『音楽と人』の編集部員がリレー形式で、自由に発信していくコーナー。エッセイ、コラム、オモシロ企画など、編集部スタッフが日々感じたもの、見たものなどを、それぞれの視点でお届けしていきます。今回の担当である四十路編集者とnoodles・yokoさんが語り合う韓国ドラマコラム第10弾は、〈好きな韓国俳優〜女性編〜〉というテーマで、いろんなドラマ作品について語っております。キャストから作品を辿っていく、そんな韓国ドラマの楽しみ方も見えてくる回となってます。
今回は、好きな韓国俳優〜女性編〜ということで、まずはそれぞれが一番好きな女優さんを挙げてみましょうか。
「OK。好きな女優さん、いっぱいいるんだけど、なかでも一番好きなのは、キム・ゴウンちゃんからな。私、インスタをフォローしてる韓国女優さんが3人いて、彼女とヘリ(Girl’s Day)、ペ・スジの3人が、好きな女優さんTOP3になるんだけど」
その中でも一番が、キム・ゴウンだと。やっぱりきっかけは『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』?
「そう。『〜チーズ・イン・ザ・トラップ』を観て、キム・ゴウンちゃんのこと好きになったし、『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』でヘリのことを好きになって、ドクソン(ヘリが演じてた役)みたいに、自分に素直にまっすぐ生きていきたい!って思ったり(笑)。ドラマきっかけで好きになるんだけど、なかでも今まで自分が観てきたドラマのヒロインの中でも、一番惹かれたし、自分が影響されるくらい、素敵だなって一番思ったのが、ホン・ソルであり、キム・ゴウンちゃん」
なるほど。やっぱりドラマでの役柄が良かった感じですか?
「役柄あってのものなのかもしれないけど、彼女のファッションや雰囲気含めて、すごい可愛いなって。劇中で彼女がつけてた指輪とか可愛いなぁと思って、似たようなやつ欲しいなって思ったりしたし」
その俳優さんが持ってる雰囲気。これってけっこう大事ですよね。キム・ゴウンといえば、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』ですけど、yokoさん全話観ました?
「前にも言ったけど、キム・ゴウン出てるし、絶対観るぞ!と思って見始めたんだけど……途中で挫折しちゃって全話観れてなくて。でも正直、もう1回最初から観てみたいとは思ってる」
確かに、彼女の役が鬼神とか幽霊とか、人間以外の存在も見える設定だから、yokoさんが苦手な幽霊絡みのシーンが多いですよね。でもすごくいいお話だし、再トライしてほしいな。
「かなり泣けるお話だって聞くし、頑張ってもう1回観てみようかな。ちなみにヒラバヤシちゃんは、誰かインスタフォローしてる?」
私も、キム・ゴウンさんとスジちゃんはフォローしてて。あとは、ハン・ジミン、パク・ソダム、シン・ミナ、IU、チョン・ユミ、イ・ソンギョン、それとコン・ヒョジンさん。
「けっこうしてるね! やっぱり一番好きなのは、コン・ヒョジンさんだよね?」
そうです! デビューして20年以上なので、さすがに初期の作品とか出演映画とかまでは、きちんと追えてないけど、2010年以降の出演ドラマは全部観てますね。
「好きになったきっかけのドラマはなんだったの?」
それは『主君の太陽』になるのかな? さっきyokoさんが言ったように、役柄もいいんだけど、劇中のファッションだったり、彼女の雰囲気も含めていいなって思って。それこそコン・ヒョジンさんは、韓国で〈コンブリー(=コン・ヒョジン+ラヴリーの意)〉って愛称があるくらい、愛らしくて、どんな役を演じてても一貫して〈素敵だな〉って思える俳優さんなんですよね。最新作の『椿の花咲く頃』も良かったし。まあ、私の中では〈コン・ヒョジン作品にはずれなし〉と思ってるんですけど(笑)。
「あはははは! でも、こんなこと言うのもアレなんだけど、コン・ヒョジンさんもキム・ゴウンちゃん、ヘリも、いわゆる〈美人〉という顔立ちではないじゃない。本来はさ、ソン・ヘギョとかパク・ミニョンが――」
