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INTERVIEW
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木下理樹×戸高賢史。それぞれが今一番輝いている理由をミュージシャン同士として語り合う

MONOEYESも楽しんでくれよなって思ってる。その刺激を持ち帰ってくれればいいと思うから(木下)



木下「俺が覚えてんのはね、復活するにあたって、憲太郎さんがめちゃくちゃかかってて」


戸高「はははっ。……かかってる、って何なの?」


私もそれ気になってた(笑)。


木下「いや、憲太郎さんのプレイヤーとしてのピークポイントがあるとして、『なんで俺のピークポイントとお前のピークポイントが合ってないんだよ。それが俺は不満だよ』ってことをすごく言われて。俺もそれ考えなきゃダメだと思って。そこからなんだよね。ちゃんと僕としてのピークポイントを探し当てなきゃいけないし、そこを伸ばしていこうって」


戸高「なるほどね。俺と憲太郎さんはずっと話してた。どうやったら理樹に伝わるか、どうやったら火をつけられるか」


木下「自分の作る音楽にずっと興奮していたいから。そのためにはいろんなインプットもしなきゃいけないし。それは復帰してからは意識するようにしてる。毎回インプットして、曲作って、練習して。まぁ地味な繰り返しではあるし、プロとしては当たり前のことなんですけど」


……あなた、そんなこと喋るようになりましたか。


木下「ふふっ。僕はずっとそこに気がつかなかった。メロディなんて勝手に降りてくるもんです、みたいな感じだった。でもね、インプットがないと無理だし、普段からそういうこと考えてないといい曲なんてできるわけないっすよ。俺もう『BURRN!』とか『rockin'on』毎月買うようにしてて。そんで調べて新譜聴いて。そういう時間ってやっぱ楽しいし、なんでこれやんなかったんだろうって反省しましたけどね」


……すごく感慨深い。トディはどうです?


戸高「あぁ……もちろんギターをより好きになっていくのは、どのバンドにもフィードバックできることなんで。そこは意識的にやってはいますね。練習もそうだし、よりよくギターというものを深掘っていく。やっぱりバーンって鳴らしただけで〈最高!〉って思う気持ちってどんどん薄まっていくし、でもそれをなくさないような工夫。それはいつもしてるかも」


アートでのプレイスタイルもちょっと変わりましたよね。ここまでエモさが出てくること、昔はなかった。


戸高「あぁ、それはやっぱり、MONOEYESで10年経験してきたことが出てるのかなと思う。ただ、アートでガッと前に出てギター弾くのは、今もちょっと気恥ずかしい」


木下「あ、でもこないだの札幌のライヴ、客席のほうに降りてたもんね」


戸高「あれはね、降りたくて降りたわけじゃなくて。照明が暗くて足元が見えなくて落ちたんだよね(笑)。無事にストンと着地してしまった」


木下「俺はそれ見てアガってたんだけど。〈おっ、トディ、下に降りてフロア煽っていくのか。すげぇな〉って」


戸高「いや……ただただ恥ずかしかったですよ」


あははは。2人とも、今、アートスクールの活動にストレスはないですか。


木下「まぁ、次にまた何か作ろうって言ってるから、そこは僕、作曲者として乗り越えなきゃいけない壁で。でも、そこも楽しんでやろうって決めてますね。あとはアートが復活してから、俺なるべく一本もライヴを外したくないって思いながらやってる。特にここ最近はほんと、魂燃やすくらい」


おぉ。……かかってる状態?


木下「かかってる……かかってるでしょうね(笑)」


戸高「ははははは」


木下「最近はめちゃめちゃハードコアなライヴやってるんですよ、俺ら。もう終わった時にライヴしたことも記憶にないくらい、魂抜けたなっていう日もあって。〈あぁ、これからこういうライヴをしていけばいいんじゃないか〉って思う」


素晴らしい。トディはどうでしょう。


戸高「僕は今わりとバンマス的な立ち位置でやってるので、ストレスがまったくないかって言えば嘘になるんですけど。でも、そのストレスも全然構わないくらい楽しめてるかなと思いますね。全員がそうやってすさまじくハードコア・モードでライヴしたり。あれも、やる前からそういうライヴになるだろうっていうことが計算できてるというか」


偶然ではないんだ。


戸高「うん。なんとなくそうなる、っていう感じじゃない。セットリストを決める時も〈この曲だと不完全燃焼になる、ここはもう全部アップテンポな曲でいこう〉みたいなことまで考えてるし、みんながバチッとハマる熱量で臨めてるから。今アートスクールはすごくいい状態だと思いますね」


なるほど。ちょっと悩んでる若いバンドマンがいたら「もう一個バンドやったほうがいい」ってアドバイスします?


