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INTERVIEW
  • #9mm Parabellum Bullet
  • #アーカイヴ

【特集】9mm Parabellum Bullet 20th × 音楽と人|AL『Dawning』(2013年7月号)

text by 音楽と人編集部


2024年に結成20周年を迎えた9mm Parabellum Bullet。彼らの記念すべき節目にあたり、〈9mm Parabellum Bullet 20th × 音楽と人〉と題し、これまでに発表されたアルバムに関する記事を順次公開していく特別企画。今回は、結成9周年の年に完成した5作目のアルバム『Dawning』のリリース時に行われた、メンバーそれぞれのインタビューより、中村和彦、かみじょうちひろのインタビューをお届けします。

また現在発売中の『音楽と人2025年1月号』では、ギタリスト滝 善充が制作の拠点にしているプライベートスタジオへ赴き、DIYで完成させたこのスタジオのこと、そして彼のミュージシャンシップに迫るドキュメント企画を掲載。ぜひ誌面にてご確認ください。


(これは『音楽と人』2013年7月号に掲載された記事です)


今年結成9周年という、バンドにとってのアニバーサリーイヤーに産み落とされた5枚目のアルバム『Dawning』。収録された13曲すべて、圧倒的なテンションはもちろんだが、ブレのない芯が通っている。何が自分たちの王道なのかなんて、もともといろんな音楽を雑多に取り入れてきたバンドなんだから、はっきりと自覚があるがわけではない。しかしこれをやるんだと腹を括ることが、その時点からバンドの指針となる。それをメンバーがわかっているから、今の9mmは無敵なのだ。菅原、滝、中村、かみじょう。4人それぞれへの個人インタビューで、〈夜明け〉〈はじまり〉と言う意味を持つこのアルバムを徹底的に解剖する!



中村和彦Interview


アルバムが完成してみて、今の気分はどうですか?


「いや、もう素晴らしいなって。アルバムそのもののクオリティにすごく満足していて、大変清々しい気分ですね。前作から2年空いて、去年丸々1年かけてアルバムの制作時間に費やせたので、今までいちばん長く時間をかけて作れたんですよね。それがすごく大きくて。何より、レコーディングまでに少なくともアルバムの半分以上の曲を1回はライヴで手をつけることができたのがよかったです」


ライヴで体現してからレコーディングに臨むというのは、このバンドの性格を考えたらいちばん健康的なやり方だよね。


「うん、そうですね。ずっとそういう流れでアルバムを作りたいとは思ってたんですけど、今まではスケジュール的になかなかできない状況があって。お客さんが目の前にいる状況で新曲を爆音で鳴らして、そこで感じたことをイメージしたままレコーディングできるのって、こんなにいい効果があるんだって思いましたね。それができたからこそ、ここまで満足できるアルバムになったと思うし。この『Dawning』って、実は今まででいちばん9mmらしいアルバムだと思うんですよ」


和彦くんにとって、いちばんの9mmらしさって何ですか?


「いろいろあるけど……自由であることかな」


間違いないと思います。


「あとは、はっちゃけてるということですかね。自由であることと、はっちゃけてること。それが、メンバーもお客さんも共通して感じてる9mmらしさなのかなって思います。それがこのアルバムにすごく濃く出ているなって思うんですよね。『Termination』よりも9mmらしいって思う」


ファーストよりフレッシュな9周年のアルバムになったと。そういうアルバムに〈夜明け〉とか〈新しい始まり〉を意味するタイトルが付いたことについてはどう思いますか?


