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【連載コラム】The Songbardsの描写探訪/第3回「探偵」

■探偵カフェに潜入!


歌詞、ありがとうございました。探偵っていう謎多きテーマなだけあって苦戦しましたか?


松原「かなり難しかったですね……一生懸命想像して、自分が追われる側になってみました」


上野「僕は自分が探偵事務所を設立して、もし広告を出すならって視点で考えてみました」


苦戦してる感じが修行感ありますし、それぞれ違った内容で面白かったです。では、実際に探偵業のハウツーを教えていただきましょう。今回お話を聞かせてくださるのは、現役の探偵であり、探偵カフェ〈プログレス〉の店主である鈴木さんです。


鈴木「よろしくお願いします」


2人「よろしくお願いします!」

鈴木さんと記念撮影


せっかくバーに来ているので、ドリンクを飲みながらお話を聞かせてもらいましょう。

上野はトマトジュース、松原はクランベリージュースをオーダー


そもそも2人は探偵にどんなイメージを持ってますか?


松原「世代的には『名探偵コナン』を連想しちゃいます」


鈴木「ああ。ちなみに、探偵からすると探偵業とコナンはまったくの別物なんです。20年以上探偵業をやってるけど、飯食いに行った先で何か事件が起きたこともなければ、謎の大富豪に別荘とか誘われたこともないので」


ははははは。あくまでフィクションですからね。


鈴木「実際の探偵って、ざっくり言えば人生の駆け込み寺のようなものなんです。一生の間に僕らに依頼することも、されることもないのが一番なんですけど(笑)。僕らは警察も弁護士も扱わないこと――いわば隙間産業に対応してるんです」


具体的にはどんなことですか?


鈴木「例えば、浮気が原因で離婚したい人が裁判で有利になるための証拠集めとか。実はですね、ウチのメニューにはいろんな料理やお酒を載せてるんですけど、一番最後のページにはさまざまな調査の料金も載せてるんですよ」

メニューを確認


上野「うわあ、すごい」


松原「いろんな調査内容が載ってる……」


鈴木「盗聴・盗撮調査、ストーカー、人探し、子供の交友関係を調べていじめがないか確かめたり、結婚調査など、あらゆることをやります。メニューに載ってないことでも、法律にひっかからない範囲で証拠を取りたいことや、真実を知りたいことがあれば引き受けます」


例えば浮気調査の場合、どんなふうに調査を進めるんですか?


鈴木「まずは依頼主の目的を知るところから始めます。慰謝料が取りたいのか、それとも離婚がしたいのか。それに応じて手段や必要な証拠も変わってくるので。旦那が浮気して困ってる場合は、旦那の行動パターンなどを聞き出して、浮気相手と会ってるであろう時間を狙って張り込みして、写真や映像で証拠を押さえるんです」


上野「ドラマの世界みたいですね……」


鈴木「で、大切なのはそのあと。調査した結果を報告書にまとめて、それを渡して終わり、というケースもあるけど、報告書をもらったところでどうしたらいいかわからない人には無料のアフターフォローを行うんです。最終的にどうすればその問題に対処できるか、一緒に考えて、ゴールまで一緒に歩いて行くのが探偵。僕らって、わりとまともなことやってるんですよ(笑)」


松原「なんか、想像していたよりもすごく親身ですね」


鈴木「でしょう? 探偵って言うと怪しいイメージを持たれることがほとんどなんですけど、僕らがやってることってあくまでサービス業なんですよ。そんな探偵業へのマイナスなイメージを少しでも払拭できればと思って、この店を始めたんです」


ちなみに、探偵業の拘束時間ってどのくらいですか? 調査内容にもよると思うんですけど。


鈴木「浮気調査の場合、下手したら1日で終わらない人もいて。対象者を尾行していると、気がついたら新幹線に乗っちゃって都内から出てしまうなんてケースもよくあります。例えば●●(とある地名)は東京からのアクセスもいいし、もう浮気やら不倫の温床ですよ」


松原「温床……(笑)」


鈴木「対象者が目の前で目的地までの切符を買ってくれればいいんだけど、そうじゃない場合は行き先が読めないんですよ。そういう時は、依頼主に『最悪●●まで行きそうなんですけど、尾行したほうがいいですか?』って確認をとってから目的地まで尾行します」


上野「尾行って何人体制で行うものなんですか?」


鈴木「ドラマとかの探偵は1人でやってることが多いですよね。でもその場合、いつトイレに行くと思います?」


松原「たしかに(笑)」


鈴木「短時間ならいいですけど、一般的な浮気調査でも基本的には5、6時間かかるんですよ。なので大体3、4人かな」


チームワークも大切だと。では、実際に鈴木さんが製作された報告書を見てみましょう。


(バーには浮気調査の本物の報告書が置いてあり、閲覧も可能。対象者がレストランで食べたメニューもすべて正式名称で記載されていたり、非常に精緻なデータで構成されている)


松原「うわあ、細かい……1冊がすごく分厚いですけど、これで1日分なんですか?」


鈴木「そう、これで1日分。昼に待ち合わせてから、夜別れるまでの模様を全部押さえてます」


上野「写真もすごい鮮明ですね」


鈴木「証拠にならなきゃ意味がないのでね。よくある盗撮用のカメラ(メガネやペンにカメラが内蔵されたもの)じゃなくて、ちゃんとしたビデオカメラで液晶を見て確認しながら撮影してるんですよ」


2人「へえ〜……!」


実際、探偵業についてのお話を聞いてどうでした?


