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a flood of circleが掬い上げる未来。37公演にわたるツアーを完走し、彼らが描く次なる夢とは

text by 今井智子

【LIVE REPORT】
〈a flood of circle TOUR 2024-2025〉
2025.06.13 at Zepp DiverCity (TOKYO)




最新作『WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース』を携えて、リリース直後の11月28日からスタートしたツアー〈a flood of circle TOUR 2024-2025〉は、6月13日、Zepp DiverCity (TOKYO)に辿り着いた。歓声の中、ステージに現れた4人に半年以上の旅の疲れは見られず、むしろこの時を待っていたと言わんばかりの様子。そして佐々木亮介(ヴォーカル&ギター)は、いつものように「おはようございます、a flood of circleです」と告げると、アルバムのリードトラック「WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース」を唄い出した。そこに渡邊一丘のドラムとHISAYOのベースが入り、アオキテツのギターが切り込んでいく。


今回のツアーは延べ37公演。毎回この曲を唄ってきたはずだ。だから、まるで呼吸するように唄ってはいるが、歌に宿る情感はむしろ高まっている。〈ブルシットな世界〉に挑むように叫び、ギターを歪ませる。〈食い荒らしてる畑〉という最後のヴァースが終わった瞬間、バンドは一丸となって「Dancing Zombiez」に突入。半年以上のツアーで培ったバンドの勢いにオーディエンスも負けちゃいない。シンガロングでバンドに応え、ハンドクラップで煽る。熱を帯びた後奏で佐々木が「ギター、俺!」とソロを鳴らすと歓声が起こった。そして「ファスター」と曲名を告げると、演奏はさらにヒートアップし、オーディエンスが腕をあげジャンプ。序盤からフロアを揺らしまくる勢いである。


「よく来たね」と声をかけ、ギターを弾きながら佐々木が唄い出したのは「I'M FREE」。佐々木の弾き語りからバンドサウンドへと変化をつけることで、ストーリー性の高いこの曲が、より立体的に鳴らされた。そして、〈どうせしあわせ〉というフレーズに合わせてHISAYOがベースを弾きながら跳ねるグルーヴィなダンスチューンの「D E K O T O R A」、アオキが詞曲を手がけた「11」と最新作からのナンバーが続く。「11」は、アオキと佐々木のヴォーカルリレーが聴きどころだが、アオキのヴォーカルもツアーを経てずいぶん堂に入ったものになっていた。曲が終わり一息いれると佐々木は言った。


「人生なんて3秒ぐらいだよ。すぐ終わっちゃう。それで山に行って録音したり、いろいろやってみたけどあんまり変わらなかったんで、このまま行くってことにしました。よろしくどうぞ」


生き急いでみようとしたが自分のペースは変わらないということか。そんな言葉で始まったモーツァルトの曲名を引用した「Eine Kleine Nachtmusik」は、ギターを爪弾きながらの唄い出しから、後半バンドの音が加わりヒリヒリするようなブルージーなナンバーへと変貌。続けて〈生きてるかい、俺の細胞、お前の細胞、つねに入れ替わってるらしいぜ〉などと即興で口ずさみながら、アカペラで「Honey Moon Song」へと繋いでいく。もしかしたら普段から佐々木は、こんなふうに自由に一人で唄っているのかもしれない。そして「Are you Ready!」という掛け声を合図に、バンドのギアがグッと上げる。挑み続けることを唄うこの曲は、a flood of circleというバンドの背骨の一節だ。「行こう!」と繰り返しシャウトする佐々木からは、自分なりのやり方でこのまま行くんだ、という思いが溢れているように思えた。


「最近どう? 自分は曲作ってるんですけど、けっこういいよ。先に言っちゃおうかな。アルバム出そうと思って。11月に。で、歌舞伎町の外でライヴやっちゃおうかな」という突然の発表に大きな歓声が起きた後半戦。サプライズなMCから間髪入れず「ベイビーブルーの星を探して」を佐々木が唄い出しバンドが跳ねる。そして「忘れんなよ! 世界は君のもの!」と懐かしい曲を続け、大サビでは、見事なタイミングで〈飛ぶだけ!〉とシンガロングが起こった。「世界は君のもの」を発表した2008年頃は〈羽化したばかりの蝶〉だった彼ら。だが今、アサギマダラのように地球半周ぐらいしそうな勢いで力強く羽ばたいている。軽快なロックンロールに乗せた反骨魂満点の歌が小気味よく響く「理由なき反抗 (The Rebel Age)」を挟んで、熱気に満ちたフロアに向け「キャンドルソング」のサビを佐々木がオフマイクで唄い出す。ギターを鳴らし〈ユラユラユラ〉のリフレインを唄うと、すかさずオーディエンスの歌声が続いた。佐々木の歌もバンドの音も〈小さく温めるギリギリの灯り〉どころか遥か彼方まで照らす灯台のようであり、この光を求め集まった人たちが、共に唄いながら今ここにいるのだ。


