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THE YELLOW MONKEYがツアーで再提示した過去AL3作。30年前と現在の彼らをつなぐもの

text by 青木優

昨秋からのTHE YELLOW MONKEYの全国ツアー〈Sparkleの惑星X〉は、4つのブロックに分けての開催となった。そのBLOCK.1からBLOCK.3は、それぞれリリースから30周年を迎えた過去のアルバムをフィーチャーし、それを最新作『Sparkle X』とミックスした構成となっていた(註:THE YELLOW MONKEYツアー終了。今の4人が魅せたバンドの生き様と今後の行く末について)。つまり1994年に発表されたのがメジャー3作目の『jaguar hard pain 1944-1994』で、1995年の発表が4作目『smile』と5作目『FOUR SEASONS』の2枚。都合3作を時間の幅で捉えると2年弱だが、これはTHE YELLOW MONKEYが音楽的に最も激動した時期でもあった。ここでは当該の3作を、メンバーがツアーを振り返ってくれたコメントとともに紹介しようと思う。



■一大コンセプトアルバム『jaguar hard pain 1944-1994』


まず昨年10月から12月までのBLOCK.1でクローズアップされたのは、『jaguar hard pain 1944-1994』。吉井和哉にとって念願だった一大コンセプトアルバムで、タイトルにあるふたつの西暦年は、主人公の兵士ジャガーが第2次世界大戦で戦死した年と、彼の魂が恋人のマリーを求めて蘇った現代の年(リリース年)を示している。ジャガーのイメージは吉井が幼い頃に失った父親で、そこには今も彼の楽曲の根底に流れ続ける死生観が感じられる。作品の質感はまさしく昭和的で、このバンドの諸作の中でもとりわけアクがひどく強く、そのぶん、スルーが許されないアルバムだ。シングル曲としては「悲しきASIAN BOY」を収録。サウンド的にも、それまでに4人がやってきたことが集約されている。


「好きなハードロックのテイストがバリバリ入ってるアルバムなので、音がドライなんだよね」(エマ)
「クイーン、ガンズ、エアロでしょ?(笑)。70’s感がある。でも〈遥かな世界〉なんて久々にやったけど、すごくよかったよね」(吉井)


BLOCK.1の最終日となった日本武道館公演では、アンコールラストにストリングス隊と一緒になった「MERRY X’MAS」が披露された。今までにも数えるほどしか演奏されておらず、『jaguar』のストーリーを締めくくるこのバラードを切々と唄う吉井の姿は感動的だった。



■音楽を大衆に向けることを意識した『smile』


今年に入るとツアーはBLOCK.2に突入、ここからは入れ替わって『smile』からの楽曲がセットリスト入り。自分たちの衝動のままに突き進んできた作品作りは前作まででカタをつけ、ここではジャケットからもわかるように明確にポップを指向している。彼らはバンドが向かうべき方向を売れること、そのために音楽を大衆に向けることを意識したのである。先行シングルは「熱帯夜」、そして「Love Communication」で、リカットされたのは「嘆くなり我が夜のFantasy」。


「『smile』の頃は俺、チャラかったわぁ。私生活が(笑)。『jaguar』は死生観だったけど、『smile』は私生活のアルバム(笑)。今回のツアーで〈サイケデリック・ブルー〉と〈ドライフルーツ〉を続けて演奏したのは、すごく評判よかったね」(吉井)
「『smile』からはやっていない曲が多かったから、取り戻すのに一番時間かかったかな。でも今の自分のエッセンスで叩いたほうがスマートにできたので、やる意味はすごくありましたね」(アニー)


セットリストから長らく漏れている曲がほとんどなのは、それだけ本流から遠い曲調が多いからだろう。ただ、「争いの街」は『jaguar』の物語と通じるし、ここで4人がチャレンジしたことはのちのあらゆるアプローチに生かされていったはず。結果、アルバムは4人にとって初めてのヒット作となった。
それから30年後。今回のツアーでの「See-Saw Girl」と「イエ・イエ・コスメティック・ラヴ」のしなやかでヘヴィなグルーヴは格別だった。



