【LIVE REPORT】 〈SUPER EIGHT 超DOME TOUR 二十祭〉 2024.12.23 at 東京ドーム
SUPER EIGHTがデビュー20周年を全国のファンと祝うために開催した〈SUPER EIGHT 超DOME TOUR 二十祭〉。ビル群を思わせる舞台セットの頂上に登場した5人は、まず初めにデビュー曲「浪花いろは節」を唄い届けた。レコード会社の屋上デビュー会見から20年、グループとして“成人”を迎えた彼らは、東京ドームのステージの上、ファンに囲まれ歓声を浴びている。衣装は、風が吹けば翻る法被から、重厚かつきらびやかな黄金の袴に変わった。今やSUPER EIGHTは様々な人たちの想いを受け止め、背負いながら、アイドルとして輝いている。
とにかくめでたいから、派手なものをありったけ持ってきたぞ!と言わんばかりの演出に負けず、圧倒的な存在感を放つ5人。彼らの内からの輝きがどのように生まれたのかを、ファンは知っている。20年ずっと順風満帆とはいかず、報われないことも悔しくなることもあったが、続けることを諦めず、足並み揃えてやってきた経験がグループを成熟させたのだ。先述の通り、ライヴの冒頭でのSUPER EIGHTの佇まいは堂々としたものだった。一方、ライヴ終盤で見られた、目を潤ませながら(特に横山裕は涙で声を詰まらせていた)肩を組んで唄う5人の姿も、SUPER EIGHTの真実であり本質。彼らは20年の活動を通じて、グループ活動を続けることの難しさと尊さを誰よりも実感している。嬉しいことも悲しいこともメンバーで共有し、お互いに支え合い、励まし合いながら、前を向いて進んできた。そして、私たちにいつも笑顔を届けてくれた。
今回のドームツアーには、SUPER EIGHTの泥臭い歩みを、その道のりごと祝福したいというファンが全国各地から駆けつけた。また、5人が何度も観客に感謝を伝えていたように、あるいは丸山隆平が「めっちゃいろんなことがあったよね。こんなにいろんなことがあったグループを応援してくれて、支えてくれて、ありがとうとともにマジでお疲れさま」と言っていたように、メンバーも、ファンといろいろな感情を共有したいと思っていたはずだ。「ズッコケ男道」のサビの掛け合いは、メンバーも観客もかなりテンションが高い。自分の気持ちを声に乗せたぶんだけ相手も応えてくれると、お互いに信じられているのだろう。
大倉忠義が中心になって考えたという大ボリュームのセットリストは、SUPER EIGHTの20年の歴史を思わせるもの。スーツ姿でクールにパフォーマンスした曲には歳を重ねた今ならではの魅力が滲んでいたが、キュートに振り切ったパフォーマンスで観客を沸かせるシーンもあり、楽曲の幅広さ、歌でもダンスでもバンドでも楽曲を表現できるメンバーの力を改めて感じた。村上信五の「こんなに何でもできるアイドルってすごくないですか?」という言葉に心の中で深く頷く。さらに、演出には過去のライヴのオマージュがふんだんに盛り込まれていたため、オーディエンスは大喜び。全体を通して伝わってきたのは、〈紆余曲折あった道のりが今の自分たちを作っている〉〈だからどれも大事にしたい〉という感覚。そして現在のSUPER EIGHTを誇りに思うメンバーの気持ちだ。
ライヴの終盤では、バンド編成で数曲一気に演奏した。汗を流し、気力と体力を振り絞りながら、5人が楽器を鳴らすことで生まれる強烈なグルーヴ。花道をダッシュしながらギターを弾きまくる安田章大を筆頭に、全員がステージですべて出しきろうという勢いだ。観客も同じ熱量でバンドに食らいつき、それを受けてまたバンドの熱量がさらに上がる。このように互いにエネルギーを送り合いながら、SUPER EIGHTとそのファンは20年を歩んできた。観客に絶えず言葉を投げかけていた横山が、笑みを浮かべながら「みなさんが感情をぶつけてくれたぶん、ここから俺ら、感情ぶつけて唄うから聴いてください!」と伝える。そのあと披露されたのは、「LIFE ~目の前の向こうへ~」。彼ら自身のことを何度も勇気づけたであろう〈まだまだ終わらないから〉というフレーズに、安田が「終わらねえぞ! 笑ってついてこい!」と言葉を重ねた。SUPER EIGHTの音楽はやはり笑顔とともにあるのだと、僕らもエイターも最後にはきっと笑っているはずだと強調する。
新曲「LIFE GOES ON」を泣いたり笑ったりしながら唄う5人の姿を見て、観客も想いが溢れたのか、ライヴが終わっても拍手と歓声が止まない。12月23日の東京ドーム公演はアンコール、ダブルアンコールまで続き、ライヴは3時間45分に及んだ。特にダブルアンコールは想定外だったらしく、メンバーは驚きながら登場。曲を用意していなかったため一本締めで終わろうという雰囲気になるが、観客が「えー!?」と粘り(笑)、大倉がすぐにスタッフと連携して準備を整え、「無限大」を急遽披露する運びとなった。メンバーが「みんなで!」とマイクを客席に向けると、ドームいっぱいに大合唱が広がる。
〈友情 真実 夢 希望 しあわせ 笑顔 勇気 旅立ち 喜び悲しみ全て分け合って一緒に歩いてきた道 偶然じゃないこの出会い 色んな事感じ生きてきた日々 溢れる思いは無限大!!〉
このフレーズをともに唄える人生の友を得たこと。それこそがSUPER EIGHTにとって最大の喜びだったのではないだろうか。
文=蜂須賀ちなみ
撮影=中村嘉昭
【SET LIST】
- 浪花いろは節
- NOROSHI
- キング オブ 男!
- 無責任ヒーロー
- あおっぱな
- ズッコケ男道
- Jackhammer
- 浮世踊リビト
- アカイシンキロウ
- モノグラム
- 夢列車
- Kicyu(横山裕・安田章大)
- だってアイドルだもん!!(大倉忠義)
- Do you agree?
- 強情にGO!
- Heavenly Psycho
- ワッハッハー
- イッツ マイ ソウル
- Cool magic city
- 10年後の今日の日も
- SUPER ∞o’clock
- “超”前向きスクリーム!
- 四十路少年
- YOU CAN SEE(村上信五・丸山隆平)
- Water Drop
- WASABI
- Sorry Sorry love
- 大阪ロマネスク
- ツブサニコイ
- High Spirits
- 象
- ズッコケ男道
- “超”勝手に仕上がれ
- LIFE~目の前の向こうへ~
- LIFE GOES ON
ENCORE 01
- メドレー(パノラマ、なぐりガキBEAT、へそ曲がり、Wonderful World!!、T.W.L、関風ファイティング、旅人、DREAMIN' BLOOD、大阪レイニーブルース、CloveR、がむしゃら行進曲、急☆上☆Show!!)
- 軌跡とキセキ
ENCORE 02
- 無限大