もしこの中に〈これ知らんな〉っていう人がおったら、めちゃくちゃ知ってほしいって思います
次は今作の1曲目に収録されている「1sec. feat. 岡崎体育」です。
「体育くんは普通に仲よしなんですよ。ゲームを一緒にやったりするような間柄で。めちゃくちゃ面白い人ですし、たまに面白ソングとか作らはるけど、これはもう開けてビックリ。めちゃくちゃカッコいいの来た!みたいな。マジでびっくりしました、これ。〈すげぇ!〉っていうLINEをガーーーって送りつけました(笑)」
ヤバイTシャツ屋さんのシングルには、彼が手がけたリミックスバージョンがいつも収録されてますが、それ以上に攻めてるリミックスだなと思いました。
「相当攻めてますよね。今度リミックスのやり方教えてって頼もうかなって思うぐらいビックリして。あと、リスペクトとか愛情みたいなものも感じて。僕のラップが原曲以上にカッコよく聴こえるというか、ラップが上手い人になってる(笑)。たぶんこれってエンジニア的な音の処理を細くしてくれたおかげだと思うんですよ。じゃないとロックのビートで唄ってるラップがここまでカッコよくはならないんで」
そして京都大作戦でもカヴァーしていた「VIBES BY VIBES feat. WANIMA」。これはもう10-FEETへの愛の塊と言いますか――。
「や、これはもうWANIMAの新曲です(笑)」
ははははははは!
「っていうぐらいWANIMAの曲になってますよね」
出だしの歌から原曲にはないオリジナルで。
「ここまで歌を付け足すのもけっこう大変やし、思いとかモチベーションがないと出てこないと思うんですよ。だからすごい愛を感じます。めちゃくちゃうれしかったです」
京都大作戦のステージが恋しくなってしまいますね。彼らと10-FEETがわちゃわちゃしてるシーンとか。
「そういう光景が浮かびますよね。〈10-FEETさん、これっすよね!〉みたいな感じの彼らとか。ホンマに彼ららしさが出てると思います」
WANIMAもそうですけど、たくさんの後輩からもいっぱい愛されてますよね、10-FEETって。
「いやぁ…………やっぱり僕の人柄じゃないっすか?(笑)。あと、僕って天才なんで……すみません、言い過ぎました(笑)」
「Fin feat. クリープハイプ」も、もはやクリープハイプらしい仕上がりというか。
「これもクリープハイプの曲ですね(笑)。彼らに出てもらう予定だった大作戦が延期になった時に『実はこれをやる予定だったんですよ』って、この曲の動画を撮って送ってきてくれたんですね。そういう経緯もあったんで今回お願いしたんですけど、そこからさらにアレンジをガッツリやってくれて。いい男たちなんですよね」
どうして彼らはこの曲をやろうと思ったんでしょうね。
「それはわかんないですけど、でもクリープハイプにやってもらうんやったらこの曲がよかったって思えるぐらいうれしかったです。あと、この曲を僕書いた時って、めっちゃクリープハイプを聴いてたから、もしかしたらその影響みたいなものがあったのかなって」
10-FEETとの意外な親和性というか。
「だから余計にうれしかったです」
そして「JUST A FALES! JUST A HOLE! feat. ヤバイTシャツ屋さん」ですが、これは誌面でわちゃわちゃしてる座談会をお楽しみってことで(笑)。
「そうしましょう(笑)」
ラストは「アンテナラストfeat. G-FREAK FACTORY」です。
「これはもともと彼らがライヴでワンフレーズとかやってくれたりしてて。でも今回オファーするにあたってこちらからのリクエストはしなかったんですけど、後日聞いた話によると、どうやら〈アンテナラスト〉か〈火とリズム〉をやろうっていう話になったらしく」
どっちも彼らの持ち味が出る選曲ですね。
「で、ちょっと面白いエピソードがあって。実は〈アンテナラスト〉って、〈曲できひん曲できひん〉って僕がうなされて寝てる時に、夢の中で〈アンテナラスト〉のBメロをG-FREAKのMoteki(Hiroaki Moteki/ヴォーカル)が唄っとったんですよ(笑)」
TAKUMAくんの夢の中で?