■チャートの1位を獲得したこの『FOUR SEASONS』


続いて3月から4月のBLOCK.3で焦点が当てられたのは『FOUR SEASONS』。初めての海外録音となるロンドンでの制作で、当時の4人の士気は大いに高まった。何よりも冒頭のタイトルソングでの破壊宣言、つまり過去の自分たちに決別するというメッセージが鮮烈である。シングルとしては「追憶のマーメイド」、「太陽が燃えている」、さらにリカットされた「Tactics」を収録。エマ作曲の「空の青と本当の気持ち」、ヒーセ初の作曲となった「Love Sauce」などメンバーの存在の大きさも感じられる。そして父への思いを唄う「Father」はあまりに赤裸々で、だからこそ素晴らしい。


「このアルバムからも〈月の歌〉とか、演奏するのが久々だったね。メニューを通してやってると、自分の中で〈月〉というキーワードが多いことがわかったのも面白かったな。〈ソナタの暗闇〉にも出てくるし」(吉井)
「〈月の歌〉をやったあとに〈ソナタの暗闇〉をやると、共通する世界観があるのがわかってさ。あれはよかったね」(ヒーセ)


1995年の終盤、セールスチャートの1位を獲得したこの『FOUR SEASONS』でTHE YELLOW MONKEYは音楽シーンのトップランナーの座についたのである。
そして、これまた今年の春、BLOCK.3の最終日。NHKホールで聴いた「ピリオドの雨」や「月の歌」での、初期の頃に通じる湿ったセンチメンタリズムには、あらためてグッと来てしまった。



なおツアー〈Sparkleの惑星X〉はこの後も続き、5月から6月にかけて行われたFINAL BLOCKの5公演では、先ほどのアルバムの流れだと次の季節に当たる1996年のホールツアー〈野性の証明〉をテーマにしたメニューが組まれた。今やすっかりベテランになった彼らだが、若い炎をたぎらせた頃の自分たちをこうして反芻し、省みたことは、バンドにいい影響をもたらしているようだ。


7月9日には新曲「CAT CITY」のリリースがあり、そこには各BLOCKで披露された過去アルバムのライヴ音源が収録される。BELIEVER.盤(FC限定盤)には、『jaguar hard pain 1944-1994』『smile』『FOUR SEASONS』のライヴ音源が収録され、初回生産限定盤には、『Sparkle X』のライヴ音源が収録される。なお、BELIEVER.盤の3形態の購入者には、本ツアーのMC集が特典に付くというのだから、このツアーを振り返りながら余すことなく楽しめる作品になっている。古参ファンも新規リスナーも、ぜひかつての作品群もたどり直しながら、今の彼らを堪能してほしい!


文=青木優


※来週には、ツアーを終えたばかりのメンバーインタビューをお届けします! ツアーを振り返りつつ、ニューシングル「CAT CITY」についても語ってもらいました。お楽しみに。



NEW SINGLE「CAT CITY」
2025.07.09 RELEASE


■通常盤

  1. CAT CITY
  2. CAT CITY(Anime Size)
  3. CAT CITY(Instrumental)


■初回生産限定盤

  1. CAT CITY
    【LIVE TRACKS】( TOUR 2024/25〜Sparkleの惑星X〜より)
  2. SHINE ON -福岡サンパレスホテル&ホール- (2025.2.14)
  3. 罠 -広島文化学園HBGホール- (2024.11.7)
  4. ホテルニュートリノ -神奈川県民ホール 大ホール- (2024.10.15)
  5. Exhaust -やまぎん県民ホール 大ホール- (2025.4.13)
  6. ドライフルーツ -熊本城ホール メインホール- (2025.3.7)
  7. Beaver -愛知県芸術劇場 大ホール- (2025.4.22)
  8. Kozu -けんしん郡山文化センター 大ホール- (2025.2.11)
  9. ソナタの暗闇 -札幌文化芸術劇場hitaru- (2024.12.1)
  10. ラプソディ -フェスティバルホール- (2025.3.17)
  11. Make Over -倉敷市民会館- (2025.2.23)
  12. 復活の日 -大宮ソニックシティ 大ホール- (2025.1.24)


