あの頃やってきたことが今にしっかり繋がっているんだなっていうのは改めて感じたよね
ちなみにメンバーブログに、名古屋の1日目で、ライヴ中にシミさんの手が攣ってしまったとありましたが。
増子「それも両手ね。あんなの今までなかったから、かなりヒヤッとしたよ。しかも、機材トラブルと違って、周りがどうこうできることじゃないから」
清水「まあ、なるべくそういうことのないように、いつもより水分多めに摂ったりもしてたし……あと今回は、指弾きの比率がちょっと多かったのもあるんだとは思うんだけど」
増子「指弾きもそうだし、昔の曲って無駄に手数が多いっていうかね。負荷がかかる曲ばっかりなんだよ。しかも昔はライヴ自体も短かったしさ」
当時はワンマンでも、ここまでの曲数をやってなかったでしょうし。
清水「たぶん自分のフレットの押さえ方とか弾き方の問題が大きいんだろうなっていうのを、そこで思って。そのあと弾き方を変えたり、指に負担をかけないように弾くにはどうしたらいいか?っていうのを考えながらのツアーにはなりましたね。だから、まだ完成はしてないけど、次のライヴでは、また新しい弾き方でできるかなと」
再録のレコーディングであったり、今回のツアーを通して、20年前の自分たちの曲にいろいろ教えられたところもあったのかなと、みなさんの話を聞いて思ったりしました。
上原子「なんか昔のアルバムを見てるような感じだったというか。昔の写真って、見てると〈なんでこんな格好して、こんなポーズとってるのかな?〉とか思うじゃない(笑)」
怒髪天の過去のアーティスト写真には、多々そういうところがありますが(笑)。
上原子「そうそう(笑)。曲も同じで、〈なんでこの時はこういうフレーズで曲を書いたんだろう?〉とか、そういうのを改めて確認できたところがあって。今やってもめちゃくちゃカッコいいじゃん!と思うようなところもあれば、〈うわっ恥ずかしい……〉ってところもあったり(笑)、昔は背伸びしてやってたことを、今の自分たちでまたやってみたらどうなるかな?とか思ったり。そういうものを教えられたというか、自分の中の視野が広がった気はしますね」
増子「本当にそれはすごく思うよね。あとやっぱり、あの頃やってきたことが今にしっかり繋がっているんだなっていうのは改めて感じたよね。今の曲は、スキルと経験に基づいて、シンプルに、必要最小限のものでどう組み立てていくかっていうことをやってるんだけど、あの頃、よくわからないなりに足し算や引き算をやってきてさ。それが今の基礎になってる。やっぱり長くバンドやってきたからこそわかることでもあって、ほんと面白いよね」
では最後に、みなさんそれぞれの、8月リリースのライヴ映像作品の〈ここは見所!〉というものを教えてもらってもいいですか?
清水「新旧交えたいろんな楽曲がたっぷり収録されてるんで、昔の曲と最近の曲とで演奏してるみんなの表情の違いとか(笑)、そういうものも含めて観てもらえると嬉しいかな。あとは坂さんのMCですかね(笑)」
増子「坂さんのMCにおける、メンタルの強さはすげぇなっていうのは改めて思ったよね」
上原子「でも〈夏'n ON-DO〉のセリフは、ちょっと残念だったけど」
2日目のアンコール1曲目のセルフカヴァー曲ですね。ドラムソロ前の合いの手的なセリフを坂さんが担当してたわけですが。
増子「もっと明確に発声してほしいよね。しかも本人は、めっちゃウケるつもりで言ってるんだけど、大阪以外、見事なまでにウケなかったし」
清水「坂さんの笑いの腕もまだまだだなってあの時思った(笑)」
増子「そもそも〈夏'n ON-DO〉のドラムソロ、なんであんなに難しくしたの? レコーディングしたの聴いた時、〈これ絶対坂さん、自分の首絞めるだろうな〉って思ったもん」
清水「作ってる時、もっと難しいのをやろうとしてて。『やめなさい』って俺が止めて、あそこまでに抑えたんだから」
増子「まあ、提供曲だし、自分たちのライヴでやるつもりがなかったのもあるんだろうけど、昔から100回に1回しかできないようなフレーズでレコーディングする癖があるよね、坂さんの場合」
あはははは。自分の最高な部分を音源には残したいみたいな。
坂詰「そうそう」
清水「練習してる時は、できてたのにね」
坂詰「まあ曲中のソロとなると、ちゃんと曲に収まる形でやらなきゃいけないのもあってか、緊張感が俄然高まって、〈まさか今日失敗しないだろうな〉と思えば思うほど……(苦笑)」
セリフもプレイも、まごついてしまうと(笑)。
上原子「難しいフレーズを完璧にリズムキープしてやろうとするからっていうのもあるんだろうね」
増子「だから難しく作り過ぎなのよ」
坂詰「でもソロなんで、ちょっとくらい目立ったほうがいいと思うから……」
増子「まあ俺たちとしては、本番でちゃんとできてれば問題ないわけだけども」
坂詰「や、次やる時はバッチリですよ」
増子「もうやることないよ!」
坂詰「あっはっはっは」
ドラムソロとMCで、自分に注目を浴びる時の緊張感というのは違うものですか?