戸高「いやっ? それは絶対言えない。誰とやるかも重要だし、しょうもないバンドやったらより擦り減っていくし」


あ、それはそうですね。


戸高「僕はMONOEYESやれたことによってプラスの力に変えられたけど、それはあの人たちがリスペクトできる人たちだったから。これは誰にでも当てはまる話ではなくて。ただ、違う景色を見る、違う空気を吸うっていうのは、バンドマンは大事かなぁとは思いますけど」


リッキーに聞きますけど、長年自分の相棒だった人が違うバンドで笑顔を見せている。ジェラシーはありません?


木下「僕はそれ、全然ないです。むしろ楽しんでくれよなって思ってる。刺激になってくれればいいし、その刺激を持ち帰ってくれればいいと思うから。ないっすね」


戸高「お客さんのほうが心配すること多かったかも。〈このまま細美さんに取られちゃうんじゃないか〉みたいな(笑)」


木下「取るとか取られるとか、モノじゃないんだから」


戸高「そうそう。だから、心配してる人たちに対して、これは結果でちゃんと黙らせなきゃいけないんだなっていうのが俺のモチベーションのひとつだったし。その人たちが今の結果を見てどう思ってくれてるのかはわからないけど」


いや、ファンを続けてきてよかった、その言葉に尽きる。


戸高「あぁ、よかった」


木下「うれしい。僕、このタイトルにしてよかったなって思います。『Dreams Never End』。実感してます。だからね、トリビュートライヴはここからも続くし、今すごくいい状態にある僕ら、ぜひ観に来てほしいですね」



文=石井恵梨子
写真=中野敬久



ART-SCHOOL 25th Anniversary Tribute Album
『Dreams Never End』
2025.08.20 RELEASE



  1. FADE TO BLACK|ASIAN KUNG-FU GENERATION
  2. MISS WORLD|Age Factory
  3. ロリータ キルズ ミー|cinema staff
  4. foolish|DOPING PANDA
  5. ミーンストリート|People In The Box
  6. SKIRT|リーガルリリー
  7. スカーレット|indigo la End
  8. CRYSTAL|ストレイテナー
  9. EVIL|syrup16g
  10. BOY MEETS GIRL|MONOEYES
  11. Just Kids|PEDRO
  12. 斜陽|LOSTAGE
  13. ウィノナライダー アンドロイド|Helsinki Lambda Club
  14. あと10秒で|MO'SOME TONEBENDER
  15. SWAN SONG|The Novembers

  


ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE〈Dreams Never End vol.2〉
2026年1月7日(水)Spotify O-EAST
出演:ART-SCHOOL / indigo la End / The Novembers

ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE〈Dreams Never End vol.3〉
2026年2月8日(日)LIQUIDROOM
出演:ART-SCHOOL / DOPING PANDA

ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE〈Dreams Never End vol.4〉
2026年2月11日(水・祝)LIQUIDROOM
出演:ART-SCHOOL / ストレイテナー

ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE〈Dreams Never End vol.5〉
2026年2月25日(水)梅田CLUB QUATTRO
出演:ART-SCHOOL / LOSTAGE / Age Factory

ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE〈Dreams Never End vol.6〉
2026年3月18日(水)KT Zepp Yokohama
出演:ART-SCHOOL / ASIAN KUNG-FU GENERATION

ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE〈Dreams Never End vol.7〉
2026年4月3日(金)Zepp Haneda
出演:ART-SCHOOL / MO'SOME TONEBENDER / syrup16g


ART-SCHOOL オフィシャルサイト

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