ああ……。
「ああ……って言わない! 気持ちはわかるけど(笑)。彼女たちは、韓国でもいわゆる〈美人女優〉として人気あるけど、でも今ここで挙げた3人は、人間的魅力も込みで愛らしい女優さんたちだよね。これは私の場合だけど、韓国ドラマに限らず、アメリカドラマとかもそうだなんだけど、共通して好きなのが、正直に生きてる主人公で。だから障害や困難に遭遇したりもするんだけど、常にまっすぐに進んでいく、みたいな。そういう役を、ごく自然に演じられる。そういうふうに思える俳優さんが好きなんだなって思ってて」
役から滲み出てくる、その人の人間性みたいなものを感じて好きになるというか。
「そうだと思う。好きだなって思う俳優って、男性も女性も、整った顔立ちよりも、個性的というか、人間味を感じられる人たちに魅力を感じるんだろうなって思うな」
男性俳優ならオッパ感であったり、女性俳優ならキュートさみたいなものというか。その流れで言うと、2人ともインスタをフォローしてるペ・スジは、〈世界でもっとも美しい顔100人〉に選ばれたりしてる、いわゆる美人とカテゴライズされる俳優ではありますが。
「そうだね。でも韓国の正統派美人というよりは、清純な、ナチュラルビューティーって感じじゃない」
ですね。それこそ、〈国民の初恋〉なんて代名詞を持ってますし。ちなみに、彼女を最初に知った作品は何になりますか?
「最初はね、イ・スンギくんと一緒に出てた『九家の書〜千年に一度の恋〜』だと思うな」
以前、このコラムの時代劇特集で取り上げましたよね。私も『九家の書』が最初でしたね。で、そのあとに映画『建築学概論』を観て、「可愛い!」ってなりました。
「『建築学概論』、本当にいいよね! ヒロインの若い頃の役を演じたんだよね。『あなたが眠っている間に』は観た?」
観ました。イ・ジョンソクが相手役のファンタジー系作品ですけど、二番手的な立ち位置で、チョン・ヘインも出ていて。内容の良かったです。『九家の書』以来となるイ・スンギとの共演作『VAGABOND /バガボンド』は?
「それもまだ観れてない。ハードボイルドな作品だから、気合い入れて観ないとって感じで、なかなか手が伸びず……。でもそのあとに出た『スタートアップ:夢の扉』は、もちろん観たよ」
我らがナム・ジュヒョクとの共演でしたしね! まあこの作品に関しては、ナム・ジュヒョクの回を読んでいただけたら、と(笑)。
「そうね(笑)。あと、私はフォローしてないけど、ヒラバヤシちゃんがインスタフォローしてるIU、シン・ミナもすごい好きだから、この2人についても話してみようか」
そうですね。まずはシン・ミナさんからいきますか。
「なにで知った?」
どっちが先か定かじゃないんですけど、『僕の彼女は九尾狐』か『アラン使道伝』ですね。yokoさんは、『〜九尾狐』ですか?
「そうそう。イ・スンギ作品をいろいろ観ていた時期に出会ったんだけど、2010年の作品だから、もう10年以上前になるんだね。『アラン使道伝』は観てないんだけど、時代劇?」
そうです。シン・ミナは、記憶喪失の幽霊っていう、『〜九尾狐』に続き、また人間じゃない役どころで(笑)。ここでのシン・ミナもほんとキュートでしたね。
「そう! もう〈キュート〉って言葉が、本当にピッタシの女優さんだよね。詳しくは前回を見てもらえたらと思うけど(笑)、やっぱ今、シン・ミナのドラマでぜひ観てほしいのは、『海街チャチャチャ』だよね!」
ですね! で、IUは、K-POP界のトップアーティストでもあるわけですが、俳優としても活躍してますよね。
「IUちゃんをドラマで最初に観たのは『麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』だけど、ここでの彼女が本当に可愛くて。それで次に観たのが『マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜』だったんだけど、これは作品自体もものすごく素晴らしかったし、『麗』とは全然違うキャラの役だけど、その演技もすごく良くて。いい俳優さんになりつつあるよね」
ですね。『プロデューサー』は観ました?
