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Nikoん、覚醒! ライヴバンドとして格段に逞しくなった2人から今年も目を離すな!

text by 石井恵梨子
2026年1月19日


【LIVE REPORT】
Nikoんpresents〈新春謝罪会見〉
2026.01.13 at 渋谷クラブクアトロ




Nikoん〈新春謝罪会見〉。通常チケットは破格の2026円、CD付きチケットは3500円と、新春ゆえの特別自主企画である。なにゆえ〈謝罪〉なのかといえば、昨年はThe Novembersから小林祐介+ケンゴマツモト、Hedigan’sがゲスト出演、最後にフロントマン全員が「こんなにカッコよくてすみません」と頭を下げることで笑いを誘っていたのだが、第二回となる今年は違った。


ゲストはa flood of circle。佐々木亮介は〈謝罪〉の対象(本日チケットが売り切れていないこと、悪化する国際問題、エモーショナルすぎる自分たちの曲調などなど)をあれこれ探しては「ごめんなさい」「すみません」とボヤき続ける。なんだこのやさぐれ具合。ただ、そんな彼を庇うでもなく、かといって盛り立てるでもない、バンドの適度な放任が妙に好ましかった。


昔なら、イキって七転八倒する佐々木=AFOC、ガナリ声とガシャガシャに歪んだ爆音がブランドだった。象徴的な一曲が「FUCK FOREVER」だろうが、ライヴの3曲目に始まったそれが、わりとゴキゲンかつ安定のロックンロールとして響くことに驚いた。歌詞に反して頭を左右に振っている佐々木自身が楽しそうなのだ。アオキテツがもはや若手とは呼べない貫禄を見せていることや、HISAYOがステップを踏みながらどんどん盛り上げていくことも大きい。決して佐々木の一人相撲ではなく、彼を〈そういうキャラの人〉として認め、また〈そのままでいてよ〉と支えている。言い換えるなら上手いこと掌で転がしているようにも見えるし、佐々木も転がることを望んでいるのだろう。そういった余裕がバンド全体から感じられる。


ラスト手前は最新作から「夜空に架かる虹」。これまでの自分たちをまっすぐ綴り、〈5月6日武道館 目を開けて夢を見ている〉の一言で締めるミドルバラードだ。派手な売れ方はしなくても、ブレることなく七転八倒していればこんな歌が生まれてくる。バンドのロマンという意味では満点だし、それは若手にとってたまらない憧れになるだろう。Nikoんがリスペクトを込めて彼らを呼んだ理由が改めて伝わってくるステージだった。


続いてNikoん。前回の〈謝罪会見〉の時はまだファーストアルバム『public melodies』一枚のみ、オオスカ歌唱曲が中心だったため、Nikoんは彼がフロントのバンドだと思っていた。マナミオーガキが随所で唄っていたとはいえ、サブ、もしくはコーラス担当という感覚で見ていたものだ。しかし、セカンドアルバム『fragile Report』が出た今は違う。一発目はゴリゴリのハードロック「とぅ〜ばっど」。ユニゾンのリフは二人の存在を等しく際立たせ、その上で〈Ah〜!〉と叫ぶマナミの迫力をこれでもかと突きつける。わたしの舞台、わたしのロック!という感じでフロアを掌握していく彼女に釘付けである。


マナミ歌唱曲が続く。能天気に明るいわけではないが、確実にポップな、ひねたところのないメロディが心地いい。肉体を感じるベースとギターは間違いなくロックバンドだが、エイトビートを極力避け、ドラムンベースやトラップ風のビートを積極的に取り入れる展開、それを的確にこなすサポートドラムの存在も重要で、芯は熱いが抜群にシャープなNikoんワールドが確立されつつあることを感じる。白眉は4曲目「Tokey-Dokey」。本日のCD付きチケットとして配布された新曲で、現代的なビート+オルタナ風の音像+まっすぐな歌声という組み合わせが、バンドの可能性をさらに広げている。


中盤はオオスカ歌唱曲が並ぶ。ポストハードコアの楽曲と寂しげなメロディラインは、マナミ曲に比べるとモノクロの世界だ。対比があるから映えるのは事実だが、特にいいのは二人の色が混ざる「bend」である。世界観は完全にオオスカのそれだが、唄っているのがマナミなので、灰色だった世界にじわじわと光が侵食していくような夜明けのイメージが重なっていく。思い返せば「bend」は一年前の〈謝罪会見〉で配布された新曲だった。なるほど、あれから一年でバンドの印象はここまで変わるのか。結成はもっと前だが、Nikoんがツートップのライヴバンドとして覚醒した、その始まりが「bend」なのかもしれない。


本日の特別編としてAFOC「I’M FREE」のカヴァーを披露したのち、オオスカは長いMCで心の裡をぶちまけていた。要約すれば、某現場でずいぶんな扱いを受けた、それは俺たちだけでなくライヴハウスの客までがナメられていることで、絶対に変えなきゃいけないと思った、というような話である。その果てに発表されたのは3月21日に控えた渋谷O-EASTワンマン公演。「俺たちが扱うにはデカすぎるハコ。でも現実的な数字見ててもしゃあない。クソな現実を変えるために、俺たちが変えられるように死ぬ気で頑張る。こんなバンドにお付き合いください」という言葉には自然と拍手が起こっていた。


