ひさびさに3人で「サブタレニアン・ベイビー・ブルース」を合わせた時、〈あ、戻ってきたな、DOES〉って思いましたね、純粋に
なるほど。ちなみに夏の終わりに、「道楽心情」のレコーディングに入ったということだけども、3人での作業というのも、かなり久々のことだったのでは?
赤塚「それこそライヴよりも、レコーディングのほうがかなり久しぶりだった(笑)」
氏原「『こうやって録ってたよなぁ』って普通にポロっと口に出たし、懐かしい感じがかなりあったけど、お互いに歳をとったし、それなりに成長しているところもあるんで、余裕がありましたね」
赤塚「昔は、てっぺん超えとか普通だったよね」
氏原「そう。根性録りしてたもん(笑)」
根性録り(笑)。前は日付変わるまで作業してることもザラだったけど、今回は、そこまで根を詰めることなく。
氏原「もちろん、ちゃんと気合い入れて演奏はするけれども、曲タイトルの〈道楽心情〉じゃないけど、俺たちがまず楽しむってことを大事したかったんですよね。コロナ禍だし、やっぱり聴いた人の勇気づけになるような、元気が出るような曲にしたかったから、根詰めすぎて取り掛かったら重い音楽になりがちになるなと思ってね」
確かに、そういう空気というのは、演奏や声にも反映されるものですからね。
氏原「そうそう。だから、なるべく明るく楽しくやって、それを録ってパッケージングしようよってメンバーにも話したし、そこはけっこう気をつけてプロデュースしましたね」
久々のレコーディングに臨むにあたって、楽しもうっていう気持ちが3人に共通してあったと。そして今回のライヴでは、シングルに収録された3曲をライヴで初披露したわけでしたが、いかがでしたか?
氏原「いや、なかなかハードルが高い(笑)。音数も多いし。作り手としてやりやすいようには作ってるんですけど、まだ身体に馴染んでないというか」
赤塚「うん、それはデカイ」
氏原「やってる時は無我夢中なんですけど、やっぱり人前でやってこそ、曲が自分の中に染み込むっていうのがあるんですよ。それがまるでない状態、しかも観客がいない状態だったので、いろいろ戸惑いましたよね。もちろん、久しぶりのライヴとはいえ、これまでの経験上、ある程度のことは予想してはいるんだけど、それ以上ではあったかな(苦笑)」
いちおう、事前にリハスタで練習を重ねてきたけど、いざ本番はまた違ったと(笑)。
森田「リハスタでも、なかなか身体に染み付かんわー!!みたいな感じだったけど(笑)」
氏原「でもやっぱりたくさん練習したからかな。必死だったけど、ちゃんとできた感じもあったし、そのがむしゃらな熱量が、今回の映像に封じ込められてるんじゃないかなって思うな」
収録順にシングルの3曲を続けて披露して、最新型のDOESをちゃんと見せたあと、インディーズ時代に発表された極初期のナンバーである「赤いサンデー」に繋がるのもよかったです。
赤塚「最新作から、初期も初期の曲っていう落差(笑)」
この流れは、DOESのこれまでとこれからという、今回のセットリストを象徴するものになってたなと思います。「道楽心情」や『銀魂』を通してDOESを知った人にとってはバンドの歴史を、ずっとDOESを応援してきた人たちにとっては、今までの歩みと新たな未来をみせてくれてるような内容になってるなと。
氏原「そうですね。そこはすごく意識しました。去年、幻に終わった〈(R)evolution #0〉のセットリストを主軸に今回組んで。そこから、〈道楽心情〉セクションが新たに加わったけど、自分たちが聴かせたい、届けたいものを選んだというか。だから今まで支えてくれたファンも喜んでくれると思うし、〈道楽心情〉をキッカケにファンになってくれた方々にもDOESというバンドが、きっとわかるような届き方になるんじゃないかなと思います」
個人的には、「サブタレニアン・ベイビー・ブルース」のイントロを聴いた瞬間、急にグッときちゃって。なんか〈ああ、本当にDOESが復活したんだな〉って実感したというか。
氏原「僕個人としても〈サブタレニアン・ベイビー・ブルース〉は、やっててDOESっぽいなって思うんですよ。あの頃のことを思い出すし、自然と身体も動くし。だからリハスタに入って、ひさびさに3人でこの曲を合わせた時も、〈あ、戻ってきたな、DOES〉って思いましたもんね、純粋に」
さらに後半。これはオフィシャルのライヴレポにも書いたけど、後半に向かってどんどんドライヴ感が増していって、〈これじゃん、DOESのライヴって!〉と思いましたよね。
赤塚「うん、僕もやりながらそう思ってました。これだ、これこれ!って」
森田「後半につれて、ライヴって本当に生き物だなっていうのを感じたというか。面白かった」
とくにラスト3曲の爆発力がすごかった。
氏原「〈修羅〉〈曇天〉〈バクチ・ダンサー〉って3曲並びとか、普段なら絶対やらないですからね!」
森田「絶対やんない。どれもパワーが強い曲だしね」
氏原「おかしくなっちゃうよな」
プレイ的に大変っていうこと?
