NITRODAYのヴォーカル&ギター小室ぺいが、自身が気になったものを独自の視点で綴っていくWEB連載。2020年最後のコラムであり、今回で最終回となります。これまでありがとうございました。これからもコトバと共に――。
最終回「羅針盤…みたいだね。」
ふゎ〜
(ニャ、nya……)
帯電した隙間風のような音
猫があくびをしている。猫は死を知っているだろうか。知っている猫とそうでない猫がいるかもしれない。もし死を思って泣いた猫がいたとしたら、いつか見た虹は彼の涙だったんだ、そんな気がする。
世界を受容するフィルタの一つとして言葉がある。もしも自分が言葉を知らなかったらという思考は開始すらできない。猫に生まれ変わるほかは、先のように言葉を以てそのifを想像するしか僕には手が分からない。
コトバガ、アタリマエニ、大事な世界で生きてきたのだ。
大事なのはきっと大昔に言葉が作られた時からで、そこには言葉になる以前の、わかりたい/わかられたいの気持ちがあったのだろう。それはおそらく今も変わらず、言葉は、言語化できないコミュニケーションの欲が変換されたものとして存在していると言える。
反対側の岸から光を当てるならばもしかすると、僕たちが言葉を使い続ける限り相互理解の神はそれを見放さないでいてくれる。
そんな人類普遍の、ひとりひとりの財産に思いを馳せながらこの連載の最後をつづろうと思う。
そう、最後。
始まって21ヶ月。これまで色んなことを書いてきましたがとても良い体験でした。
僕は物を書いたり、人と話したりという過程の中で気づきを得ます。ピタリとくる言葉を見つけ世界をふちどっていくことができる。
これからも。ずっと、ずっと、ずーっと。
「羅針盤みたいだね」って口に出して言いたい。
それではありがとうございました。
またいつか会えれば嬉しいです。
Information
大晦日に突然少年とのライヴが決定!
12月31日 at下北沢SHELTER
突然少年企画「魂の味2020」
OPEN16:30 START17:00
※50人限定、有観客
※配信有り(YouTube生配信)
チケット:下北沢SHELTERのHPにて予約
https://loft-prj.co.jp/schedule/shelter/164070
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