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SUPER BEAVERのライヴはなぜ無敵なのか。東京国際フォーラムで再確認した彼らの歩み

text by 竹内陽香
2025年12月10日

【LIVE REPORT】
SUPER BEAVER
〈SUPER BEAVER 20th Anniversary 都会のラクダTOUR2025〜ラクダトゥギャザー〜〉
2025.12.02 at 東京国際フォーラム ホールA



結成20周年を迎えたSUPER BEAVERのライヴは今、無双とも言える状態にある。アニバーサリーの冠がついたライヴの第6弾として行われた12都市13公演のホールツアー。ツアーファイナルの国際フォーラムは、日本最大級のホール会場だが、まるでその大きさを感じさせないほど初っ端から圧倒的だった。


「スペシャル」でマイクを蹴り上げた渋谷龍太のロックスター然とした姿はもちろん、上杉と藤原のリズム隊も研ぎ澄まされたプレイで楽曲を底上げし、柳沢のアグレッシヴなギターがどんどん熱を注いでいく。それに呼応するようにフロアからはジャンプや手拍子が盛大に巻き起こり、「美しい日」のサビでは会場全体が揺れて、床が抜けるんじゃないかと心配になるほど。


ステージの上は、基本的にバンドと照明だけ。特別な舞台セットは一切ない。ライヴハウスほど狭くないから勢いで押し通すこともできないし、アリーナほど装飾や演出を施せるわけでもない。ホールという会場はロックバンドにとって難しい場所だ。でも今のSUPER BEAVERは、音の鳴らし方、歌の響かせ方、言葉の紡ぎ方、ステージ上での立ち振る舞い、そういったシンプルな一つひとつがとにかく丁寧で、観ている側の心と身体を動かしていく。そして、細部まで磨かれているのに、システマチックにはならず、あくまでも人が鳴らすものとして、温もりを感じられるところがもっとも重要なポイントだ。


渋谷は前半のMCで「自分たちは神様ではない。びっくりするほど人間です。間違えたり、失敗したり、つまずいたりする」と言っていた。ただ音楽が好きな学生4人がバンドを組んで、紆余曲折ありながらも活動を続けてきたのがSUPER BEAVERだとすれば、彼らはやっぱり聖人君子でも、完全無欠のスーパーマンでもない。いいことも悪いことも経験して、その時の感情や記憶が、歌と音に乗る。中盤、「生きていないとできないことばっかり」と渋谷が呟いてから入った「未来の話をしよう」。すっと立って唄う渋谷の歌はまるで手渡しするように思慮深く、段々と熱を帯びていく演奏と重なり、この曲に込められた悲しみを愛おしいと思う気持ちを丁寧に届けていた。


そのあとに渋谷はこんな言葉を伝えた。
「苦しい気持ちも悲しい気持ちも絶対に捨てんな。何年後かにその気持を抱きしめられるようになれよ」


そこから「361°」で、その先の一歩目を高らかに鳴らし、〈やめなかったから笑っている僕らが/今よりもっと笑ってやろうぜ〉と「突破口」で追撃する。生きていればいろんなことがある。成功も失敗も、運命的な出会いも突然の別れも。楽しい時には無敵だと思えるほど強くなれるけど、悲しい時にはどうすることもできないと絶望したりもするだろう。そういう時こそ、SUPER BEAVERは自分たちの姿勢を曲に刻んで、音楽で未来を描いてきた。


ネガティヴな気持ちにフタをして見て見ぬふりをすれば傷つかない。でもあえて傷口を見て、痛みを受け入れることで、どうすれば痛みを乗り越えて笑えるかを模索する。そうやって、後悔をひとつずつ歓びに塗りかえ、小さな目標を叶えながら、ここまで歩んできたのだ。誰かから聞いた話でも、口先だけのいい言葉でもない。自分たちの体験が曲になり、経験と実感が音楽の説得力になる。それがSUPER BEAVERの今の圧倒的なバンド力であり、その音楽で心の扉をこじ開けられたフロアから〈次は自分も!〉と巨大なエネルギーがステージに向かって送られることで、無敵のライヴ空間が発生する。「切望」の〈僕は笑顔の 渦を作りたい/巻き込んで笑いたい 巻き込まれて笑いたい〉が、会場全体の総意として鳴り響く瞬間は圧巻だった。


発売中の『音楽と人』1月号でも、孤独や悲しみと向き合うことの大切さを渋谷が話してくれている。目をそらしたくなるようなネガティヴなことを受け止めて、まっすぐ向き合う。しんどくてもそれを実行した先に、心の底から笑える瞬間があることを、SUPER BEAVERのライヴを観るたびに実感する。サプライズ発表された京セラドーム2デイズ、東京ドーム2デイズのワンマンライヴですら、驚きより納得のほうが強いのは、そうやって小さな一歩を踏みしめてきたSUPER BEAVERだからこそ。「20周年というチートを使わずに、普通にデカいとこやりたかった。一緒に行きたいと思ってます」。過去最大の自信と自慢の仲間と共に、来年もまた最高の景色を見せてくれるはずだ。



文=竹内陽香
写真=青木カズロー


※現在発売中の『音楽と人』1月号の表紙に渋谷龍太が単独で登場。発売中のアルバム『Acoustic Album 1』をもとに、彼の歌と言葉に宿る強さとその覚悟に迫る巻頭特集をお届けしています。


【SETLIST】

  1. 名前を呼ぶよ
  2. スペシャル
  3. 主人公
  4. 美しい日
  5. ひたむき
  6. 東京流星群
  7. ささやかな
  8. 人として
  9. 未来の話をしよう
  10. →
  11. 361°
  12. 突破口
  13. 嬉しい涙
  14. 片想い
  15. まなざし
  16. アイラヴユー
  17. 切望




NEW ALBUM『Acoustic Album 1』
2025.12.03 RELEASE


初回生産限定盤A / B(CD+Blu-ray / DVD)
通常盤(CD)


〈CD〉 ※全形態共通

  1. 人として
  2. ひたむき
  3. 正攻法
  4. 秘密
  5. グラデーション
  6. mob
  7. 美しい日
  8. 値千金
  9. 名前を呼ぶよ
  10. 予感
  11. Q&A
  12. 切望
  13. それでも世界が目を覚ますのなら
  14. アイラヴユー


〈Blu-ray / DVD〉 ※初回生産限定盤のみ

2025.1.28 愛知県芸術劇場 大ホール
SUPER BEAVER 「アコースティックのラクダ2025 ~突然トッツゼン~」

  1. ひたむき
  2. グラデーション
  3. 秘密
  4. 正攻法
  5. Q&A
  6. 切望
  7. 値千金
  8. 予感
  9. 美しい日
  10. アイラヴユー
  11. 涙の正体
  12. それでも世界が目を覚ますのなら
  13. 名前を呼ぶよ


タワーレコードで購入

アマゾンで購入

HMVで購入



〈都会のラクダ DOME TOUR 2026〉

2026.08.01(Sat)大阪・京セラドーム大阪
2026.08.02(Sun)大阪・京セラドーム大阪
2026.09.22(Tue)東京ドーム
2026.09.23(Wed)東京ドーム



SUPER BEAVER オフィシャルサイト

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