手島宏夢/フィドル
演奏活動を行っていた両親の影響でジャズやブルーグラスなどの音楽を親しむ。バイオリン奏者として活動する傍ら、平日は会社員として働いている。現在はメキシコ在住。
■My Favorite Song「LIFE IS BEAUTIFUL」
以前お仕事でご一緒したプロデューサーの方がgo!go!vanillasの作品もプロデュースされていて、「LIFE IS BEAUTIFUL」「RUN RUN RUN」のレコーディングに参加してもらえないか?というオファーをいただいたのが、彼らとの最初の出会いでした。私自身、やってきた音楽がブルーグラスやカントリーが多かったので、バニラズのことは知らなかったんです。でも聴いてみたら、耳馴染みがよくて歌もすごくうまくて、ストレートに音楽を楽しんでるなという印象を受けて、ぜひ一緒にやってみたいなと素直に思いました。
最初のスタジオの日から、牧くんを中心にみんなで一緒にアイディアを出しながら音づくりをやらせてもらったことをすごく覚えています。現場によっては〈用意したコレを弾いてください〉ということもあると思うんですが、そういう感じではまったくなく。メンバーだけじゃなくて他のサポートの皆さんも、〈こういう感じはどうですか?〉っていうのを丁寧にコミュニケーション取りながら進めてくれたので、疎外感もなかったですし、本当にメンバーのひとりとして見てくれているんだなと感じましたね。
そういう意味でも、やっぱり最初にレコーディングした「LIFE IS BEAUTIFUL」は特に印象に残ってますね。フジロックでも演奏しましたが、その時は進太郎くんが体調不良で参加できなくなってしまって。前日に6人でスタジオに入って打ち合わせして、みんなで逆境を乗り切った思い出がある曲だったので、あらためて大きなステージで進太郎くんも一緒に演奏できたっていうのは、すごくうれしかったですね。
7人でのステージって、フジロックのあとが大阪城ホールだったんですが、その日に台風が来ていて、新幹線が止まったりしてかなりバタバタしていたんですね。特にキーボードの惇志くんは他の現場から駆けつけないといけなくて、結局、車で夜走りして当日の朝に大阪にたどり着いたっていうエピソードがあって。フジロックが全員で立てなかったぶん、みんな病気にもならず台風にも負けず、7人全員が現場に集まれたっていうことですごい盛り上がって一致団結したのを覚えてます。7人でステージに立てた喜びが演奏に表れていると思うので、映像からもそういう雰囲気を感じてもらえるんじゃないかと思います。
今回参加させてもらって、逆境にも負けないメンバー4人の絆をすごく感じましたし、牧くんを中心によりいいものを作っていこうとするパワーがとても強いバンドだなと思いました。昔から何度も演奏している曲って、得てして慣れてしまったり、感情が湧きにくくなってしまうこともあると思うんですけど、決してそういうこともなく、リハの合間も「ここのフレーズが〜」とか「こうしたほうがいいんじゃないか」ということをお互いに話し合って、どんどん進化させていこうとしている。もう10年もやってきているのに、すごいバイタリティだなって感じますね。
最初にお話をもらった時に、まさかフジロックにはじまり、大阪城ホールと日本武道館でも一緒にやらせてもらえるなんて思っていませんでした。なので、本当にgo!go!vanillasには感謝ですね。今は海外赴任中で一緒に演奏することはしばらくできないんですが、長い人生なので、これからまた一緒に音楽をできることがあったらいいなって思います。