシャルサイト https://mrsgreenapple.com/


現在発売中の『音楽と人』2020年8月号の表紙巻頭にMrs. GREEN APPLEが登場

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