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怒髪天・増子直純連載『後輩ノススメ!〜オセー・テ・パイセン♥〜』〜補講編〜 第1回

text by 平林道子

怒髪天・増子直純が、人生の兄貴分・先輩方に教えを乞い、ためになるお言葉を頂戴する本連載。『音楽と人』2023年6月号よりスタートしたこの連載の「補講編」と題して、誌面に収まりきらなかったパイセン方のありがたいお話をWebにて公開していきます。

記念すべき第1回のゲストは、5月11日に〈さよなら中野サンプラザ音楽祭〉で共演を果たしたスターダスト☆レビューのフロントマン、根本要。キャリアも音楽性もまったく違えど、実によく似た部分を持ち合わせていた両者。今回の対話からもわかるように、両バンドに通底する、いかに楽しませ、自分たちも楽しむかをとことん体現した中野サンプラザでのライヴの写真とともに、ぜひお楽しみください!



〈音楽と人2023年6月号のつづき〉


スターダスト☆レビューは、1981年結成、怒髪天の結成は1984年と、どちらも40年近く、ほぼ同じメンバーでバンドを続けていらっしゃるので、やはり後輩のバンドマンから、どうやったら続けられるのか?といった質問をされることも多いかと思うのですが。


根本「必ず聞かれるでしょ? 『どうやったら続けられるんですか?』って」


増子「聞かれますねえ。でもまあ、もはやバンド以外やれるものがないからっていうのもあるし、サグラダ・ファミリアと同じで(笑)、いつまで経っても完成を見ないものですからね、バンドって」


根本「サグラダ・ファミリア!(笑)。確かに、もはやこれ以外できないっていうのはあるよね。それと僕はね、同じメンバーで続けられたのは、他に友達がいなかったからっていうだけのことだと思ってて。きっと下手にひとりだけテクニックがあったり、音楽的才能に長けてるヤツがいたら、〈こいつらとはやってらんねーや〉みたいな感じで、どっかで諦めて出て行くと思うんですよ。でも、僕らみんなドングリの背比べみたいに似たような感じでいるから、ここ以外ないなと思えてたりもするんじゃないかな」


40年以上続くとなると、もはや自分たちの居場所以外の何物でもないですもんね。


根本「もし今出て行くヤツがいたとしたら、〈おまえ気づくの遅すぎない? 何やってたのここまで〉って思う。うちは、デビューしてから13、14年ぐらいでひとりメンバー辞めてるけど、ソロ志向の自分に気づいたんだろうね(笑)。その間、彼はよく頑張ってくれてたし、僕らは感謝しかないんだけど、彼が辞めてからのほうが、もう全然長くなっちゃっているんだよね」


その方とは、周年の時に一緒にステージに立ったりしていて、いまだに関係は続いてますよね。でも、単に演奏がうまいとか、音楽的才能があるから長く一緒にやっていけるものではないというのもバンドという集合体の面白さではありますよね。


増子「上手いとか下手とかはそんな重要じゃなくて、やっぱり一緒にやるのが楽しいっていうのが一番」


それこそ昔ベーシストを探してた時、演奏の上手いベーシストがいいっていう意見もあったけど、増子さんは、人として面白いヤツのほうがいいと言って、シミさん(清水泰次/怒髪天・ベース)を入れたんですよね。


増子「そう。だって、楽器はやり続けてれば、絶対に上手くなるけど、人間性はそんな簡単には変わらないからね」


根本「まったくその通り。あと、やっぱりバンドって〈現状維持でいいや〉と思った瞬間に下がり始めるから、絶えず上を狙っていかないとダメだと思うのね。そうやって、やっと現状維持が出来上がるのかなって思う。その気持ちは、60代半ばになった今でも感じていて」


増子「俺もこれはいつも言ってるんですけど、いいライヴをやっていい曲を作るってことに天井はないんですよね。そのためだけに生きるっていうか」


根本「完成されないものを追いかけること。それを辛いと思っちゃう人もいるかもしれないけど、それを楽しいと思えれば、バンドって続けられると僕は思うんだよね。しかも、そうやってやり続けてきた中で、自分たちの音楽を好きだって言ってくれる人たちが一定数いてくれて、それによって僕らは音楽で飯を食えてたりするわけじゃないですか。こんな幸せなことってないですよ」


