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INTERVIEW
  • #Mom
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Momがメジャーデビュー作で唄う、世間への皮肉と諦念。その裏にある、純粋な思い

感じたものを自分の中で咀嚼して、人に伝えようと書いているんです



でも、つらいことを自分の中で溜め込んでいるのってしんどくないですか?


「しんどいです」


だったら、誰かに何か言ってもらったほうが楽だと思うんですけど。


「たぶんそれが苦手だから、こういう仕事をしているんだと思います(笑)」


でも、なぜ相談するのが苦手なんですかね。


「もう性質的なものだと思うんですけど。ずーっと自分でなんとかしてきたものだから、そこで人に寄りかかってみた時に、自分がどうなっちゃうんだろうって思うんです。それに、例えば失恋した、友達とケンカしたとか、そういう明確なポイントがあったらわかりやすいけど、ものすごいニュートラルな状態で鬱々したものとか、もの悲しさを感じることってあるじゃないですか。それは、人に伝えようがないものだと思うんです」


うまく言葉にできないような、自分の中のわずかな感情の動きだったり。


「そうです。それは自分の中でケリをつけようっていう」


あえて聞きますけど、どういう時に鬱々としたり、もの悲しいな、って感じます?


「……常に感じてます(笑)。鬱々とするとか、もの悲しいとはまた違いますけど、例えば幼い頃って、いろんなものが怖かったんです。街を歩いていて、鉄骨が上から急に落ちてきて死ぬとかありえるじゃないですか。そういうことを考えたり、テレビの『(奇跡体験!)アンビリバボー!』でやっていた難病の特集を見て、血を吐いている描写に〈めっちゃ怖い! 自分がそうなったらどうしよう〉と思ってしまって。でもそう感じるのは幼い頃がピークで、そのあとは、毎日を繰り返していくうちに、だんだんいろんなことに慣れてきて、感覚が鈍くなっていくと思うんですよ」


幼い頃に感じていた些細な感情も、成長するにつれてあまり気づかなくなってくると。


「そうですね。どんどんタフになっていくと思うけど、成人してもなお、いまだにあの頃の少年性みたいなもの、つまり些細なことで恐怖を感じたり、心が動くことがあって」


じゃあ今は、どういうものに対して、自分の心が動くなと感じますか。


「例えば世の中のいろんなところで起こっている問題、人種差別にしても、それがイヤだなと感じる時ですかね。イヤだと思うのは、自分や自分の周りにいる人がそういう被害に遭ったらどうしようと想像するからなんですけど。だからいろんなことを考えていても、それは基本的に自分と、周りに見知った顔があって、っていう、自分の生きている領域に帰結するものだと思います」


今回の作品も、広い世界に対しての諦めや、皮肉を並べているように見えますけど、実は自分の身近な人に向き合おうとしていますよね。例えば「Old friend(waste of time)」では、そばにいたけれど、もう会えなくなってしまった人に思いを馳せていますし。


「そうですね」


さっき人と人はわかりあえないとお話されてましたが、それでもMomさんはそうやって人に向き合おうとしていますし、何よりも「カルトボーイ」で〈僕だって怖いし見えないものもある だから手を繋ごうよ〉と唄っているように、誰かと繋がりたい、という気持ちも強いのかなと思うんです。


「めっちゃ聴いてもらえてうれしいです(笑)。確かにそういうのはあると思います」



人に自分の内面を見せることが苦手なぶん、思っていることや感情を音楽に落とし込んで、それを通して人と繋がりたいのかなと思ったりしたんですが。


「ああ。そうなのかもしれない……でもそこまで考えてないですけどね(笑)。もちろん音楽が好きだから、楽しいからやってるし。例えば、SFの映画とかも、いい作品だったら視聴者が現実離れした物語だなって感じないと思うんですよ。たぶん観ていて、どこかで身につまされる部分もあるんじゃないかなと思うんですよね」


どんなに現実離れした物語でも、その中に今の自分に重なるようなメッセージを感じたりするというか。


「そうです」


それって作品を作っている人の考えや思いを、自然と感じ取っていると言えるかもしれないですよね。


「はい。人が作っているものだから、何かしらその人の作家性みたいなものが出てなきゃおかしいじゃないですか」


だから今回の作品も、決してただのSF的な世界観になっているわけではなく、そこにMomさんの思いがしっかり表現されているんですね。


「そうですね。人と人っていうものを考えることが、物語を構築するうえで土台となるものだと思うので。だから音楽を作るにあたって、自分の気持ちとか感じたものを自分の中で咀嚼して、人に伝えようと書いているんです。〈歌〉というものが、自分の内面を人に伝わりやすくするための手段でもあるというか。そういう意味では、音楽が自分の中で、人と繋がるために何かしら機能している部分があるのかなと思います」



文=青木里紗


NEW ALBUM『21st Century Cultboi Ride a Sk8board』
2020.07.08 RELEASE

01 胎内回帰
02 あかるいみらい
03 食卓
04 アンチタイムトラベル
05 マスク
06 レクイエムの鳴らない町
07 スプートニクの犬
08 ゴーストワーク
09 カルトボーイ
10 ハッピーニュースペーパー
11 Old Friend (waste of time)
12 2040
13 (open_mic)

タワーレコードで購入
HMVで購入
アマゾンで購入

Streaming / Download https://jvcmusic.lnk.to/21C_CultboiRideaSk8board


Mom オフィシャルサイト https://mom-official.jp/

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