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INTERVIEW
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小林私へ初インタビュー。壁に向かって唄うような音楽と奇抜なライヴパフォーマンスの関係を探る

1対1でメッセージを伝えるのが嫌で。で、僕と同じように1対1が嫌だなって思う人たちに向けつつ、向けなつつ、みたいな気持ちですかね



人は人、自分は自分ってことだと思うんですけど、そういう人がやたらめったら自分を発信してるのはなんでなんでしょうね。


「なんでしょうね。ある種、個から個に言うとそういう感覚になっちゃうけど、個から衆に言うことで責任が分散するような感じがするというか」


「あなたに言ってるわけじゃないですよ」みたいな?


「そうそう。そういう言い訳がたつ、みたいな部分は絶対あると思います」


で、ああいうライヴになると(笑)。


「そう思うと変ですよね(笑)」


だって壁打ちみたいな歌を書いてる人が、どんな感じで人前に立つのかな?って思ったら、いきなりパントマイムから始まるっていうのは、かなり意表を突かれたというか(笑)。


「そうですね。小っちゃい物を引っ張ってましたね(笑)」


だからどういう気持ちでこの人は唄ってるんだろう?って思うわけです。相手に届けたいのか、届けたくないのか。


「こう届いてほしい、みたいなのが曲ごとにあったとしても、それが実際どう届くかはどうしようもないと思ってますかね」


ということは、言いたいことや伝えたいことがあっても、それがどう届くかはコントロールできないし責任も取れないから、パントマイムで小さい物を引っ張ってみると(笑)。


「別に小さい物は引っ張らなくていいと思いますけど」


はははははは。


「僕自身がそうなんですけど、1対1でメッセージを伝えるのが嫌で。で、僕と同じように1対1が嫌だなって思う人たちに向けつつ、向けなつつ、みたいな気持ちですかね」


「向けなつつ」って変な日本語ですね(笑)。


「『向ける』って言いきるのがなんか嫌なんですよ。単純に……自分をぶつける行為が嫌いというか、違うなと感じるので」


でも小林私としてあなたがやってることは、自分を相手にぶつける行為ですよね?


「そうなんですけど、人の曲だったら〈いいな〉って素直に思えるのに、いざそれを自分で作ったりやったりすると〈違うな〉って感じるのと同じように、人と向かい合うことはそんなにスンナリとはいかないというか、難しいなと」


小林さんにとって人間関係は難しいですか?


「難しいんじゃないですか? たぶん。難しくない時もありますけど」


でも難しさを感じてる人の歌ではあります。


「そうですね」


そういう人がいざ人前で歌を披露しようとすると、小さい物を引っ張るっていうパントマイムが必要になってくると。


「めちゃくちゃパントマイムに感銘受けてますね(笑)」


はい(笑)。自分の歌に対しての照れ隠しというか、核心から逸らすというか、そんなふうに見えました。


「たぶん音楽制作と音楽活動が一致してないんでしょうね。曲を作るのは趣味の領域だし、作ってるだけでめちゃくちゃ楽しくて。でも作ったからにはどっかに上げて聴いてもらいたいし、言いたいこともそこにはある。しかも今はそれを観たり聴いたりしてる人が意外といっぱいいて、うわーっていう感情ですね」


じゃあ今は〈うわー〉っていう感情の先にあるものを模索している感じですかね。


「どうなんですかね。でも……僕、基本、感情って破綻してるものだと思ってるので、〈しょうがないよな〉と思いながら生きてるというか」


感情が破綻してるっていうのは?


「例えばこういう取材とかで『なんでこうしたんですか?』『どういう曲なんですか?』って聞かれても、ある程度は筋道たてたことを言えるんですけど、それってその時の感情で言っただけであって、全然そう思ってない時だってある。つまり人間の感情ってロジカルじゃない」


整合性はないですよね。


「だからそこは自分でも仕方ないっていうか。感情って破綻してるものなんで」


そういう不確かなものに向かっていくことの虚しさみたいなものが、小林私の音楽にはあると思いますが。


「そうかもしれないですね」


虚しさとは縁が無さそうなイケメンのツラしてますけどね。


「……イケメンのツラって。〈頭痛が痛い〉みたいな?(笑)」


しまった(笑)。でも言われませんか? あんなに歌もギターも上手いのに……みたいな。


「そこはもう逆に短所ですよね。傍から見て長所な部分を長所として活用するのってけっこう難しいと思ってるので。『キミってカッコいいね』みたいな性的消費をされることで満足できる人はいいと思うけど、そうじゃない人もいて。そこで『こっちは褒めてるんだからいいじゃないか』って言われても、嫌なものは嫌だし」


つまり何に対しても満足できてないし、コンプレックスだらけだと。


「そうですね(笑)」


ていうのを強く感じたライヴで、そこが最高だなって思ったんですよ。


「なるほど、ありがとうございます(笑)」



文=樋口靖幸
写真=藤井拓

小林私 オフィシャルサイト

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