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映画『か「」く「」し「」ご「」と「』。中川 駿監督に聞く純度100%の青春ラブストーリーの魅力と撮影裏話

text by QLAP!

奥平大兼&出口夏希がW主演を務める映画『か「」く「」し「」ご「」と「』。本作は、“少しだけ人の気持ちが見えてしまう”高校生の男女5人の尊い日々を描く青春ラブストーリーだ。メガホンを取った中川 駿監督に、もどかしい想いを抱える高校生を演じた5人のフレッシュなキャストの魅力や作品の見どころを伺いました。主人公の親友役を演じるAぇ! groupの佐野晶哉くんの撮影秘話も必見です!

(これはQLAP!2025年6月号に掲載された記事です)



『君の膵臓をたべたい』などで知られる作家・住野よるの青春小説を映画化した本作。監督が感じた原作の魅力や、映画化する上で大事にしたことを教えてください。

原作小説を読んだときにまず感じたのは、悩める10代の気持ちを肯定してくれる作品だということ。今の時代、特にSNSでありがちなことですが、都合のいいものだけに目を向けさせた華やかな内容の投稿を見ると、それだけが全てではないのに、他人と自分の実生活を比べてしまったりもする。現実世界もそれと一緒で、人の心の中は見えないので、周りと比べて自分だけがネガティブなことを抱え込んでいる気がして自信をなくしてしまう。特に10代の子たちはそう感じることが多いと思うんです。

原作はそういった繊細な心情がしっかり描かれていて、“嫌なことを考えてしまうのは君だけじゃないし、悪いことでもないよ”と背中を押してくれる作品。そんな原作に込められたメッセージや世界観を意識しながら、映画化する上ではリアリティーやキャラクターの実存感も大事にしました。

物語に登場する5人の高校生たちは“人の気持ちが少しだけ見える”という不思議な力を持っていますが、ファンタジー映画にはしたくなくて。あくまでも現実の世界と地続きにある世界観の中で、彼らの悩みやコンプレックスといった内面的なものを描くことにこだわったので、楽しんでいただけたらと思います。


5人の高校生を演じるのは、引っ込み思案の京役の奥平大兼くん、ヒロインじゃなくてヒーローになりたいミッキー役の出口夏希さん、体育会系でいつも明るいヅカ役の佐野晶哉くん、予測不能な言動でつかめないパラ役の菊池日菜子さん、内気で控えめなエル役の早瀬 憩さん。キャストそれぞれの印象はいかがですか?


「自分なんて」と引け目を感じながら、ミッキーに恋をする主人公・京くんを演じた奥平くんは、京くんは極度のネガティブで理解しがたい一面もある子ですが、奥平くん自身、シンパシーを感じる部分があったようで。京くんの内面と一つひとつ丁寧に向き合いながら、誠実に演じていく姿が印象的でした。

天真らんまんなクラスの人気者・三木直子(通称:ミッキー)役の出口さんは、役との親和性が高く、「演じてきた役の中で自分に一番近い」と言っていましたね。プロ意識が高く、カメラが回った瞬間のスイッチの入れ方もカッコ良かったです。

ミッキーの幼なじみであり、京くんの親友・高崎博文(通称:ヅカ)役の佐野くんは、僕が知る人類の中で一番透明感がある男。“こんなにも肌がキレイで爽やかな人っているの? ”と驚きましたね。そんな佐野くん自身の魅力を生かしながら、ヅカをナチュラルに体現してくれました。

また、親友・ミッキーのことが大好きな黒田 文(通称:パラ)を演じた菊池さんは、感情で芝居をするタイプで、芝居に対する熱量が高い。そして、内気で控えめな性格の宮里望愛(通称:エル)役の早瀬さんは最年少ですが、 原作のファンでもあったらしく、世界観に対する分析力が圧倒的でした。

個性も取り組み方も違う5人ですが、それぞれ役にハマっていて素晴らしかったですね。 現場での5人はとても仲が良く、見ていてほほ笑ましかったです。



青春ラブストーリーとして特にこだわった部分とは? また、撮影で特に印象に残っているシーンはありますか?


主人公の京くんは、同じクラスのミッキーのことが気になっていますが、親友のパラと一緒に楽しそうにしている彼女のことを遠くから見つめるだけの日々。物語はそんな京くんとミッキーのラブストーリーを軸としていますが、5人それぞれの視点で描くパートがあり、5人を主人公にした群像劇の要素もあります。例えば、パラの目線で進むパートにはミッキーがしばらく登場しません。そういった箇所ではパラの気持ちを通して京くんとミッキーの存在を感じさせることで、常に意識の矛先は2人になるようにこだわりました。

なかなか簡単にはいかない京くんとミッキーの恋愛模様を描く上では、10代のリアルを追求したい思いがあったので、芝居のディティールは奥平くんと出口さんに基本はお任せしました。役と向き合い、一つひとつ丁寧に演じてくれてた2人ですが、特に素晴らしかったのは、物語の鍵となるクライマックスでの図書館のシーン。スケジュールの都合で物語の流れ通りに撮影することができなかったのですが、2人とも気持ちを飛ばすことなく、自然体な芝居を見せてくれてさすがでしたね。


ヅカとパラが本音で話し合うシーンも印象的でしたが、撮影はどんな様子でしたか?

ヅカもパラもそれぞれ複雑な秘密を抱えるキャラクター。友達ではありますが、パラにとってのヅカはいわば敵のような存在なんです。そんな2人が自分の腹の底を見せ合う重要なシーンでは、佐野くんも菊池さんも素晴らしい芝居を見せてくれて。本来、パラはヅカの前で弱さを見せたくないはずなんですが、パラとして心をむき出しにするあまり菊池さんから涙が流れることもあって。その熱量をありのまま映像に反映していきましたし、それを受け止める佐野くんの芝居も印象的でした。


ヅカって、すごくいいことを言う人なんです。でも、いいことを言うときに“いいことを言ってやるぞ”という空気が出ていると、芝居がくどくなる。その点、佐野くんは本当にさりげなく、心の中にずっと隠してきた言葉がこぼれ出たような繊細なニュアンスでセリフを口にしていて、塩梅が絶妙でしたね。



文=渡邉ひかる



中川 駿監督
なかがわ・しゅん/1987年5月13日生まれ、石川県出身。2014年に短編映画にて監督デビュー。現在は多数の映画の演出、脚本を手掛ける。近年の作品は、 映画『少女は卒業しない』『カランコエの花』など。


映画『か「」く「」し「」ご「」と「』
(松竹配給/5月30日より全国ロードーショー)
出演:奥平大兼、出口夏希、佐野晶哉、菊池日菜子、早瀬 憩 ほか
(C)2025『か「」く「」し「」ご「」と「』製作委員会
(C)2017住野よる/新潮社

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