ファンファン/トランペット
2011年から2021年までくるりのメンバーとして活動。最近では、20th Century、思い出野郎Aチーム、小山田壮平バンドなどでライヴサポートを務めている。
■My Favorite Song「青いの。」
メンバーと初めて会ったのは、2020年にブルーノート東京でのライヴに参加させていただいた時です。それ以前からバニラズの音楽が好きだったのでよく聴いていました。SNSでもやりとりをしていたので、初対面の時は牧くんが「やっと会えましたね!」と言ってくれたことを覚えています。共通のバンド仲間がいたこともあって、最初から親しみやすさはずっとありましたね。そのあと「LIFE IS BEAUTIFUL」「RUN RUN RUN」のレコーディングに参加させてもらい、フジロックと〈My Favorite Things〉について7人体制でライヴをやりたいというオファーをもらい、二つ返事で引き受けさせていただきました。
ツアーに向けて同じ時間を過ごす中で印象的だったことと言えば、大阪城ホールと武道館という大きな空間で音を届けるにはどうするのがいいか、ということを本番直前までメンバーみんなで模索されていたことですね。例えば、曲間のタイミングやテンポ感ひとつをとっても、当日の移動の車の中でもギリギリまで相談し合っていました。どんな舞台でもひとつのステージであることに変わりはないんですが、やはり大切な公演だったと思いますし、そういった公演に参加できたことはとてもうれしいです。
個人的に「青いの。」がとても好きなので、演奏では参加していませんが、武道館のセットリストの中からお気に入りの1曲をあげるとしたら、この曲ですね。歌詞はもちろん、ギターと鍵盤のキラキラした音色を聴くと、自分が学生だった頃のことを思い出しますし、楽しかったことも辛かった思い出も、すべてが今の自分に繋がっているように思わせてくれます。よくこの曲を聴いて士気を上げていました。リハの時に、イントロをどう聞かせるかなど、4人が細かくいろいろと試していた姿も印象的に残っています。本当に細部までこだわっているので、映像で何度も見返すと、そのたびにいろんな発見があると思います。
トランペットがバンドのサポートで呼ばれる時って、一般的にはサックスとトロンボーンと3管のホーンセクションとして使われることが多かったり、バイオリン(フィドル)という楽器も、カルテットで演奏参加することが多かったりしますよね。でも今回はそうではなく、それぞれ1人のプレイヤーとして招いていただいたことをとても光栄に思いました。演奏について話し合う時も、〈この楽器の音がほしい〉というより、その人が持っているものや気持ちを乗せた音をとことん大切にされていて。私もそれに応えたいと思いましたし、演奏を重ねて、時間を共有していくにつれて、本当に7人バンドのような気持ちになっていきました。他のみんなも同じ気持ちだったんじゃないかな。そういった人と人との繋がりや温かさみたいなものを、牧くんやメンバーは求めていたのかなと感じますね。
これまでいろんなバンドやグループに参加させていただきましたが、バニラズは4人そろった時の無敵感がすごいですね。これぞバンドだな!と、いつも思います。シンプルなことですが、誰かと共に音楽をする面白さ、素晴らしさをあらためて感じさせてもらいました。本当にバニラズのことが大好きなので、これからも応援してます! お互い元気でいようね!