心を揺さぶられたり、座右の銘となっている漫画、映画、小説などの1フレーズが誰しもあるはず。自身の中で名言となっている言葉をもとに、その作品について熱く語ってもらう連載コラム『言の葉クローバー』。今回は、キズの来夢が少年時代から愛するマンガ『NARUTO −ナルト−』からの格言を紹介します。
(これは『音楽と人』2024年11月号に掲載された記事です)
漫画『NARUTO −ナルト−』
自分を信じない奴なんかに努力する価値はない!!!
作品紹介
『NARUTO ‐ナルト‐』
著書:岸本斉史
1999年より『週刊少年ジャンプ』にて連載されていた忍者バトルマンガ。木ノ葉隠れの里の問題児・うずまきナルトが、里一番の忍者「火影」になるため奮闘し、成長する姿を描く。コミックスは全世界累計発行部数2億部を超える超人気作。
ずっとこの言葉が心に残っていて。これは『NARUTO ‐ナルト‐』ファンの間では有名なんですけど、熱血漢のガイ先生が教え子のロック・リーに向けて放った言葉です。リーは一人前の忍者になるのにすごい努力してるんだけど、ある時に彼が大きな怪我をしてしまい、もうダメなんじゃないか?って思ってるところにこんな厳しいことを言われたんです。でもこのセリフは当時の自分にもめちゃめちゃ刺さって。たしか小学生か中学に上がるぐらいの頃だったかな。
当時僕はいろんな習い事をやってたんですけど、その中でも格闘技に夢中だったんです。もともと極真空手を幼稚園ぐらいからやってて、とにかく格闘技って勝ち負けの世界じゃないですか。だから負けるってことが何よりも恥ずかしいと思ってたんです。そのぶんすごい努力して強くなって、試合で相手に勝つことができてはじめて自信もついてくる。そういうもんだと思ってて。でも、ガイ先生がリーに言った言葉は逆なんですよ。まずは自分を信じろと。根拠のない自信ってよく言うけど、それがあって初めて努力する意味があるっていう。そのことに気づかされて、少し心が軽くなった記憶があります。あ、まずは自分を信じればいいんだって。
『NARUTO −ナルト−』はそれぞれのキャラクターに惹かれるというか、他のマンガと比べてキャラクターがイキイキしてるんですよ。連載もすごい長く続けてくれて、もはや自分の人生の大部分を占めてる存在ですね。もともとヒーローものが大好きで、とくに最初は弱かったヤツが最強になる物語が好きで。まぁそれって少年ジャンプの王道なんですけどね(笑)。あとは敵キャラとかダークヒーローも好き。母親いわく、子供の頃は敵キャラのフィギュアにしか興味がなかったらしいんで、たぶんそうなんだと思います(笑)。
最近だと『呪術廻戦』とか『チェンソーマン』もけっこう好きですね。でも昔とくらべてセリフがエグくなってるなって。アニメも、〈こんなエグい描写を子供が観てもいいのかな?〉って思っちゃうぐらい。自分がこんなバンドやってて何言ってんだ?って感じですけど(笑)。