上野「思っていた以上に、すごく寄り添ってくれる感じなんだなって。最初は真実を依頼主に伝えて終わりってイメージだったんですけど、事前の相談やアフターフォローがあるのは意外でした」


松原「僕も親身なことが一番感動しました。探偵の仕事内容をちゃんと知れて、それを徹底的にこなす鈴木さんへのリスペクトもあるんですけど……何より、浮気だったり、悲しいことがあってパニックに陥った人が相談に来れる場所があるのがいいなと思って。そういう場所があることを知れたのも良かったです。まあ、お世話にならないのが一番だと思うんですけど……」


鈴木「そう。何もないのが一番!」


ははははは。じゃあ、ここからは探偵気分を味わうための体験をしましょう。まずは指紋採取から。


鈴木「使う道具は、あらかじめ指紋をつけておいた携帯、アルミの粉末、〈タンポ〉という綿棒のような道具だけです。砂絵と同じ原理で、指紋の上から粉をかけると、指紋の凸凹した部分にだけ粉が残るんです。それで余分な粉を払ってしまえば、指紋だけが浮かび上がります」


上野「ああ、なるほど」


鈴木「浮かび上がってきた指紋で、お店が用意した架空の容疑者リストと照合して犯人を探し出してもらいます」

指紋の見分け方
無事に指紋が浮かび上がってきたあと、ファイルを照合しながら犯人を探し出す2人


上野「この人は近いけど、ちょっと違う気もする……あ、でもこの人かも」


松原「俺はこの人かな……」


鈴木「お、2人とも正解です!」


5分も経ってないのに正解なんて、だいぶ早いほうじゃないですか?


鈴木「相当早いですね! どちらかと言うと、女性のほうが探し当てるの早いんですけど、男性でしかも2人揃って正解というのはすごいです」


松原「やったー!」


ここでまた一つ2人の才能が開花しましたね。


上野「日常生活でやることはまずないですけどね(笑)」


鈴木「この調子で次の体験に行きましょう!」


(続いて盗聴器発見調査を行うことに)


鈴木「こちらがいわゆる盗聴発見器で、正式名称はマルチバンドレシーバーといいます。わかりやすく言うと、街中を走ってるタクシーの無線だったり、家庭にあるコードレスホンとか、あらゆる電波を拾える超高性能ラジオみたいなものです。これを盗聴器の傍に近づけるとハウリングが起きるので、それを活かして盗聴器を見つけ出してもらいます」


まずは上野さんからやってみますか。


上野「はい!」


鈴木「上野さんには一旦店の外に出てもらって、その間に僕が盗聴器を隠しちゃいます。そのあと店の中に戻って、盗聴発見器をいろんなところにかざしてもらいます。盗聴器の傍にたどり着くことができれば、盗聴発見器から音がしますので」


上野「わかりました。ドキドキする……」


(店に戻ってきた上野が、盗聴発見器を片手に店内を行ったり来たり。しかし、なかなかハウリングが起きない)


松原「ははははは。惜しいのにな〜」


鈴木「これね、隠し場所を知ってる側のほうが見ていて面白いんですよ。あと、不思議と盗聴器があるところには近づかないんですよね……」


たしかに。なぜかそこだけ避けていますね。


鈴木「ちょっとヒントを出します。この冷蔵庫の周りだけ探してもらえば大丈夫です!」

大ヒントをもらったものの、まだ見つからない


上野「え〜! どこやろう……僕、日頃から物探すのが苦手なんですよね。だから物を失くしたら終わりなタイプで」


(ついにハウリングが起きる)


一同「おお!」


上野「やっと見つかった……いやあ、難しい!」


(続いて松原が挑戦。先ほどと同じように一旦店の外に出てもらい、そのあと店内を探索)


松原「これ、見つからないと精神的に来るな……いっそみんなの反応を見ながら探したほうが早いかも」


上野「はははははは」


鈴木「やっぱり盗聴器の傍だけ避けちゃうんですよね……なんでだろう。ヒントは壁面です!」


松原「壁面……⁉︎」

壁周辺を念入りに探すも、なかなか見つからない


鈴木「ほんと、見事に避けますね」


上野「有志、俺の顔を見て探そうとするな(笑)」


ははははは。上野さんも松原さんも盗聴器の発見は苦手、と(笑)。


(ついにハウリングが起きる)


松原「ここか! え〜、ここら辺めっちゃ探したはずやのに……」


鈴木「ちなみに実際に盗聴器を探す時って、わざわざこんなことしないんですよ」


2人「えっ……」


鈴木「もっと簡単なやり方があるんです。スマホから何か音楽を流して、それを持ち歩きながら探すんです。そうすれば、盗聴器に近づくと音楽が大きくなったり、わかりやすい変化が出てくるので」


上野「そういう時に使う曲って決まってるんですか?」


鈴木「決まってないけど、いっそ作っちゃったら? そういう時に使う曲を作るとしたら、ずーっとサビが続いてるほうがいいです。AメロBメロとか強弱があると逆にわかりづらいので」


松原「ははははは! 作っちゃおうかな、盗聴器発見のテーマ(笑)」

体験を終えて、歌詞はどう変わったのか

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