坂詰「うーん、例えばMCは、ひとりもクスリとも言わないのは、自分としてはすごくいいんですよ」
い、いいんですか?
坂詰「うん。それが望みでもあるので」
増子「意味わかんないから!」
清水「ウケないのも好きなんだろうね。坂さんって、シーーーンってなった時、ひとりでクスっと笑う時あるんだよ(笑)。ウケなかった自分が面白すぎて」
でもドラムソロになると、とたんに緊張すると。
坂詰「ドラムソロって、これまでほとんどやったことないんで」
清水「やってるじゃん!(笑)」
くくくく。友康さんはいかがでしょう。
上原子「昔の曲は、演奏的にけっこう面白いことをやってるんで、そこを改めて観て、聴いてもらえると演奏側としてはうれしいですね。あと、〈ハナオコシ〉と〈歪ンダセカイ〉は、個人的に久々にやっていい曲だなと思ったんで、そこが見所ですかね」
「ハナオコシ」は、実は今回再録されてないですよね。
上原子「そうなんだよね。でも再録したいぐらい、ライヴでやっていくなかで、手応えがあって」
増子「やっとできるようになったね」
上原子「うん。バンドとしてやっと今回のライヴで鳴らせた気がしたし、これは今回のツアーでの収穫でもありましたね。なので、〈ハナオコシ〉は特に注目して観てほしいですね」
増子「見所はそうね……音源じゃわからない部分、例えばヴィジュアル面とかね。もう俺が髪を伸ばすこともないから、そのへんを楽しんでもらえたらとは思うかな」
当時のルックスを再現させるというテーマで、髪を伸ばしてましたもんね。長髪もけっこう似合ってましたし、評判よかったんじゃないですか?
増子「や、もう似合う/似合わないとかの問題じゃなくて、顔にかかったりしてほんと鬱陶しいのよ。ツアー終わって、何が嬉しかったって髪が切れる!ってことだったし(笑)。あと特典映像は、なかなか面白いと思うよ。俺らの素の雰囲気というか、それが見えてくるからね」
詳しくは、ぜひ実際の映像を観てもらえたらとは思うのですが、あの特典映像は、バンドの阿吽の呼吸を感じることができるものだなと思いました。
増子「まあ再録した曲たちは、今後そんなにライヴでやることもないと思うし、坂さんが思いっきり違う曲に入ったりする部分も含め(笑)、いろいろレアなものが入ってるから。それ観て一緒に笑ってくれたらいいな」
文=平林道子
写真=菊池茂夫(DYNASTY)
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LIVE INFORMATION
怒髪天 presents 〈YOKOHAMA オトコまえ 2022 "ィヨコハマ!シン・フールズメイト"〉
2022年8月20日(土)F.A.D YOKOHAMA(ワンマン)
2022年8月21日(日)F.A.D YOKOHAMA w/柳家睦&THE RAT BONES
怒髪天 presents 中京イズバーニング 2022 ~おはよう! (ス)パンク~
2022年8月27日(土)名古屋CLUB UPSET(ワンマン)
2022年8月28日(日)名古屋CLUB UPSET w/LAUGHIN' NOSE
ジャンピング乾杯TOUR 2022 ~チキチキ機材車猛レース(法定速度遵守)~
2022年10月8日(土)浜松窓枠 w/フラワーカンパニーズ
2022年10月10日(月/祝)新潟LOTS w/フラワーカンパニーズ
2022年10月15日(土)石巻BLUE RESISTANCE w/フラワーカンパニーズ
2022年10月16日(日)いわきclub SONIC w/フラワーカンパニーズ
ドハツの日 特別公演 "セカン怒インパクト"(ワンマン)
東京・鶯谷 ダンスホール新世紀
2022年10月19日(水)~逃げちゃダメか?逃げちゃダメか?逃げちゃダメか?~
2022年10月20日(木)~笑われたらいいと思うよ(詰)
怒髪天 presents 響都ノ宴 祝!15周年
2022年12月1日(木)・3日(土)・4日(日)・5日(月)京都 磔磔
歳末ライブ "暮れの元気なご挨拶 '22"
2022年12月7日(水)福岡BEAT STATION
2022年12月9日(金)高松DIME
怒髪天×長野CLUB JUNK BOX presents 長野闘季オレリンピック'22
2022年12月29日(木)、30日(金)長野CLUB JUNK BOX