「シーガル」での焦燥感を迸らせる佐々木の歌とアオキのギターのスリリングな応酬に引き込まれ、「ゴールド・ディガーズ」のトーキングブルース風のパートとパワフルなバンドパートとの起伏に煽られ、一段と熱を帯びていくフロア。その空気を一息入れて落ち着かせると佐々木がこう言い放つ。


「もうこれでいいかと思ったらアルバム作らないと思うし、疲れたらやめると思う。でもなんでそんなことを続けてるかっていうと、俺にはこれだけだってわかってるから。やりまくって『どう?』ってみんなに言いながら、これでいいってことを証明していく。俺が今やってるのはそれだけ。だから今俺が言えることは、Keep on Rollin’!」


そのまま「虫けらの詩」を畳み掛け、アカペラで〈俺たちの生き方はこれだけ〉とラストを締めると、「屋根の上のハレルヤ」へと続けた。荒々しいギターと歌声で〈俺たちが歌うから 今夜 ひとりじゃない〉と何度も呼びかける。最後のギターソロが終わると、拍手と歓声に応えて佐々木が、こう言って本編を締めくくった。


「フリーライヴやるから。11月にみんなで歌舞伎町をびっくりさせちゃおうか。よろしく」


アンコールに応えて再び登場した佐々木から、「歌舞伎町野外音楽堂ということにしました!」と改めて11月9日に新宿歌舞伎町でフリーライヴを開催すること、そのためのクラウドファンディングを立ち上げることが告げられた。またそれに先駆けて、これまでリリースしてきた全195曲をすべて演奏するツアーを行うことも発表。そこから「じゃ新しい曲。これが一番好き」と、翌6月14日から配信開始の「KILLER KILLER」を披露した。a flood of circleのすべてが詰め込まれているような、骨っぽくも華のある起伏に富んだナンバーだ。さらに「花」「月夜の道を俺が行く」と続けた。先のMCで「歌舞伎町の頃には決まってると思うけど、抽選があるから」と言いながら、かねてより公言している日本武道館を見据えていることを改めて口にしていた佐々木。〈俺の夢を叶える奴は俺しかいない〉と唄う彼の次の夢は、歌舞伎町野外音楽堂であり、その先には日本武道館のステージがある。


佐々木が、こうして矢継ぎ早に未来を描いていくのは、自分が進むためのモチベーションであり、たくさんの人に一緒に進んでくれと伝えることで覚悟を決めているのだろう。「屋根の上のハレルヤ」で唄っているように、星に手を伸ばして、こぼれる未来を掬いたい。それは一人じゃできないが、一人じゃないからできること。そして、今目の前にいる人たちは、a flood of circleと共に進んでくれる。そんな確信を得たからこその笑顔を見せて、佐々木はステージをあとにした。次にa flood of circleと会うのは、彼らが描く未来が実現した時になるはずだ。


文=今井智子
写真=新保勇樹


【SET LIST】

  1. WILD BUNNY BLUES/ 野うさぎのブルース
  2. Dancing Zombiez
  3. ファスター
  4. I'M FREE
  5. D E K O T O R A [HandMic]
  6. 11
  7. Eine Kleine Nachtmusik
  8. Honey Moon Song
  9. ひとさらい
  10. ベイビーブルーの星を探して
  11. 世界は君のもの
  12. 理由なき反抗 (The Rebel Age)
  13. キャンドルソング
  14. プシケ
  15. シーガル
  16. ゴールド・ディガーズ
  17. 虫けらの詩
  18. 屋根の上のハレルヤ

ENCORE

  1. KILLER KILLER
  2. 花
  3. 月夜の道を俺が行く





NEW DIGITAL SINGLE
「KILLER KILLER」
2025.06.14 RELEASE




〈レトロスペクティヴ 2025〉
9月17日(水)渋谷CLUB QUATTRO
9月19日(金)札幌cube garden
9月24日(水)F.A.D YOKOHAMA
10月4日(土)名古屋CLUB QUATTRO
10月5日(日)金沢vanvanV4
10月10日(金)心斎橋Music Club JANUS
10月12日(日)福岡Queblick
10月17日(金)仙台MACANA


今秋リリース予定のアルバム発売記念フリーライヴ開催決定!
〈I’M FREE 2025 LIVE AT 新宿歌舞伎町野外音楽堂〉
11月9日(日)新宿 KABUKICHO TOWER STAGE
時間:16:00 開場 17:00 開演
※オールスタンディング
※会場前方エリアに関して「優先入場整理券」の抽選受付を実施予定。詳細は後日発表

フリーライヴ開催に伴いクラウドファンディング実施中
詳細はこちら


a flood of circle オフィシャルサイト

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