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『呪術廻戦』エンディングテーマ「よあけのうた」が生まれるまでの苦悩と葛藤をjo0jiに聞いた

自分を認められなかったんでしょうね、いろいろ。〈こんな俺が〉みたいなのを抱えながらずっとやってた



影響を与えている自分のことも、周りがこれまでと違う感覚を持つこともすべてを受け入れて前に進んでいくと。曲のラストには光を求めて進んでいく覚悟が滲んでますよね。


「そうですね。この曲自体が〈マイナスからゼロに向かう〉ってのがテーマで。プラスには行かない。で、マイナスに行った人間がゼロに行くには覚悟がいるというか。今回、自分はほんとにマイナスまで行ってた感覚があって。悩みすぎて、どんだけいじくり倒しても曲も歌詞も出なかったんですよね」


そんなにも難産だったんですね。


「もうどうしようもなくてバンドメンバーや、一緒に編曲してくれた(江﨑)文武さんに頼ったんですよ。全員に素直に『俺、ダメだ』って言って(笑)。そうやって自分のどうしようもない部分をさらけ出した時に周りの人がゼロまで引き上げてくれた。そう思うと、マイナスからゼロまでって自分ひとりじゃ行けないし、ダメな自分もさらけ出す必要があって。で、その作業はやっぱ覚悟がいる。腹括らないと、たぶん無理だっただろうし」


その結果が、ものすごく壮大で圧倒的なエネルギーが渦巻く曲になったと。


「ほんとみんなのおかげですね。ひとりだったらずっと落ちっぱなしだったと思うんで」


そうだったんですね。「よあけのうた」とカップリングの「ひかりのうた」を聴いた時、jo0jiさんめっちゃ悩んでないか? 自暴自棄になってないか?って心配になって。


「やばいな、こいつって?(笑)」


はい。「ひかりのうた」も悩んでもがいてる人の歌じゃないですか。しかもこっちのほうが孤独感あるし、ヤケクソに前に進もうとしているし。


「そうですね。〈ひかりのうた〉はけっこう最近できた曲で。〈よあけのうた〉がゼロまで行くって言いましたけど、ゼロからプラスに行く曲もちゃんと作んなきゃなと思って。〈よあけのうた〉は光に手を伸ばしてるけど歩いてはいない。そこから光に向かって歩き始める曲として〈ひかりのうた〉を書いたんです」


〈誰かを不幸にしてしまう/恐れをいつも孕んでいる〉のところは、先ほど話してくれた、音楽をやることで人に及ぼす影響のことですよね。


「そう。でも俺だけじゃなくて、誰しもそうだと思うんですよね。自分が何か掴んだら、それを掴めなかった人が出てくるわけで。そういう意味では、みんな誰かの人生に影響を与えてるし、誰かのなりたかったものを横取りし合っている。でもそれも仕方がないというか、それをいちいち気にしちゃダメだなって。それが人生だなって思ってます、今は」


〈僕は後ろ暗い/薄情者で救いがない〉とか、かなりネガティヴなワードも目立ちますけど。


「ここは、それこそライヴで号泣した友達に向けて書いた歌詞なんですけど。俺が音楽をやることで友達に焦りを感じさせている。でもそんなの関係なしにこうやって『呪術廻戦』のタイアップの話をもらったりして。そういう意味では、あいつらを蔑ろにしながら突き進んでいってる感覚も自分の中にちょっとあったんですよ。だけど、そいつらも別にそこまで深くは思ってなくて。ライヴを観てちょっと感傷的になっただけで、あいつらも結婚したり子供ができたりして、自分の世界を作り上げていってるわけで。逆に言えば、あいつらも俺のことを蔑ろにしてるじゃん、みたいな(笑)。お互い様というか。それを面白くポジティヴに思えたので、だから思いっ切り書けましたね」


「よあけのうた」を書いて吹っ切れたから、ここまで踏み込んで書けたと。


「そう。それこそ1回落ちた人の覚悟のヤケクソというか。それくらいのほうがゼロからの出発の時はいいんだろうなとも思ったんです。やっぱり動き出すまでが一番大変だから、ちゃんとアクセルを踏み込めるような曲になればいいなと思って。満身創痍だろうし、全然まだ大丈夫じゃないんだけど、〈大丈夫になるんだろうな、こいつは〉っていう兆しがちゃんと見える曲にはなってるかなと思います」


〈でも容易くは消えないぜ〉って最後は自分に言い聞かせてるし。


「安定感のある希望は一切ないんですけど、一番パワーはあると思いますね」


どんなことがあっても自分はこれからも音楽をやっていく、その決意みたいなものが宿ってますよね。これまで発表してきた曲とは違う印象がすごくあったんですけど、そんな背景があったとは。


「そうですね。なんか、ライヴやってても、人がお金を払って自分を観に来てるっていう状況に対して〈大丈夫かな……?〉〈俺が何やれんだろう〉みたいな気持ちがどこかずっとあって。めちゃくちゃ歌が上手いわけでもなければ、プロの片隅にも置けないくらい楽器も弾けないし。歌は好きだけど人前で聴かせたくてやってたわけでもなかったから」


遊びの延長から始まってるわけですもんね。


「まあ、自分を認められなかったんでしょうね、いろいろ。〈こんな俺が〉みたいなのを抱えながらずっとやってたんですけど、でもひとりで音楽やってるわけじゃないし、むしろ社会と繋がっていく手段として、自分には音楽が向いてるんだろうなって。この1年でそれが腑に落ちた感じがあります」


最初に取材させてもらった時、自分をもっとさらけ出せるようになっていきたいって言ってたんですよね。「ひかりのうた」や「よあけのうた」は、まさにそのフェーズに入ったことを告げる曲なのかなって思いました。


「ほんとそうだと思います。2年前だったら絶対に書いてない曲ですもん。特にこの2曲は。〈これが俺です!〉みたいなことを言うの、照れくさかったし、カッコつけてたのもあるんで。人にネガティヴをぶつけるのもダサいし、おもんないって思ってたんすよ。だけど、そっちのほうが面白いというか、人間らしいなって最近は思いますね」


そうやって自分を出したことで、周りが引き上げてくれたり、これほどの曲ができあがったりするわけで。


「だからもっともっと自分をさらし上げていきますよ(笑)」




文=竹内陽香
撮影=増田彩来
ヘアメイク=高草木剛
スタイリング=渕上カン



NEW SINGLE
「よあけのうた」
2026.03.04 RELEASE

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
  1. よあけのうた - Yoake no uta
  2. ひかりのうた - Hikari no uta
  3. わかれのうた - Wakare no uta
  4. よあけのうた - Yoake no uta (Anime Size)
  5. よあけのうた - Yoake no uta (Anime Size -instrumental-)


〈jo0ji tour 2026「よあけまえ」〉
5月10日(日)Zepp Nagoya
5月16日(土)Zepp Namba(OSAKA)
5月22日(金)Zepp Haneda(TOKYO)


jo0jiオフィシャルサイト

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