2013年6月号よりスタートしたBUCK-TICKの樋口豊の連載「タイガース、今年も優勝だ!」から派生したこのトークイベント。連載開始まもない2013年10月号にゲストとして登場した、中日ドラゴンズファンであるフラワーカンパニーズのリーダー、グレートマエカワと「プロ野球好きのミュージシャンで集まってトークライヴやりましょう!」と盛り上がったのがそもそもの始まりで、2016年3月に初開催され、今回2シーズン目、4回目の開催となりました。
18時すぎ、出演者の中では一番乗りでユータさんが会場入り。心なしかテンション低め。連載タイトル「タイガース、今年も優勝だ!」に虚しさしか感じない今シーズンの阪神の成績に、もう今日はどんな顔して壇上にあがっていいかわかんない、と弱気モードのユータさん。「やっぱ帰っていい?」などと金光に言っております。その後、続々とこの日の出演者のみなさまがやってきます。
今回集まった面々は、樋口豊(BUCK-TICK/阪神タイガーズ)、グレートマエカワ(フラワーカンパニーズ/中日ドラゴンズ)、佐藤シンイチロウ(the pillows、Theピーズ/横浜DeNAベイスターズ)、ウエノコウジ(the HIATUS/広島カープ)、キョウスケ(爆弾ジョニー/北海道日本ハムファイターズ)、Die(DIR EN GREY/読売ジャイアンツ)。そして第1回からスーパーアシスタント(当初は、プロ野球ニュースにおける女子アナ的存在/本人談)を務めるMOBY(SCOOBIE DO/MLB解説者)。楽屋では、挨拶もそこそこに、昨シーズンの振り返り&反省会を繰り広げております。
開演10分前、各々持ってきたユニフォームに着替えていく。「ウエノさん、最初は僕これ着て出ますわ」と、白ではなく真っ赤なユニフォームをカバンから取り出すDieさん。「巨人が優勝できなかったら、1位のチームのユニフォームを着る」という罰ゲームを彼のモバイルサイト内で宣言していたらしく、それをこのイベントで実行するとのこと。野球ファンにとって、他球団の、しかも優勝チームのユニフォーム着用とはかなり屈辱的な行為であるが、そこはDieさん、考えてます。
「誰のやつ?」と聞かれ、ニヤっとしながら広げたユニフォームの背番号は9。「なんだよ、結局お前のところみたいなもんじゃんか!」とウエノさんが言うのも無理はない。Dieさんが持参したのは、広島の主砲であり2年連続セリーグ年間MVPの丸佳浩選手のユニフォーム。今年国内FA権を獲得した丸選手に対して、巨人は複数年契約・年俸25億超という破格のオファーをしてるという状況もあってのセレクトだ(11月30日、巨人へのFA移籍を表明)。
19:30、司会の金光が壇上へと登場し、スーパーアシスタントのMOBYさんを呼び込んだあと、いよいよ出演者が登場。最初に姿を現したのは、もちろんセリーグの完全覇者、広島代表ウエノコウジ。続いて、キョウスケ(日ハム/3位)→Die(巨人/3位)→佐藤シンイチロウ(ベイスターズ/4位)→グレートマエカワ(中日/5位)→樋口豊(阪神/最下位)と今シーズンの成績順での登壇です。ちなみに日ハムと巨人はどちらも3位ですが、年間勝率で日ハムのほうが上となりました。
そして、このトークイベント恒例の出演者全員によるタイトルコールへ。「みなさん、何のくくりですか?」という金光のフリに対して、ユータさんの「僕たち!」を合図に、残りの面々が「プロ野球大好きミュージシャンです!」と言う流れなのですが、いきなり「僕⤴︎たちぃ」と声をひっくり返してしまう。全員が思わずズッコケる中、顔を真っ赤にして恥ずかしがるユータさんの姿に、場内から歓喜の声が。さすが、BUCK-TICKの可愛い担当(笑)。気を取り直し無事にタイトルコールを終え、会場のみなさんと一緒に乾杯し、イベントがスタートです。
まずは、出演者の紹介を兼ねての今シーズンの振り返りへ。特に今年悲しいシーズンとなったマエカワさん、ユータさんの2人は「早く来年の話がしたい」と肩を落としてます。8月30日対ヤクルト戦における走塁ミスで同点のチャンスを逃した時の金本監督の唖然とした表情が、壇上後方にあるスクリーンに映されると、「俺もこの試合テレビで見てたけど、同じ表情してた!」と、無の表情を再現するユータさん。「今日はここにいるのが恥ずかしい」「本当に悲しい」と17年ぶりの最下位というショックにうちひしがれていたのでした。
その後、改めて今シーズンの戦いぶりについての各自の見解など、熱く真面目な野球トークを展開。そこから第1部のメインテーマ「今シーズンの印象的な試合、プレー」へ。毎回恒例だが、テーマに即したオリジナル動画を作成してくる最若手・キョウスケ。今回は、「みなさんにぜひ知ってほしい選手」と、今季で現役引退した〈サイレントK〉こと石井裕也投手に捧げる動画を作ってきた。先天性難聴というハンデを持ちながらも、プロ野球選手として13年間活躍した石井選手に対するリスペクトと愛情も伝わってくる感動的な内容で、会場のあちこちで涙ぐむ人続出(まあ、壇上の諸先輩からは「このあとやりづらい」「若者はすぐ動画にする」という可愛がり発言が寄せられてましたが/笑)。また9月28日@東京ドーム、巨人対 DeNA戦での長野選手のサヨナラ・ホームランを印象的なシーンとしてあげたのはDieさん。かつて両チームに所属し、今シーズンは独立リーグ所属だった村田修一選手の引退セレモニーが行われるということで球場にいたとか。そこから、「ここでしか見せませんよ」と長野選手と会食した際の2ショット写真を初公開! しかし「長野選手よりも、お前のキューティクルに目が行くわ!」とウエノさんが言えば、長野選手に寄り添うDieさんの姿にユータさんも「これ100%、彼女でしょ!」とツッコミの嵐が巻き起こる。さらにシンちゃんが「マイコラス(巨人投手)夫人みたい」と言うと、「よく言われるのがトランプ大統領夫人。あと最近は、歌舞伎町のローランドって言われます」と答えるDieさん。続けて野球観戦後に東京ドーム前で撮ったユータ&Dieの2ショット写真も公開され、「どっちが彼女?」という問いに「阪神のほう」とユータさんが間髪入れずに答えるという、なんだか「おっさんずラブ」的な展開にもなり、会場は大盛り上がり。
そして、シンちゃんがゴメスこと後藤武敏選手の涙のラスト打席を、マエカワさんが「岩瀬投手の前人未到の1000試合登板」、さらにユータさんが「中日・浅尾と阪神・中谷との真剣勝負」と、立て続けに今季いっぱいで引退を表明した選手の試合を挙げると、「ちょっと、この人本気で泣いてるんだけど!」と言うユータさんの横で、まさかの司会・金光が目を潤ませている……(嗚呼、乙女編集長)。そこから引退試合にまつわる深イイ話となり、その後、阪神・金本監督の今季限りの退団という話題で第一部は終了したのでした。