氏原「いや、持っていかれるんですよ。転がっちゃう感じというか、自分たちが巻き込まれていく感じがあって。だからカオスになるんですよ(笑)」
それもあって、最後はみんなあの状態だったのか(笑)。
森田「持っていかれたあとです、あれは(笑)」
このラストの3曲は、いずれも『銀魂』にゆかりのある曲ですが、タイアップ云々とか関係なく、純粋に楽曲としての強さがあって、時代に左右されない普遍性を持ったロックナンバーだなと、今回のライヴを観て改めて思いましたよね。
氏原「おお、嬉しいです」
赤塚「そう言われて、〈修羅〉を初めて聴いた時の感覚を思い出しましたね。もう12、13年前か。一聴してすごい曲だと思ったし、そう思ったDOESの曲は、例外なく世の中にちゃんと伝わってると自信もって言えますよね」
氏原「あと〈修羅〉〈曇天〉〈バクチ・ダンサー〉は、今回の〈道楽心情〉みたいに『銀魂』のために書き下ろしたわけではなくて、もともとは、バンドのため、自分のために作った曲で。それを『銀魂』チームがいいと言ってアニメで使ってくれたこともそうだし、若いバンドマンとかから、バンドを始めた頃に〈曇天〉をよく弾いてたっていう話を聞いたりすると、やっぱすごく嬉しいし、作ってよかったな、バンドやってきてよかったなって思いますよね」
1年越しの復活ライヴを今回行うことができて、ようやくここから本格的に再始動となりますね。
赤塚「そうですね。今回、収録配信という形ではあったけど、こうやってライヴができて本当によかったなって思います」
氏原「画面の向こうでもちゃんと生きてるぜ、って伝えられることができたしね。本当に観てくれた人はありがたいです。まだの人は、ぜひ観てほしいですね。とくに今はネットワークがすごく発達して、どんな場所でも観れたり聴けたりするから、DOESっていう存在をいつでもそばに置いていてほしいなって思います」
次に〈(R)evolution #1〉をいつやれるか、なかなか見えない状況ではありますが、まずは新たな一歩を踏み出したバンドの姿を見れてよかったです。
氏原「昔みたいにがむしゃらな感じじゃないかもしれないけど、でも昔よりも、より音楽的に、人間的にステージで伝えることもできると今なら思うんです。新曲のアイディアもたくさんあるんで、2021年度のDOESのサウンドを期待していてほしいし、いつかやれるであろう〈(R)evolution #1〉を楽しみにしていてほしいですね」
文=平林道子
写真=新保勇樹
【SET LIST】
DOES 〈(R)evolution #0.5〉@渋谷ストリームホール
2021.04.01(無観客収録配信ライヴ)
01 明日は来るのか
02 KNOW KNOW KNOW
03 サブタレニアン・ベイビー・ブルース
04 ジャック・ナイフ
05 僕たちの季節
06 トーチ・ライター
07 三月
08 道楽心情
09 ブレイクダウン
10 斬り結び
11 赤いサンデー
12 S.O.S.O
13 夜明け前
14 修羅
15 曇天
16 バクチ・ダンサー
〈(R)evolution #0.5 〉アーカイヴ配信情報
2021年4月8日(木)23:59までアーカイヴ配信中
e+ https://eplus.jp/does/st/
ローチケZAIKO https://l-tike.com/doesstreaming
【TICKET料金】
歌詞字幕付き ¥3,500 (TAX IN)
歌詞字幕無し ¥3,500 (TAX IN)
チケット受付 : 2021年4月8日(木)21:00まで
DOES オフィシャルサイト https://www.doesdoesdoes.com/