増子「いやほんとに」

そういう意味では、スタ☆レビも怒髪天も、お客さんにいかに楽しんでもらうかみたいなことをよく考えているバンドだと思うんですよね。それこそスタ☆レビは、去年デビュー40周年企画として〈東西あわせて108曲 煩悩ライブ〉をさいたまスーパーアリーナと大阪城ホールで開催されていて。


増子「本当にとんでもないよね。東京と大阪合わせて108曲を演奏って、なかなかできるバンドいないですよ。あとメンバーがそこに対応できるっていうのもすごい! うちは、久々の曲だと、タイトルも出てこないヤツがひとりいるから」


根本「ははははは!」


増子「恐ろしいことにイントロ当てクイズやって、1問も正解しなかったんですよ。だからそこは憧れるな」


1問も正解しなかったのは、ドラムの方ですか?(笑)。


増子「そう。ドラムから始まる曲ですら覚えてない。恐ろしいですよ(笑)」


根本「僕らも『じゃあこの曲のリハーサルやろうか』って言って僕だけ違う曲を始めてることもあるよ(笑)。まあ、そういうこともあるんだけど、せっかくそんだけの曲を持ってるんだから、来てくれたお客さんが『これ初めて聴いた!』って言ってくれるような曲があったほうがいいんじゃないかなと思うんですよ。もちろん定番曲はやるわけですよ。定番やらないでそういうことやってると、お客さんいなくなっちゃうから」


自己満足なだけのライヴになってしまうというか。


根本「そうそう。変な話、やっぱり僕らみたいな活動スタイルのバンドは、お客さんが入るか入らないかというのは重要であって。それによって生活できるわけだから、リピーターを大歓迎するわけですよ。となると、その人たちがまた来てくれるために、いろんなことを考えるんですよね。まあ、ほっといてもソールドアウトするライヴをやってたら、きっと僕らもここまでいろいろ企画したりしてなかったかもしれないとは思うけど、やっぱり飽きられないっていうことは、今の僕らのひとつのテーマかなとは思ってたりするかな」

だからこそ、お客さんを楽しませよう、驚かせようっていう気持ちが強くあると。


増子「あとは自分たちも飽きさせないというかね。やっぱり自分たちがバンドを楽しめてるかどうか。それこそ外野から108曲やれって言われたら普通断るでしょ。自分たちが楽しいと思ってないと絶対にできないと思うんですよ」


根本「そう! それを自分たちも楽しんでるところもあるからね。増子くんとは、これまで何度か挨拶程度の会話をしたことはあったけど、しっかり話しするのは初めてで、楽しみにしてたんですよ。でも、ここまでバシッと話が合うとはね。そんな人は初めてですよ」


増子「めちゃくちゃ嬉しい!」


根本「今回こうやってお話するのに、もっと怒髪天を知っておこうと、テイチク時代の僕らのディレクターにお願いして、怒髪天の音源を送ってもらってね」


一時期、レーベルメイトでしたよね。


根本「とりあえず聴けるだけ聴いてきたんだけど、やっぱりロックバンドってある種のこだわりであったり生き様であったり、そういうものを持ってるかどうかが大事で。だからといって、ルール違反はダメだと思うわけ。で、スターダスト☆レビューっていうバンドを表す時、〈華がない〉〈ヒット曲がない〉、あと〈捕まったヤツがいない〉って言うんだけど……怒髪天も捕まったヤツいないよね?」


増子「えっと、刑務所のお世話になったことはないです(笑)」


くくくくく。


根本「やっぱり、ある種の常識を持ちながら、というか、いくらロックバンドだといっても、変にやさぐれちゃったら聴く人も離れていっちゃう気がすると僕は思ってて」


いわゆる人としてのルールをちゃんと守ると。


根本「ロックバンドとして大事なものきちんと持ってる。怒髪天には、それをむちゃくちゃ感じるなぁ。例えば歌詞の作り方とか唄い方にしても、僕も目指してたものはこういうものだったなって、改めて思ったり。しかも、どんな人も受け入れられる音楽的なキャパシティもある。なんでいまいち火がつかないのか、僕にはまったくわからないよ。ちゃんといい音楽を作ってるのに。素晴らしい!」


増子「そんなこと言われたの、JAPAN-狂撃-SPECIAL以来だ(笑)。ここ太字で書いといてね!」



文=平林道子

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