「このタイトルになったのは、卓郎さんのアイディアで、個人的には最初そんなにピンときてなかったんですけど。でも、夜が明けるという自然現象は誰にも平等に訪れるもので。そこには押し付けるポジティヴさとかはなくて、〈頑張ろうぜ!〉とか、そういう言葉もいらなくて、物事がいい方向に向かっていく始まりとして捉えられる。そういう話を卓郎さんがしてくれている時に、〈なるほど〉って思ったんですよね。このアルバムは、そういう自然なポジティヴさが満載なので、すごく合ってるなと思って。そのポジティヴなオーラというのはフレッシュさにも繋がっているし。それは意識して出そうと思ったものではなくて。激しさのなかに美しさがあった『Movement』や『MTV Unplugged』のアコースティックなアプローチから、爆発するモードに自然といけたからこそ出てきたものなんです。1曲ずつ詰めていくごとに〈ああ、はっちゃけてるな!〉って思ったし」


それがこのバンドの強みだって改めて強く実感したし。


「そうですね。ライヴが顕著ですけど、人前であんなはっちゃけた姿を見せることって、普通の人の感覚ではないことだと思うので(笑)」


誰もができることではないからね(笑)。


「うん(笑)。今こうやって話してる場で、いきなりあの状態になれって言われても絶対に無理ですし(笑)。でも、4人がステージに集まってそこに立てば、怖いものが何もなくなるという。そこで遠慮なくはっちゃけられるのが、このバンドの強みだと思うし、普段の自分の中にずっと眠っているものが解放されているんだと思いますね。それは9mmにとって、すごく大事なものだと思います」


月並みな言葉を当てはめさせてもらえば、その〈大事なもの〉というのは、衝動ということだと思うんです。それって、精神的にも、肉体的にも若い頃のほうが表出しやすいものでもあるじゃないですか。歳を重ねれば、どうしたって人間的に成熟もするし。


「そうですね」


その成熟さが刻まれたのが、前作『Movement』で、今作はそれを経てまたフレッシュな衝動を放つことができたアルバムだとすれば、和彦くんは、なぜ9mmはそれができるんだと思いますか? やっぱりそこには何かしら理由があると思うんだよね。


「なんだろうな……ステージ上のアクションとか状態って、それ自体を見せつけるためにそうなるというよりは、一生懸命演奏をしていたらそうなるという結果なんですよね。だから自分がはっちゃけるのも、曲がそうするように呼んでるからで。すべては曲のせいだと思いますね。曲のはっちゃけてる度合いが強いから、それをステージ上で演奏すると自然とそうなるっていう」


でも、そのはっちゃける度合いの強い曲を作っているのは、自分たちですよね。


「そうですね。なんでそういう曲ができるかは……やっぱり謎なんですよね(笑)」


謎なんだ(笑)。


「謎だけど、それはバンドにとってすごく幸せなことだと思いますね。『Termination』の頃にあった以上のエネルギーを今も持っていられるのは、ホントに幸せだなって。それを維持することのしんどさも感じてないし。どう転んでも9mmは9mmだという根拠のない自信があるんですよね。それがはっちゃけた曲を作れる最大の要因なのかもしれないですね」


歳を重ねるにつれて体力的なしんどさを感じることもないの?


「ああ、それはありますよ(笑)。20代前半の頃よりは、いろいろ身体のケアもしてるし。走り込んだりもそうですけど、整体に行ったりとか。初期の頃は、はっちゃけるというよりも、むちゃくちゃやっていた感じだったんですけど。その頃のツケが今回ってきた感じがあって(笑)」


あはははは! それはあるんだ。


「あの頃は完全にめちゃくちゃやりすぎてたなって。何年か前に腰を痛めた時に、このままじゃ危ないと思って、いろいろケアするようになったんですけど」


10年、20年先も今の力強さを失いたくないと思ってるだろうし。


「うん、思ってますよ。もちろんそうあり続けたい。僕らよりもっと先輩のバンドが暴れている姿を見て、僕たちがその歳になっても、もっともっと暴れてやりたいくらいのことを思ってるし。そのためにも身体のケアはちゃんとしないといけないなって(笑)」


それはミュージシャン人生として貫きたいことだし?


「ミュージシャンとしてもそうだし、男として、みたいなところもありますね。ここまでやってきたからには、このスタイルを貫きたいですよね」


やっぱり以前よりは、10年、20年先の自分をイメージすることも増えましたか?


