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INTERVIEW
  • #アイナ・ジ・エンド
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アイナ・ジ・エンド、全詞曲をみずから手掛けた1stソロアルバムに刻んだ思いについて

音に合わせて踊ることを知って、踊りが生きがいになって。そこには常に音楽があって。だから嬉しいです、音楽を今自分でも作れてることが



言葉で人とコミュニケーションをとることに対する苦手意識が、アイナさんにはずっとあったわけですね。


「はい。今もめっちゃ下手だなと思いながら喋ってます(苦笑)。もうホントにカッコいいこととか何も言えなくて申し訳ないんですけど……」


いやいやいや、大丈夫。


「そういうのが自分の根底にあるから、だから踊りに逃げてたんですよね。でも今回は、絶対言葉にも責任を持ったものにしたいっていうのがあって。自信のなさとかも1回全部出してみようって思ったんです。私はこうでしかないんだ、みたいな」


それって、アイナさんの中で大きな変化だったのではないですか。


「そうですね。『私は苦手なんです』って言って、BiSHでもできるだけ喋らずテレビ収録とか終えたかった時期もあったんですけど、やっぱり自分が考えた振り付けについて、誰かに語られてる時に、〈いや、そうじゃない〉とか心の中で思ったりして……それってダメじゃないですか。自分で作った振り付けは自分で責任持って説明したいし、自分で作った歌は責任持って誰かに届けたい。そう思えたのは、やっぱりBiSHを続けてきたからなんですよね。でも、ホント今回は、自分の中でもかなりの挑戦でした」


曲を書くという作業って、自分の中にある感情や考えていることを、歌詞やメロディという形にして確認できたりするものだと思うのですが、アルバムの制作を通して、〈あ、こういうことだったんだ〉とか、自分のなかで何か気づいたことや確認したことってありますか?


「まあ出来上がったのを聴いた時に、暗がりにいたんだろうな、この時期は、みたいなことは感じましたかね」


ほう。


「今は、そこからはちょっと抜けてるんですけど。とくに〈虹〉とか〈粧し込んだ日にかぎって〉、〈ハロウ〉を作ってた時は、普通にしててもずっと心臓が痛くて。寝るとすごいバクバクバクってなっちゃって、怖くて涙も止まらなくて。で、病院に行ったりしたんですけど、何も異常はなくて『精神科に行ったほうがいい』って言われたり。手が震えるとかはよくあったんですけど、心臓がずっと痛いのは初めてで」


いわゆる動悸がずっとあったわけですね。


「そうです。まあそれは、友達が自殺未遂をしてしまったのがきっかけなんですけど……それで心がバグっちゃったんだろうなって」


BiSHの『LETTERS』の取材の際に、自粛期間中から、大切な人たちが病まないようにってことをずっと考えていた、とおっしゃっていたんですけど、そういうこともあってのことだったんですね。


「ずっとそういう前兆があったんで何人かで集まって見張ってたんですよね。けど、もう大丈夫かなって目を離しちゃった隙に……。今は、まあ後遺症はあるけど、ちゃんと生きてくれてはいるんでよかったんですけど、やっぱりけっこうしんどくて。その時期に作ったのが、〈粧し込んだ日にかぎって〉なんですけど、Aメロのあとの〈あぁ。あぁ〉とだけ唄ってる部分は、もうメロディも歌詞も考えられない、みたいな感じだったんですよね。で、結果的にそれをそのまま残して」


この部分は非常にエモーショナルですよね。


「もうあんまりその時の感情とかは覚えてないんですけど、この曲はホント泣きながら作ってました。あとこの曲は、私のなかでは一番自分が避けてた表現を使っているんですよね」


というのは?


「〈〇〇しよう〉とか〈〇〇だ〉っていう歌詞が苦手で。そういう歌を聴くのは好きなんですけど、自分が唄うのは苦手だったんです。でも、このタイミングでこういう歌に挑戦しなかったら、逆にいつするんだろうと思って」


サビで〈煩わしいなら 言葉捨てよう/苦しいならば 秤捨てよう〉〈汚らわしいなら 夜に逃げよう/寂しいならば ここを出よう〉と唄っていますよね。


「はい。もう二度とああいうことをしてほしくないっていう気持ちで、ちょっとおこがましいですけど、そういう言葉を使ったりしました。だから、いつかその友達が安定したら、『これ、あなたに書いたよ』って聴かせたいなとは思ってます」


アイナさん自身も、そういう言葉を求めていたところもあったんですかね。


「たぶんそうだったんだと思います。自分が救われたいって気持ちも、きっと無意識のうちにあったんだろうなとは思いますね、すごく」


行き場のない思いであったり気持ちを、曲を作ることで吐き出してる気がする、ってことも以前のインタビューでは言ってたんですけど、自分の中でどうにも処理しきれない感情であったりを曲にすることで、少しだけ消化することができる、自浄作用みたいなところもあったりするのかもしれないですね、曲を作るということが。


「ああ、心臓が痛かったのも、曲を作り終えたら少し治ってきたし、そういうのはあると思います。あと、悲しいこととか辛かったこと、例えば『こういうことを言われてすごいヘコんだんだ』とか、やっぱり誰かに言ったり、相談すると少し楽になるじゃないですか。でもそれがもったいないなっていうのがあって。溜め込んで自分でもしんどいなってなった時に出てくるものを曲にしたいって思って作ってたりしていたんですよね。けど、それにちょっと疲れてきちゃったりもして」


