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9mm Parabellum Bullet、新体制で再出発。「この世に9mmがあってよかったね、ってことを伝えたい」

text by 石井恵梨子
2026年3月26日


【LIVE REPORT】
9mm Parabellum Bullet presents Live「E」2026
2026.03.17 at CLUB CITTA'




昨年9月9日、「9mmの日」に開催した〈9mm Parabellum Bullet presents Live「O」2025〉と対をなす、バンド結成記念日の〈9mm Parabellum Bullet presents Live「E」2026〉。これは2014年2月に行われた武道館公演以来の試みで、前者の選曲は1曲目や3曲目や5曲目など、すべて収録曲順が奇数曲。今回は2曲目や4曲目や6曲目など、すべて偶数曲のみで固められていた。だから何かと言われれば、まぁ、限りなく偏愛に近いこだわりでしかない。そして気づく人は気づくのだろうが、この書き出しは昨年9月に行われた〈9mm Parabellum Bullet presents Live「O」2025〉レポート原稿のトレースである。


他にもっと書くべきことがあるのではないか、と言われそうだ。今年から新体制での活動となり、滝 善充がドラムを叩き、サポートも入れない3人編成へ。新体制一発目のフリーライヴを行ったあとには「並々ならぬ決意でスティックを手に取りました。今はこうしなければ気が済まない」という滝のコメントも発表されており、そこにはどれほどの覚悟があったのかと感じ入った人は多いだろう。そもそも滝は作曲家兼ギタリストだ。記憶を遡ってみても、アンプによじ登ったり壁を使って三角跳びをしていたインディ時代、ギターを手放し踊り狂っていた昨年9月のライヴなどが浮かぶわけで……はっ、ギター弾いてねぇ! いつだって我先に身体を動かそうとしていたのが滝じゃないか、との結論に至るのだった。


そんな滝がスティックを握るのだから、まず自ら動き、リスナーの身体を突き動かそうとするライヴの方針は変わらない。開始早々「名もなきヒーロー」「Survive」「Lost!!」などアルバム2曲目の名曲を連発し、「2曲目にハズレなしって滝が言ってた」などと笑う菅原卓郎を見ていると、過剰な心配はしなくていいのだとまず納得した。というか、普通に楽しかった。ステージの3人が何より楽しそうだった。


もちろん見た目の変化にすぐ慣れたわけではない。ずいぶんスッキリしたステージだとも思う。しかし、過剰な音圧がないぶん風通しのよさは確かにあって、なおかつ全曲がダンサブル。5曲目「Vampiregirl」で打ち鳴らされた2拍3連ではっきり気づいたが、祭囃子っぼい躍動感がより高まっているのだ。白眉は原曲以上に踊れるダンスナンバーになった「One More Time」。満員のフロアからは大量の拳が上がり、「ありがとう!」の声が飛ぶ。


アルバム2曲目、名曲であるだけでなくリスナーの心を勢いよく掴む高速ロックナンバーが前半は連発される。盛り上がるのは当然だ。中盤はどうするのかと思いきや、いきなり新曲「レーゾン・デートル」を披露(卓郎によれば、偶数にはゼロも含まれており、収録曲順がまだ決まっていないものはゼロ曲目とカウントできるのだとか)。これまた高速でドラマティックな文句なしの9mm節。聴き取れたサビの歌詞は〈正面突破で突っ込んで〉というもので、戸惑い立ち竦む気配はゼロである。何度も書くが3人はとにかく楽しそう。その楽しさにつられて、フロアはノンストップで揺れ続ける。全体を引っ張っているのは、ほとんど少年のような笑顔でフォーカウントを刻む滝。彼と笑顔でアイコンタクトを取る菅原卓郎と中村和彦の顔が、以前よりはっきり見えることも印象的だった。


後半には非アグレッシヴ系の曲がいくつも登場。9mmの武器は速さ激しさだけではないことを伝える、しっぽり歌謡ゾーンだ。なかでもサーフロックを独自に解釈した「The Revenge of Surf Queen」や、昭和歌謡に近い「煙の街」までが出てきたことには驚いた。4人編成、いや、ライヴではサポートギターも入れた5人編成が常だったから、出音や見た目が寂しくなるのは承知のうえ。そのうえで歌の入らないインスト、勢いに頼らない歌モノも堂々とやるのか。もはや自信しか感じられなかった。9mmを維持していくのは俺らしかいない。けっこうな荒波を超えてきた3人なら何だって引き受けられる、と。


だいたいいつも、その顔でそんな気の抜けたこと言う?みたいなMCに定評があるんですけど、と卓郎が語り出す。まったくその通りだと吹いてしまうが、そのあとの一言には大喝采が起こっていた。「今日は、この世に9mmがあってよかったね、ってことを伝えたい」。さらには「滝が今後ギターを弾かないわけじゃない」とも話していたように、ひとまずオリジナルメンバーで足元を固めているのが今なのだ。将来的には再びサポートを入れ、ツインギター、はたまたトリプルギター編成もありえる。逆に言えば、オリジナルの型が決まり、その型を磨き続けていたベテランバンドが、今ここにきてフレッシュな変革期に突入していることが最高に面白いのではないか。


本編ラストは1stミニアルバム『Gjallarhorn』の偶数曲「Talking Machine」。もう20年も前の曲である。ダンサブルなリフ、クセになる歌謡メロディと、止まらない祭りのビート。なぜだかずっと古びない、どんな編成でも再現できる9mm楽曲の魅力を、今、3人は改めて感じているのかもしれない。


文=石井恵梨子
写真=西槇太一



〈9mm Parabellum Bullet presents「カオスの百年 vol.22」〉
9月6日(日)昭和女子大学人見記念講堂
チケット料金:¥6,900
チケット受付:オフィシャル先行 抽選先行(イープラス)
受付日程:3/28(土) 12:00~4/5(日) 23:59
受付URL:https://eplus.jp/9mm/


9mm Parabellum Bullet オフィシャルサイト

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