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jo0ji、ゲストを迎えたスペシャルなワンマンライヴで描いたここまでの歩みと未来への希望

text by 竹内陽香

【LIVE REPORT】
jo0ji〈special oneman live「onajimi」〉
2025.07.12 at 渋谷クラブクアトロ



アンコールで「onajimi」が披露される。人と人の見えない繋がりが唄われる曲を、ステージの真ん中にいるjo0jiはもちろん、バンドメンバーも満面の笑みで音を奏でている。後方からは見えないが、きっとフロアにもたくさんの笑顔があっただろう。その光景は、いい出会いを重ね、いい時間を過ごしている証明であり、これからさらに前に進んでいく希望にあふれていた。


〈special oneman live〉と銘打たれたこの日は、ファーストアルバム『あえか』発売記念であり、メジャーデビュー1周年を記念した特別なワンマン公演。いつものバンドメンバーにパーカッションやヴァイオリンが加わり、どの曲もかなり大胆にライヴアレンジが施されていた。さらに同郷(鳥取出身)のチェリスト・村岡苑子と「BAE」「cuz」を披露したり、Hana Hopeがゲストヴォーカルとして登場しjo0jiが提供した「フリーバード」を共に唄う場面もあり、まさにスペシャルなことが盛りだくさんでライヴは進んだ。


印象的だったのは、そんな特別感の中でもjo0jiは肩肘張ることなく自然体でステージに立っていたことだ。「≒」ではバンドメンバーと目を合わせながら音楽を使って仲間と遊ぶように唄ったり、ギターと歌だけで始まった「言焉」は目の前の観客に話しかけるような親近感が漂う。フロアの端や奥のほうへ手や目線を向けることも多く、友達とお喋りしてるのかと思うほど砕けたテンションのMCでは、仲間の前でちょっとカッコつけたり、褒められると照れておちゃらけたり、そんな姿にも彼の人となりが表れている。観るものを惹きつけるアーティスト然としたオーラはありながら、地元の祭りのステージで唄っているような親しみやすさも感じられるから不思議だ。


「バンドメンバーと仲よくなったのもあって、親しい人たちがいっぱいいる環境だったんですね。ステージ袖も客席も含めて、みんなと顔見知りみたいな状態でやれたので、そういう意味で安心感があったんだと思います」。これはWWW Xでの初ワンマンを振り返った本人の言葉だが、ファーストアルバムを完成させたことでバンドメンバーとの信頼関係もさらに深まったことだろう。仲間がいるという安心感が彼のステージに大きく影響し、いい意味で肩の力を抜いたようなパフォーマンスによって、観ている側にも安心感や安らぎを感じさせるものになっていた。


中盤のブロックでは、自身のルーツとなっている忌野清志郎の名前をあげるとRCサクセションの「多摩蘭坂」をカヴァー。さらに前述したように村岡苑子やHana Hopeをステージに呼び込み、共にステージを盛り上げていく。この日だけの特別な演出として用意されたものではあっただろうが、jo0jiがどんな音楽を聴いてきたのか、そして音楽活動をスタートさせてから東京でどんな出会いがあり、それによってどのような楽曲を作ってきたのか、その歩みが可視化されるような瞬間でもあった。


人と人が生み出すエネルギーがひとつの塊となっていった終盤。バンドが鳴らす躍動的なサウンドも気取らない佇まいも、jo0jiが持つ穏やかな人間味を映し出し、彼が曲に込めた前向きなメッセージを素直に届ける装置のよう。それによって観ているほうも祭りに参加するかのように一緒になって踊り、どんどん会場全体が昂揚していくのが伝わってくる。ラストに向けて歓声も手拍子も一段と大きくなっていき、〈でも大丈夫、僕らにはうたがある〉と高らかに唄われた本編ラストの「謳う」でこの日一番のシンガロングが起こる。それはなんとも美しく、眩い照明に負けないほどポジティヴな空気を放っていた。


アンコールで「onajimi」を唄う前、人間関係におけるやり切れなさについて語ったjo0ji。友達と遊び感覚で楽曲を作っていたところから、本格的に音楽活動がスタートしたのが2年前。活動の規模も変わり、たくさんの人と出会ってきた。今日のライヴを一緒に作ってくれたバンドメンバーやゲストもそんな出会いの一部だ。知らなかったことを知り、人として成長し、年齢を重ねることでいいこともやるせないことも経験してきた。彼がこの2年で知ったのは、人はずっと同じではいられないということだ。だからこそ、これまで出会ってきた人や受け取ってきたもの、そして今あるものを大事にしたいという願いを込めて「onajimi」が生まれた。そんな曲が、出会ってきた仲間と一緒に作り上げたライヴの最後に披露される。変わらないことを願うのではない。変わってしまうけれど、受け取ったものはどれだけ時間が経っても自分の胸の中にずっとあるという思いを、〈何も変わりはしないさ俺達は〉〈心配いらないぜ〉と唄うjo0ji。それはいろんな出会いを経た今を、この瞬間を、抱きしめるような力強い歌だった。


出会いや環境で人は変わっていく。でも自分にとってお馴染みの人や場所やものがあれば、帰る場所さえあれば、恐れることなくどこへだって行ける。この日のライヴを通じてあらためてjo0jiは自身にとっての馴染みの場所や人を再確認しただろう。さらに自身の曲を聴いてくれる人にとってライヴや音楽がそういう存在になったらいいと願ったはずだ。笑顔にあふれたラストは、ステージもフロアもお互いにそれを実感したからこその光景だったように思えた。秋からはアルバムを引っ提げたツアーがはじまる。彼に新たな出会いも生まれるかもしれない。その先でどんな音楽が生まれるのか、今から楽しみだ。


文=竹内陽香
写真=小杉歩


【SET LIST】

  1. ≒
  2. 明見
  3. 言焉
  4. escaper
  5. 条司
  6. Nukui
  7. ワークソング
  8. ランタン
  9. 多摩蘭坂(RCサクセション カヴァー)
  10. 新規録音(未発表曲)
  11. BAE
  12. cuz
  13. 眼差し
  14. フリーバード with Hana Hope
  15. 駄叉
  16. 不屈に花
  17. 謳う

ENCORE

  1. onajimi




〈jo0ji 1st album tour 2025『あえかなる』〉

11月13日(木) 大阪府・BIGCAT
11月18日(火) 愛知県・DIAMOND HALL
11月21日(金) 東京都・EX THEATER ROPPONGI
11月24日(月・祝) 宮城県・darwin
11月28日(金) 福岡県・DRUM Be-1
11月30日(日) 鳥取県・米子 laughs


jo0ji オフィシャルサイト

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