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Novel Coreの新曲「No Way Back」と初の武道館を前に挑戦した対バンツアーが示したもの

text by 平林道子

【LIVE REPORT】
WHAT'S THE ROCK TOUR vol.1
2023.10.18 at Zepp DiverCity(TOKYO)



Novel Core & THE WILL RABBITS名義でリリースしたシングル「BYE BYE」に続き、配信リリースされた新曲「No Way Back」。今年春に出演したフェスのステージで芽生えた感情・思いが発端となり制作されたというこの曲は、来年1月に初の日本武道館単独公演を控えているNovel Coreが、改めて自身のアティチュードと覚悟を宣言した内容となっている。現在公開されているMVには、10月18日にZepp DiverCity(TOKYO)で行われた〈WHAT'S THE ROCK TOUR vol.1〉のライヴ映像が収められているのだが、このライヴもまたNovel Coreというアーティストの在り方、アティチュードを改めて確認するものとなっていた。


そこで、武道館公演に向かっていく自分の武者修行も込めて、自身初の試みとして東名阪で開催された対バンツアー〈WHAT'S THE ROCK TOUR vol.1〉のファイナル、東京公演の模様をここで改めて振り返ってみたいと思う。


場内に開演前の注意事項がアナウンスされるも、若干くだけた口調の影アナに〈おや?〉と思ったのも束の間、ステージ袖よりマイクを持ったNovel Coreが登場。今回のツアータイトルに触れ、初の対バンツアーを開催した自身の思いを伝えていく。いわく、ジャンル云々ではなく、さまざまなバックグラウンドを持つ人間が同じ場所に集い、それぞれのやり方で音楽を味わい楽しむ、その瞬間のことを自分はロックであると思っている。だからこそこの対バンツアーに、〈完全ボーダレス〉というテーマを掲げたのだと。オーディエンスと共に、この日を意義あるものにしたいという彼の誠実さが表れたオープニングから、この日の対バン相手であるyamaを呼び込んだ。


「色彩」からライヴをスタートさせたyamaは、バンドメンバーとともに、時にオーディエンスを踊らせ、時に良質なメロディと彼の最大の武器である歌声をじっくりと聴かせていく。中盤、「体力全部をここで使い果たしてほしい」と告げ、会場に集まったオーディエンスのエネルギーをすべて自分に集めるくらいの気概を感じさせるパフォーマンスを展開。Novel Coreがお気に入りの楽曲だと語っていた「くびったけ」では、晴れやかなサウンドに合わせてハンドクラップが巻き起こり、全身に漲るエネルギーを歌声に乗せて、ラストの「slash」を届けていった。


最初のMCで、実はNovel Coreとは今日が初対面だけれど、自分の音楽を好きでこの場に誘ってくれたことがとても嬉しいと話していたyama。リスペクトを持ちながら、全力で挑む。それが相手への礼儀ともいえる、対バンライヴの在り方、臨む姿勢を存分に見せ、次に控えるNovel Coreにバトンを渡したのだった。


ステージ転換によるインターバルを経て、いよいよNovel Coreのライヴが幕を開ける。空想的で実現不可能な夢物語や非現実的な目標の比喩としてよく使われる〈バベルの塔〉が自身のアジトだと唄う「BABEL」から、Novel Coreとして初めて世に放った「Metafiction」と、ロック色の強いトラックのナンバーを畳み掛け、序盤からフロアのボルテージを上げていく。


ハンドクラップと歓声のコール・アンド・レスポンスでオーディエンスと息を合わせた「独創ファンタジスタ」から、タオルスクリューがフロアいっぱいに広がった「BYE BYE」。続く「WAGAMAMA MONDAIJI」では、THE WILL RABBITSのギタリスト、Yuya Kumagaiとステージ前方のお立ち台の上で掛け合いを見せたかと思えば、ステージ前方に身を乗り出してフロアの熱気をより近くで感じていたり、縦横無尽にステージを動き回るNovel Core。その表情からは、誰よりもこの日、この瞬間を楽しんでいるであろうことが伝わってくる。