「そう。で、次の日Motekiに電話で『俺の夢の中でMotekiが〈時が悲しみを 道は分かれ~〉って唄ってんけど、俺の夢やし俺の作曲でええんかな?』って聞いて(笑)。めちゃめちゃG-FREAKっぽいメロディやなと思ったんで」
そう言われると確かにG-FREAKっぽいかも(笑)。
「だからこれ聴いて〈ついに本人が唄ってくれた!〉みたいな。夢の中で唄ってただけやのに(笑)。ライヴではワンコーラスぐらいやってくれてたんだけど、やっとフル尺聴けるわ、みたいな感じです」
このコラボによって、より彼らの本質が引き出された印象があります。
「きっとG-FREAKって〈もっとこういうのもやったらカッコいいんじゃないの〉って思うもののさらに上を行くような引き出しを持ってるバンドで。例えばエイジアン・ダブ・ファウンデイションとかレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンみたいなのもやったらカッコいいんじゃないか?とか思ったりするんやけど、それより想定外の意外なものだったり、さらにそれを超えるものを作ったり。この曲もそういうことになってると思います」
そうですね。だからG-FREAK FACTORYに限らず、どの曲もそれぞれコラボしたアーティストの本質みたいなものが10-FEETの楽曲によって引き出されているアルバムだなって。
「それ、めっちゃうれしいじゃないですか。みんなもそう思ってくれたら最高ですね」
このインタビューもそうですけど、この企画に参加したアーティストたちの魅力を10-FEETの楽曲を通して伝えるアルバムになってるというか。
「あぁ、そういうふうに伝わったらいいなっていう思いはありますね。もしこの中に〈これ知らんな〉っていう人がおったら、めちゃくちゃ知ってほしいって思いますもん」
京都大作戦もそうですよね。10-FEETをきっかけにいろんなミュージシャンの魅力に触れることのできる場所。
「そう感じてもらえたらうれしいですね。でもホンマにすごいアルバムを作ってもらったと思います」
文=樋口靖幸
撮影=柏田テツヲ
音楽と人5月号(4/5発売)では、10-FEETとヤバイTシャツ屋さんの座談会、そしてTAKUMAの25周年にまつわるインタビューを掲載。鋭意制作中。ご期待ください。
コラボレーション・アルバム『10-feat』
2022.03.23 RELEASE
■完全生産限定盤(CD+DVD+GOODS)
■初回生産限定盤(CD+DVD)
■通常盤
〈CD〉 ※全形態共通
01 1sec. feat. 岡崎体育
02 VIBES BY VIBES feat. WANIMA
03 シガードッグ feat. 山下康介楽団
04 Fin feat. クリープハイプ
05 ハローフィクサー"CHAGE AND BASS REMIX" feat. Dragon Ash
06 蜃気楼 feat. Hakubi
07 JUST A FALSE! JUST A HOLE! feat. ヤバイTシャツ屋さん
08 goes on feat. 氣志團
09 ヒトリセカイ feat. dustbox
10 アンテナラスト feat. G-FREAK FACTORY
〈DVD〉 ※完全生産限定盤、初回生産限定盤のみ
●「京都大作戦ライブ映像で観る10-feat」
「1sec.」from 京都大作戦2021~中止はもう勘弁してくだ祭(マジで)~ DAY2
「VIBES BY VIBES」from 京都大作戦2021~中止はもう勘弁してくだ祭(マジで)~ DAY1
「シガードッグ」from 京都大作戦2014~束になってかかってきな祭!~ DAY2
「Fin」from 京都大作戦2019~倍返しです!喰らいな祭~ DAY2
「ハローフィクサー」from 京都大作戦2021~中止はもう勘弁してくだ祭(マジで)~ DAY2
「蜃気楼」 from 京都大作戦2021~中止はもう勘弁してくだ祭(マジで)~ DAY2
「JUST A FALSE! JUST A HOLE!」from 京都大作戦2017~心の10電!10執念!10横無尽にはしゃぎな祭!~ DAY1
「goes on」from 京都大作戦2021~中止はもう勘弁してくだ祭(マジで)~ DAY2
「ヒトリセカイ」from京都大作戦2021~中止はもう勘弁してくだ祭(マジで)~ DAY2
「アンテナラスト」from 京都大作戦2019~倍返しです!喰らいな祭~ DAY4