「それはまだ観れてない。キム・スヒョンが出てて、テレビ局が舞台のやつだよね」
そうそう。キム・スヒョンのほかに、映画『猟奇的な彼女』に出てたチャ・テヒョンとコン・ヒョジンさん、それとIUちゃんの4人が主演で。テレビ局が舞台なんで、このドラマを制作したKBSの番組が劇中に出てきたり、テレビ局や番組の裏側を垣間見れる感じもあって、かなり面白かった。まあ〈コン・ヒョジン作品にはずれなし〉なんで(笑)。
「はいはい(笑)。でも設定も含めて面白そうだから、今度ちゃんと観てみようかな。あとチョン・ユミさんもけっこう好きかも。ただドラマ作品は、ちゃんと観れてなくて」
『ユン食堂』(註:海外で韓国食堂を運営するリアルバラエティ番組)で知った感じだ。
「そう。シーズン2には、パク・ソジュンも出てるじゃない」
その縁もあって、『キム秘書はいったい、なぜ?』にカメオ出演してましたよね。パク・ソジュン扮するイ・ヨンジュンの幼馴染み役で。
「そう。この人もナチュラル・ビューティーな人だけど、何か作品観たことある?」
私も同じく『ユン食堂』きっかけで知って、それでたまたまCSでやってた『恋愛の発見』を観ました。
「へえ、誰が出てるの?」
神話のエリックと『九家の書』でスジちゃん扮するヨウルを見守る剣士役だったソンジュン。それと、Netflixオリジナルの『保健教師アン・ウニョン』の2本しか私も観れてないんですけど、そこまでドラマ作品が多い人でもなくて。
「映画中心の女優さんだもんね。映画『82年生まれ、キム・ジヨン』は観た? これ、ずっと観たいと思ってるんだけど、まだ観れてないんだよねえ」
映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』に続いて、コン・ユとの共演作ですね。私、映画も観ましたが、原作本も持ってたりします。
「そうなんだ! これは観ようと思ってるから、内容は聞かないでおく(笑)。あ、そうだ。最近、苦手だったけど好きになった女優さんがいて」
わかった! キム・ダミでしょ?
「正解! 最初『梨泰院クラス』で観た時は全然ダメだったんだけど、『その年、私たちは』を観て、〈苦手だって思っていてごめんなさい!〉って思った(笑)」
ふふふふふ。でもほんと『その年、私たちは』、すごくいいドラマでしたよね!
「キュンとするところはもちろん、切なさもあり、観終わったあとの余韻がしっかり残るような作品だったよね。たぶんこれ、チェ・ウシクくんにとっての代表作になるよね。映画の代表作は『パラサイト』になるんだろうけど、ドラマはこれになるんじゃないかな」
そうなると思います。どちらかというと、脇役でいい味を出すタイプの俳優さんかなって思ってたけど、この作品で十分、主役を張れる人だなと思った……ってちょっと上から目線ですが(笑)。
「あはははは。でもほんと脚本も良かったし、OSTも良かったし。で、話を戻すと、このドラマで、キム・ダミちゃんのこと、いい女優さんだなぁって思ったよね」
私も、『梨泰院クラス』の時は全然惹かれなかったですけど、『その年、私たちは』は役柄も相まって、本当に魅力的な人だなって思いました。
「まだデビュー間もないから、ドラマも2作品しか出てないけど、どちらもヒット作っていうのもすごいよね」
しかも、2018年公開の映画『The Witch 魔女』の主演にオーディションで抜擢されて、それがほぼデビュー作なんですけど、これもヒットしていて。ある意味、何か持ってる俳優さんって感じはありますよね。
「ほんとそう! だからなおさら、次にどんな作品に出るのか気になるなぁ。今後ものすごく注目したい女優さんだね」
ですね。
「今回、好きな女優さんとその作品を紹介してみたけど、こうやってキャストで作品選ぶのが、韓国ドラマを知っていく一番いい方法だと思うよね」
それこそ、キム・ダミみたいに新たに魅力を発見して、今後の出演作品に注目してみたり。
「そうそう。そうやって、またこれからもいい作品に出会っていきたいね!」
文=平林道子
yoko Live Schedule
yoko × keiji 「Lemon Tree」
日付:4月23日(土)
会場:下北沢ニュー風知空知
出演:yoko(noodles)/上野啓示(カミナリグモ)
開場:17:30 開演18:00
前売:3000円+1DRINK 当日:3500円+1DRINK