通常盤/初回生産限定盤 予約サイト
https://tym.lnk.to/26th_Sg


■BELIEVER.盤(FC盤)

●BELIEVER.盤-BLOCK.1 Edition- ※ファンクラブ限定商品(20,000枚限定)

  1. CAT CITY
    【LIVE TRACKS】(TOUR 2024/25〜Sparkleの惑星X〜<BLOCK.1>より)
  2. 薔薇娼婦麗奈 -神奈川県民ホール 大ホール- (2024.10.15)
  3. FINE FINE FINE -川商ホール(鹿児島市民文化ホール)第1ホール- (2024.12.13)
  4. A HENな飴玉 -札幌文化芸術劇場hitaru- (2024.12.1)
  5. ROCK STAR -仙台サンプラザホール- (202411.21)
  6. 遥かな世界 -名古屋国際会議場 センチュリーホール- (2024.11.1)
  7. 赤裸々GO!GO!GO! -広島文化学園HBGホール- (2024.11.7)
  8. 街の灯 -福岡サンパレスホテル&ホール- (2024.11.15)
  9. 悲しきASIAN BOY -愛媛県県民文化会館 メインホール- (2024.10.20)
  10. MERRY X’MAS -日本武道館- (2024.12.28)


●BELIEVER.盤-BLOCK.2 Edition- ※ファンクラブ限定商品(20,000枚限定)

  1. CAT CITY
    【LIVE TRACKS】(TOUR 2024/25〜Sparkleの惑星X〜<BLOCK.2>より)
  2. See-Saw Girl -東京ガーデンシアター- (2025.2.7)
  3. 嘆くなり我が夜のFantasy -福岡サンパレスホテル&ホール- (2025.2.14)
  4. イエ・イエ・コスメティック・ラヴ -名古屋国際会議場 センチュリーホール- (2025.1.8)
  5. ヴィーナスの花 -けんしん郡山文化センター 大ホール- (2025.2.11)
  6. サイケデリック・ブルー -仙台サンプラザホール- (2025.1.19)
  7. 争いの街 -大宮ソニックシティ 大ホール- (2025.1.24)
  8. 熱帯夜 -倉敷市民会館- (2025.2.23)
  9. Love Communication  -大阪城ホール- (2025.1.15)


●BELIEVER.盤-BLOCK.3 Edition- ※ファンクラブ限定商品(20,000枚限定)

  1. CAT CITY
    【LIVE TRACKS】(TOUR 2024/25〜Sparkleの惑星X〜<BLOCK.3>より)
  2. Sweet & Sweet -仙台サンプラザホール- (2025.3.20)
  3. I Love You Baby -福岡サンパレスホテル&ホール- (2025.4.4)
  4. ピリオドの雨 -NHKホール- (2025.4.30)
  5. Love Sauce -フェスティバルホール- (2025.3.17)
  6. 月の歌 -レクザムホール 大ホール(香川県県民ホール)- (2025.3.27)
  7. 太陽が燃えている -レクザムホール 大ホール(香川県県民ホール)- (2025.3.27)
  8. Father -愛知県芸術劇場 大ホール- (2025.4.22)
  9. 空の青と本当の気持ち -やまぎん県民ホール 大ホール- (2025.4.13
  10. 追憶のマーメイド -オーバード・ホール 大ホール- (2025.3.14)


ファンクラブ限定『BELIEVER.盤』 予約サイト
THE YELLOW MONKEY OFFICIAL STORE


BLOCK.1プレイリスト https://tym.lnk.to/sparkle_Block1
BLOCK.2プレイリスト https://tym.lnk.to/sparkle_Block2
BLOCK.3プレイリスト https://tym.lnk.to/KuPrNiWF
FINAL BLOCKプレイリスト https://tym.lnk.to/sparkle_final


THE YELLOW MONKEY オフィシャルサイト

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