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INTERVIEW
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GRAPEVINEに出会えた喜び。最新アルバムの発売を記念して、田中和将のインタビューを公開!

僕は完全に根無し草なんで。田舎もないですし、親もいない。帰り着く場所は、たぶん僕が築いたものなんでしょうね



〈終わり〉を意識したところについては?


「具体的に終わりとかゴールを考えるには早すぎる歳でもありますけど、これぐらいの歳になってくると、わりと身近なところで終わりを目の当たりにすることが増えてきて。ほほーんっていう感じです」


具体的に言うと?


「身近なことでも感じますし、バンドの解散もあったし、自分が昔憧れたスターもどんどん亡くなっていく。そして気がつけば、こういう世の中に、こういう時代に、こういう国になってるわけじゃないですか。で、ふと自分を見て〈さあ、俺はあとどれくらいできるだろう。そして、やれる間に何ができるだろう〉って自然に考えるようになってきましたね……まだ終われんけど(笑)」


何ができると思いますか?


「うーん……そこに明確な答えは出ないと思います。ただ、何かしら抗い続けとかんとあかんのかな、という気はしますね」


何に対して?


「例えば、先ほどから話している思考停止であるとか。そういったものに抗わんとあかんのかな、って。これね、ともすれば自分も呑み込まれるわけですよ。やっぱりいろんな要素が絡んでると思うんです。時代や政治、お国柄。僕らはその中で暮らしてて、そこに生きる人々の風潮の中で生きてるわけですから。相当気を張っておかないと、呑み込まれますよ。なんとなく世の中の風潮に迎合して、こんなもんだろうって生きてると、思考が止まってしまう。それは非常に危険ですし」


今、時代はまさにそういう空気ですからね。


「あくまで、自分がこれまで見てきたもの、考えてきたことを支えにしながら、それを保ちつつ、いかに冷静に物事を見られるかってことですね」


冷静に見れないから、圧倒的なヒーローを求めがちなんですよね。トランプみたいな存在にそれを重ねて。


「そういうのも、わからんでもないんですよ。僕の中でも非常に矛盾するんですけど、今の世の中って、ヒーロー不在の時代ですから、ああいう人が出てくると、ヒーロー的に見えちゃうんですよね。で、自分もそれになろうとか、あるいはそういうものを求めようとした時に、言葉やパフォーマンスが強くなるのは非常にわかるんです。ロックスターが生まれる瞬間って、それに近いと思うんですよ。ただ、なぜかそういうことをやってると村化しちゃう。音楽ってそういうことやないと思ってるんですよね」


バンドをやってる人って、多かれ少なかれそういう欲望があるものだと思うんですけど、田中さんってそれがないんですよね。


「そもそも、ヴォーカリストになりたくなかった男やからじゃないですかね(笑)。あと、生まれも育ちもあまりよくないもんで、わりと物心つく前に、非常に厳しい世界を見たことも大きいかもしれない」


なるほど。


「生きることは簡単なもんじゃないんだなって、おそらく身体に染みついとるんやと思うんです。というのもね、例えばアジテーション的なものに群がる人たちって、小さい頃の僕からすれば、非常に余裕のある人たちに見えるんですよ」


言えるだけいいじゃんっていう。


「そうそうそう」


今こうしてバンドを生業にして生きてきて、自分はそういう生き方をしてきてよかったな、と思いますか?


「どうなんでしょうね。それがよかったか悪かったかの判断は、非常に難しいです。じゃあ、どの道を通ればよかったのかっていうことになるじゃないですか。もしかしたら、他の道もあったかもしれんし、そっちのほうがよかったかもしれん。でもそれって、いいか悪いかの話じゃないと思うんですよ。なんとなくだけど、どの道を通ってもここに来たような気がするし、そういう生き様なんだろうなって気がしますね」


「追憶のビュイック」の〈どの道を選んだって/どのみちこのとおりさ〉という実感がどこかにあるんですかね。


「ですね、ここから先も変わらへんのやろな、って」


この曲には〈帰り着くべき場所へ向かう〉とありますけど、それは自分にとってどこだと思いますか?


「僕は完全に根無し草なんで。田舎もないですし、親もいない。帰り着く場所は、たぶん僕が築いたものなんでしょうね」


築いたもの?


「ここまで生きてきて、築けたものが僕にどの程度あるかわかりませんが、バンドと自分の家庭ですね。僕が帰着する場所はもはやないんですよ。その歌になぞらえて言うなら、ただ高速を降りて、自分の家に帰るぐらいしかできない。だから、結局降りられないんです。ずっと走り続けるしかない。強いて言うなら、いろんなことを経験して、僕が帰るべき場所に気づいたわけやけれど、それはどこか遠くにあるホームじゃないんですよ。まあ言うたら、ずっと連れて歩いてるようなもんなんです。バンドと家ごと走り続けてる。多くの人には田舎があったり、何かあったら戻る場所があるじゃないですか。僕にはそういうのが一切ないので」


ないことが、こういう歌詞を書くとか、音楽をやることに、ある種、繋がっていたというか。


「そうですね。だから、終わりの話もしますし、そういうことを考えたりもします。結局は、ずっと降りられないんですよ。ずっと走り続けないといけないんです」


どこかに向かってずっと。


「おそらくそういうことです。そのどこかは、たぶん一生わからない。戻る場所がないのはわかってるし、そこに未練も何もないんですが、バンドと家庭を連れたまま、ずっと走り続けるんやろうな、と。そう思えたことは、非常に幸せなことやな、と思ってますね」


文=金光裕史
撮影=岡田貴之



NEW ALBUM
『あのみちから遠くはなれて』
2025.05.28 RELEASE


■初回限定盤(CD+DVD)
■通常盤(CD)

〈CD〉 ※全形態共通

  1. どあほう
  2. 天使ちゃん
  3. ドスとF
  4. わすれもの
  5. my love, my guys
  6. NINJA POP CITY
  7. カラヴィンカ
  8. はれのひ
  9. 猫行灯
  10. 追憶のビュイック

〈DVD「LIVE AT UMEDA TRAD 2024」〉 ※初回限定盤のみ
「GRAPEVINE The Decade Show : Trad Gala」よりライブ映像6曲収録。

  1. 吹曝しのシェヴィ
  2. Time is on your back
  3. Through time
  4. 君を待つ間
  5. 覚醒
  6. Alright


Amazonで購入
タワーレコードで購入
HMVで購入


〈GRAPEVINE TOUR 2025〉
6月21日(土)神戸Harbor Studio
6月22日(日)SOUND SHOWER ark
6月28日(土)広島LIVE VANQUISH
6月29日(日)高松MONSTER
7月4日(金)梅田クラブクアトロ
7月5日(土)名古屋クラブクアトロ
7月10日(木)恵比寿LIQUIDROOM
7月12日(土)金沢EIGHT HALL
7月13日(日)長野CLUB JUNK BOX
7月20日(日)新潟LOTS
7月21日(月)横浜Bay Hall
9月6日(土)福岡DRUM LOGOS
9月7日(日)鹿児島CAPARVOホール
9月13日(土)札幌ペニーレーン24
9月15日(月)仙台Rensa
9月20日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM


〈GRAPEVINE TOUR 2025 extra show〉
8月30日(土)日比谷野外大音楽堂
9月21日(日)名古屋市民会館ビレッジホール
9月23日(火・祝)大阪城音楽堂


GRAPEVINE オフィシャルサイト

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