自身の思いを、心に渦巻く感情を吐き出すためにマイクを持ち、ラップをし始めた彼は、同時に、フラワーカンパニーズなどロックバンドの音楽にも影響を受け(メジャーファーストアルバム『A GREAT FOOL』収録の「PERIOD.」のリリックには、フラカンの名前が出てくる)、学生時代にバンドをやりたかった時期もあったという。そう話してくれた「BYE BYE」のインタビューで、「ここまでたどり着くのに、遠回りをしたかな?と思える道のりだったかもしれないけど、これが最高のルートだった」と言っていたが、信頼できる仲間と一緒に音楽を鳴らし、楽しさを共有できる喜び。それを今、彼はステージに立つたびに実感しているのだろう。


そんな彼が発するエネルギーに呼応するかのごとく、フロアの熱気はオーバーヒート寸前に。「A GREAT FOOL」のアウトロで、「みんな疲れてきたんじゃない? フリースタイルでもやろうか」と、フリースタイルラップを披露し、そこから「DOG -freestyle-」へとなだれ込みラッパーとしての矜持もみせたかと思えば、続く「SORRY, I’M A GENIUS」ではキレのいいダンスも披露。さらに今回のツアーでは、対バン相手に合わせてリアレンジしたナンバーを各会場で1曲プレイしているのだと言い、ギターの旋律と歌のみで「I KNOW IT WOLF」をステージ中央のお立ち台に腰掛け、じっくりと聴かせていく。


THE WILL RABBITSとともに、もはやバンドグルーヴと言ってもいい、幸せな高揚感を生み出したかと思えば、ラップにダンス、さらに情感豊かな歌まで。Novel Coreというアーティストが内包している多彩なスタイルがぎゅっと凝縮されたこの日のステージ。今回彼がこの対バンツアーに〈完全ボーレス〉というテーマを掲げた理由、そして、ひとつのジャンルに収まりきれない音楽性、アーティスト性を持つ自身の在り方を、ここで改めて提示していったのだった。


そしてポップなサウンドとともに、大抵のことは笑い飛ばしていこうよと軽やかに唄う「Green Light」から、この日のラストナンバー「ジェンガ」で、〈出会えた奇跡は消えない 永久に/僕の中で 今 僕らの中で〉とまっすぐに唄い放ち、ステージをあとにした。


アンコールでは、新曲「No Way Back」を披露。ザックザクのギターリフと、思わず拳をあげたくなるコーラスが印象的なナンバーで、自分の中に思い描いた夢を実現させるため、自分の物語をハッピーエンドにするために立ち止まることはないと高らかに宣言する。この曲を、対バンツアーのアンコールで披露してきたのは、彼にとって、このあとに控える武道館はゴールではなく、あくまでも通過点でしかないということを表明する、そんな意味もあったのではないだろうか。 「BYE BYE」のインタビューで、「仲間も増えて、みんなのことを信頼できていて、なおかつ、みんなと一緒に見る未来に対して僕自身がワクワクしてる状態なんです」とも語っていた彼は、新曲「No Way Back」で、自身のアティチュードと覚悟を歌にし、〈WHAT'S THE ROCK TOUR vol.1〉を通して、この先もボーダレスな音楽を鳴らしていく自身の姿勢を示した。初の武道館単独公演まであと2ヵ月。だがすでにNovel Coreの視線は、さらに先を見据えている。


文=平林道子


【SET LIST】

yama

  1. 色彩
  2. あるいは映画のような
  3. いぶき
  4. a.m.3:21
  5. Oz.
  6. 新星
  7. 桃源郷
  8. 麻痺
  9. くびったけ
  10. 春を告げる
  11. ストロボ
  12. slash

Novel Core

  1. BABEL
  2. Metafiction
  3. TROUBLE
  4. FREAK PARADE
  5. JUST NOISE + Stronger MASHUP
  6. iCoN
  7. 独創ファンタジスタ
  8. BYE BYE
  9. WAGAMAMA MONDAIJI
  10. A GREAT FOOL
  11. DOG -freestyle-
  12. SORRY, I'M A GENIUS
  13. I KNOW IT WOLF〈Acoustic ver.〉
  14. Green Light
  15. ジェンガ

ENCORE

  1. No Way Back



NEW DIGITAL SINGLE
「No Way Back」
2023.11.08 RELEASE

「No Way Back」配信サイト

現在〈WHAT'S THE ROCK TOUR vol.1〉のビハインドストーリーが、公式YouTubeチャンネルにて公開中!


〈ONEMAN LIVE -I AM THE- at 日本武道館〉
2024年1月17日(水)日本武道館


Novel Coreオフィシャルサイト

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