【LIVE REPORT】
UKFC in the Air
2020.08.28 (無観客生配信ライヴ)
UKプロジェクト代表の遠藤幸一と芦沢ムネトによる開幕宣言のあと、TOTALFAT・Shun、BIGMAMA・金井政人&東出真緒が登場。トップバッターを務める予定だったSPiCYSOLの出演見合わせをうけて急きょ決定したコラボで、「助け合ってこそ家族」というShunの言葉どおり、後輩の思いを引き受けた3人は温かい歌声と演奏で「Coral」をカヴァー。UKFC=FAMILY CONFERENCE(家族会議)にふさわしい幕開けとなった。
BIGMAMA
初年度から皆勤賞のBIGMAMAが今年のFRONTIER STAGEの1組目。「今日という日を特別な日に」という金井の言葉から「SPECIALS」、ダンスビートの「MUTOPIA」、ロックとクラシックを融合した「荒狂曲"シンセカイ"」と、初っ端からバンドの裾野の広さとオリジナリティを見せつける。MCは少なめに無駄のないパフォーマンスで、次々と曲を披露し、「美しき我が人生を」というフレーズが印象的な新曲「The Naked King」から、ラストはRX-RECORDSで初リリースした作品に収録されている「CPX」。バンドの最新型と、UKFCを長く愛してくれる人たちへの思いが交差したステージだった。
postman
2年ぶり2度目の出演のpostmanは、7月にRX-RECORDSよりリリースした初のフルアルバムに収録されている「揺らめきと閃き」からスタート。攻撃的で荒々しいギターを中心としたバンドサウンドで、穏やかそうな顔をしながら、いつでも牙を剥いて噛み付く準備万端といった雰囲気。「愛にまみれた家族の一員で今年もやれているのが誇らしいです」と語る寺本。だからこそ精一杯のライヴで自分たちの存在をここに残そうとしたのだろう。最後の「探海灯」は、迷わずに突き進む決意表明として力強く響いていた。
TOTALFAT
メンバーが脱退し3人体制となったTOTALFATだが、むしろ1人1人の役割と責任感が大きくなったことで、逞しさのほうが際立つステージだった。1曲目の「Place to Try」が終わると、「しっかり繋がっていこうぜ」とShunが呼びかける。どこにいようが全員楽しませてやるよ、という宣誓のようで、その後も「夏のトカゲ」「PARTY PARTY」といった、ライヴ定番曲を画面の向こう側へ飛ばす。さらに、「スクランブル」ではPOLYSICSフミ、「X-stream」ではBIGMAMA柿沼が登場。こういう状況の中でも、UKFCならではのコラボを取り入れて1年に1度のこの日を全力で盛り上げようとする姿勢に感服。UKFCのお祭り隊長は今年も健在。
ウソツキ
7年連続出場のウソツキ。切ないメロディが胸を締め付けるような「夏の亡霊」を唄いながら、「来たぜUKFCー!」と叫んだり、身体を躍らせたり、弾けるような笑顔を見せる竹田。この日を強く待ちわびていたことが容易に想像できる。全曲ラヴソング、しかも歌がメインのセットリストで、無観客のオンラインという状況だからこそ、君を思う言葉を音に乗せて丁寧に伝えようする姿は、このバンドの根っこにあるものがたしかに表れていた。