「そうですね。そんなに深く考えたりはしないですけど、なんとなく将来的なことを考えるようにはなりましたよね。〈自分はどういうベーシストになるんだろう?〉とか。今から9年目を遡っても、こういう状態の自分は想像できなかったから、どうなるかわからないですけどね」


今のバンドの立ち位置やプレイヤーとしての状態は、全然想像できなかった?


「うん、全然想像できなかったですね。今、昔のライヴ映像とか観たり、音源を聴いたりすると、全然演奏できてねぇなとも思うし。もちろん、その時のベストな状態を音源に残しているんですけど、今は、昔は気づかなかった粗い部分にも気づくようになったので。そこはプレイヤーとして成長したところだなと思うし。メンバーそれぞれがOKを出すハードルも上がってるんですよね。それはすごくいいことだと思います」


今はどういうミュージシャンでありたいと思ってますか?


「今思うのは……昔と決定的に違うのは、ずっと誰もマネのできないことをやってやろうと思っていたんですけど、今は逆にマネされたいと思うようになったんです」


いつごろからそう思うようになったの?


「『Movement』から今作の制作にかけてですね。そこは大人になったんですかね」


揺るぎない自信が生まれて。


「そうですね。9mmのコピーバンドがけっこういるみたいで。ラジオの企画で、実際に彼らと触れ合う機会があったんですけど。そういうのもすごく嬉しくて。俺のスタイルを若い子たちが吸収して、自分のものにして、また新しいスタイルが生まれたらいいなって思うんですよね」


ベタな質問ですけど、和彦くんにとって9mmはどういう場所になってますか?


「ホントにどんどん人生の大きな一部分になってきてるので。家族でもないし、友だちでもないし、9mmとしか言い様のない場所なんですよね。自分が音楽的にやりたいことを自由にできる場所であり。曲がカッコよくなるのであれば、何をやっても許されるし、そういう場所ってなかなかないと思うんですよね。そのなかで……インタビューとかでも、〈自分の役割はなんだと思う〉ってよく訊かれるんですけど、まともに答えられたことがないんですよね(笑)」


でもベーシストであり、バンドの末っ子だからこそ、全体を客観的に見ているところもすごくあるでしょう?


「あ、それはあるかもしれません。自分で言うのもなんですけど、自分がいちばんバンドを客観的に見れているなと思う時はありますね。説得力がないかもしれないけど(笑)」


そんなことない。どんな時にそう思う?


「バンドのムードが頭でっかちになっていそうな時とか。曲をカッコよくすることも大事だけど、このバンドで何より大事なのは、気持ちよく演奏することだと思うので。昔の曲を久しぶりにライヴで演奏するってなった時に、どういうノリでやったらいいかわからなくなる時があるんですけど、そういう時は率先して〈気持ちよく演奏しようよ〉みたいなことを言いますね」


今作で和彦くんは、「Grasshopper」と「Caution!!」というストレートなアプローチの2曲を作曲しているけど、これも作品全体を見て、自分はこういう曲を書こうって作った気がするんだよね。


「あ、そうですね。ストレートな曲は自分も好きだし、得意なので。いろんな表情をもった曲があるなかで、ストレートな曲は誰に言われなくても自分に任せられてるんじゃないかと思って(笑)。あとは、こういうストレートなものも俺たちはカッコよく鳴らせるんだよって証明したい気持ちもありましたね。ただ複雑なことをやってるバンドではないですよ、って。やっぱりギミック勝負ではない、ロックバンドとしてのシンプルなダイナミクスもちゃんと提示したいので」


最後にちょっとヤな質問をさせてください。この9年、バンドの終わりを考えたことは一度もないですか?


「いや、考えたことはありますよ。ありますけど……でも、やっぱり9mmはずっと続いていきそうだなって思うんですよね。今は全然終わりは見えてないです。それも根拠のない自信なんですけど。バンドがここまで自由だと、自分はこのバンドがなくなった時に、逆に不自由になるんじゃないかって思うんですよ(笑)」


ああ、それすげえな。


「今、自分の自由を妨げているものは何もないですから。ホントに幸せなんですよね」


文=三宅正一_Onbu

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