何事にも噛みつきがち、中指を立てがちという意味で、オオスカと佐々木亮介は似たもの同士かもしれない。佐々木は長い時間をかけて今のメンバーを得たが、オオスカはどうかと言えば、彼は自分とは真逆のタイプを選び、その個性をどんどん引き立てることでNikoんになった。だからこそ、彼が吠えまくったあとはマナミの出番である。「nai-わ」や「さまpake」の歌詞が伝えるように、彼女の視界に戦うべき相手は存在しない。周りを気にしないタイプなのか、わたしはわたし、という強さで唄うだけ。その存在がNikoんから屈託や鬱屈を遠ざける。もっと前向きに、より素敵な世界が見たいよね、という感覚に近づいていける。ひときわ明るいラストナンバー「グバマイ!!」に救われていたのは、決して踊り続けるフロアの人間だけではなかったはずである。


文=石井恵梨子
写真=雨宮透貴


【SET LIST】

■a flood of circle

  1. I’M FREE
  2. FLOOD
  3. FUCK FOREVER
  4. キメラファンク
  5. 月に吠える
  6. 理由なき反抗(The Rebel Age)
  7. ゴールド・ディガーズ
  8. シーガル
  9. 夜空に架かる虹
  10. 白杖
     

■Nikoん

  1. とぅ〜ばっど
  2. (^。^)//ハイ
  3. step by step
  4. Tokey-Dokey(新曲)
  5. ghost
  6. vision-2
  7. bend
  8. I’M FREE(カヴァー)
  9. nai-わ
  10. public melodies
  11. さまpake
  12. グバマイ!!
     

Nikoん INFORMATION

NEW ALBUM
『fragile Report』
2025.09.24 RELEASE

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: fragile-Report-jkt_small-.jpg
  1. fragile report
  2. bend
  3. nai-わ
  4. 靴
  5. dried
  6. さまpake
  7. とぅ〜ばっど
  8. グバマイ!!
  9. (^。^)//ハイ

各ECリンク:https://nikon.lnk.to/fragile_report


〈fragile Report RELEASE TOUR〉
2月22日(日)新潟 GOLDEN PIGS BLACK
2月23日(月•祝)宮城/仙台 enn 2nd
2月28日(土)広島 ALMIGHTY
3月01日(日)香川/高松 TOONICE
3月07日(土)北海道/札幌 SPiCE
3月11日(水)愛知/名古屋 CLUB UPSET
3月13日(金)福岡 Queblick
3月15日(日)鹿児島 SR HALL
3月20日(金•祝)大阪/心斎橋 ANIMA
3月21日(土)東京/渋谷 Spotify O-EAST(ワンマン)


Nikoんオフィシャルサイト


a flood of circle INFORMATION

NEW ALBUM
『夜空に架かる虹
』
2025.11.12 RELEASE

  1. 夜空に架かる虹
  2. KILLER KILLER
  3. ASHMAN
  4. マイ・モーターサイクル・ダイアリーズ
  5. モモちゃんのブルース
  6. SNAKE EYES BLUES
  7. キメラファンク(FLY! BABY! FLY!)
  8. ルカの思い出
  9. 全治
     


a flood of circle 20周年記念ツアー
〈日本武道館への道"〉

1月23日(金)名古屋CLUB QUATTRO w/9mm Parabellum Bullet
2月5日(木)水戸LIGHT HOUSE w/cinema staff
2月14日(土)盛岡CLUB CHANGE WAVE w/Nothing’s Carved In Stone
2月15日(日)郡山HIPSHOT JAPAN w/Nothing’s Carved In Stone
2月19日(木)宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2 w/バックドロップシンデレラ
2月26日(木)千葉LOOK w/cinema staff
2月28日(土)横浜ベイホール w/GLIM SPANKY
3月1日(日)京都磔磔 w/ヒトリエ
3月7日(土)長野CLUB JUNK BOX w/GLIM SPANKY
3月8日(日)新潟LOTS w/BIGMAMA
3月13日(金)心斎橋BIGCAT w/ドレスコーズ
3月14日(土)金沢エイトホール w/山中さわお&ELPIS
3月27日(金)岐阜ants w/PK shampoo
4月3日(金)札幌cube garden w/w.o.d.
4月5日(日)仙台darwin w/w.o.d.
4月15日(水)名古屋DIAMOND HALL w/SIX LOUNGE
4月17日(金)福岡BEAT STATION w/SIX LOUNGE
4月24日(金)広島CLUB QUATTRO w/My Hair is Bad
4月28日(火)Zepp DiverCity TOKYO w/[Alexandros]


a flood of circle 20周年記念公演
〈LIVE AT 日本武道館〉

5月6日(水・祝)日本武道館
特設サイト


a flood of circle オフィシャルサイト

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