けっこう痛みを伴う作業でもありますからね。


「それで、シンプルに幸せな気持ちの歌を書きたいなと思って作ったのが〈サボテンガール〉で。これは、親友と夜道を歩いてて、『電車なんか乗らずに、このままふたりで歩いて帰ったらいいじゃん』って言われたことがすごく嬉しくて。まあその子もけっこう辛いことを経験していて、不安定な時期もあったんですけど、今はホントに落ち着いてて。『電車なんか乗らないで今日は2人で歩いて帰ろう』っていう何気ないひと言なんだけど、その子に言われたことが、なんか嬉しかったから、これを曲にしたいなって」


それは、以前の彼女のことも知ってるから、余計そう思えたというのはあるのかな。


「そうですね。で、この曲を妹に聴かせたら『自分も友達に唄いたいって思ったよ』って言ってくれたりしたのも嬉しかったし。まあ、世間に響くかはわからないですけど、友達と妹に響いたらいいか、みたいな感じです」


今こうやって話してて思ったのは、アイナさんの歌の根底には、落ち込んでいる自分であったり、自分の近くにいる大事な人に寄り添いたいという気持ちがあるのかなってことで。さらに言えば、アイナさんにとって音楽っていうものは、寄り添ってくれてるものだという感覚が強くあるのかなと。


「ありますね。ちっちゃい時から喋るよりも音楽のほうが身近にあったというか。やっぱり音楽があるから、ずっと踊ってきたし。だからですかね、身近なところに向けた歌が多いのも。そういうのはあるかもしれないです」


ああ、なるほどね。踊りがあっての音楽じゃなくて、音楽があっての踊り。


「はい。ビートを知って、音色を知って、音に合わせて踊ることを知って、踊りが生きがいになって。そこには常に音楽があって。だから嬉しいです、その音楽を今こうやって自分でも作れてることが」


BiSHのアイナ・ジ・エンドとしての活動も、もちろん今後も続いていくと思うのですが、いちシンガーソングライターであるアイナ・ジ・エンドとしての歩みが、ここから始まりますね。ご自身の実感としてはいかがですか?


「個人的には、そんな実感はなかったんですけど、渋谷にでっかい広告を出してもらって、それを友達と見に行った時に『やっとここまできたね!』って言われて、ちょっとびっくりして。そう言われて、〈そっか、ずっとソロを待っててくれてた人もいるのか〉と思ったというか。待っててくれた人がいるのを忘れてました。BiSHに必死すぎて(笑)」


前に、BiSHを続けてきて、ようやく自分の中の軸ができてきた気がするとおっしゃってたのですが、それがあるからこそソロもしっかりやろうとなれたところもあるんですかね。


「はい、あります。BiSHの時はやっぱりみんながいてくれるから甘えられるし、逆にみんなのことをしっかり見ていたいから、自分のことはできて当たり前精神がすごく強いんですよね。ただひとりになった途端に全部それがなくなるんで、これからはBiSHで、もう少し自分の中の軸を固めていって、ひとりになってもその固い芯を持って唄えるようにしていきたいっていうのが課題です。とりあえず頑張っていきたいです」



文=平林道子
撮影=岡田貴之


FIRST ALBUM『THE END』
2020.02.03 RELEASE

■初回生産限定盤(2CD+Blu-ray)
■Music盤
■CD盤

〈CD〉 ※全形態共通
01 金木犀
02 虹
03 NaNa
04 粧し込んだ日にかぎって
05 ハロウ
06 きえないで
07 日々
08 STEP by STEP
09 静的情夜
10 死にたい夜にかぎって
11 サボテンガール
12 スイカ

〈CD Disc2〉 ※初回生産限定盤、Music盤のみ
AiNA WORKS
アイナ・ジ・エンドがこれまでfeat.等で参加してきた楽曲を1枚に収録したCD
01. 20-CRY- / アイナ・ジ・エンド [from 加藤ミリヤトリビュートアルバム”INSPIRE”]
02. 不便な可愛げ feat.アイナ・ジ・エンド / ジェニーハイ
03. 光の涯 feat.アイナ・ジ・エンド  / SUGIZO
04. SING-A-LONG feat.アイナ・ジ・エンド / DISH//
05. 2 FACE / MY FIRST STORY
06. Bacteria / SEXFRiEND [from“hide TRIBUTE IMPULSE”]
07. 偽りのシンパシー [Vocal:アイナ・ジ・エンド] / MONDO GROSSO
08. パート・オブ・ユア・ワールド / アイナ・ジ・エンド [from ”Thank You Disney”]
09. Break The Doors feat.アイナ・ジ・エンド / TeddyLoid
10. TO THE END feat. アイナ・ジ・エンド / TeddyLoid

〈Blu-ray〉 ※初回生産限定盤のみ
◯a-nation 2020
01 スパーク
02 死にたい夜にかぎって
03 きえないで
◯HINA-MATSURI 2020
01 SMACK baby SMACK
02 きえないで
◯GREEN ROOM FESTIVAL’18
01 偽りのシンパシー [Vocal:アイナ・ジ・エンド] / MONDO GROSSO
02 光 [Vocal:アイナ・ジ・エンド] / MONDO GROSSO
◯Music Video
01 金木犀
02 虹
03 死にたい夜にかぎって
04 きえないで
◯スペシャルコンテンツ「アイナのすべて」

HMVで購入

Amazonで購入

TOWER RECORDSで購入

Download/Streaming


アイナ・ジ・エンド オフィシャルサイト https://ainatheend.jp/

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