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【編集部通信】仕事で得られる「やりがい」ってなんだろう?

text by 白崎未穂

『音楽と人』の編集部員がリレー形式で、自由に発信していくコーナー。エッセイ、コラム、オモシロ企画など、編集部スタッフが日々感じたもの、見たものなどを、それぞれの視点でお届けしていきます。今回は、音楽と人歴4年目の編集者がやりがいについて綴ります。



「勤続年数30年です!」っていう人がこの世に存在する、だなんていまだに信じられない。私は音楽と人の編集者を始めて今年で4年目。その前はラジオ番組制作を10年やっていました。その10年というのも、都内だけでなく地方含めていろんな土地を転々としてたし、他の仕事をやりながら細々と続けていた程度(たかが10年、されど10年、という感じでしたけどね)。今の私には20年も30年も同じ会社で同じ仕事を根気よく続けるというのはちょっと想像がつかない。継続は力なり、とはよく言いますが、まったくそのとおりで、途中で挫けたり諦めたりすることなく、最後までやりきるっていうのは本当にすごいこと。うちの父親なんて18歳で就職して、1度も転職せず定年退職の60歳までその職務を全うしていた。バンドも同じ。結成20周年とか30周年ですって聞くと、その長さに慄く。いったいどうやったらそんなに長くひとつの仕事を続けられるのだろうか。


それは、たぶん仕事から得られる「やりがい」があるからこそ継続できるんだと思う。保育士さんなら、お預かりしたお子さんが笑顔を見せてくれた瞬間だったり、飲食店の店員さんなら、お客さんが美味しそうに食べたあと気持ちよく「ごちそうさまでした。また来ます!」と声をかけてくれた瞬間だったり。デザイナーの友人は「自分がデザインした商品が売れた時」と言っていたし、バンドマンの友人は「ライヴに来てくれたお客さんが超いい笑顔だった時」と言っていた。そういう、やっててよかったなって思える瞬間があるからこそ、多忙極めることがあっても、残業しまくったとしても、この仕事を続けたいと思えるのだろう。


私がラジオ番組のディレクターをやってた時は、リスナーからメッセージが届くことが何よりも嬉しいし、ありがたいなって思える瞬間でした。自分で選んだ曲への感想や番組全体についての感想をいただいたりして。やっぱり自分が作ったものに対してリアクションをいただけるのは、モチベーションが高くなる理由のひとつでしたね。また、生放送で番組をオンエアしている最中はとくにメールとFAXがすごく重要で。なぜかというと、オンエア中に届いたメッセージをリアルタイムで紹介することができるから。放送中にできるリスナーとのやりとりは、DJだけでなく制作側もテンションがあがっていくのです。あれはすごく楽しかったですね。余談ですが、某ミュージシャンがパーソナリティを担当していた深夜番組は、深夜らしくけっこう突飛な発言が多くありました。なかでも、放送中に「切手を貼って住所書いてあればどんなものでも郵送されるらしいので、リスナーの皆さん、ハムにメッセージ書いて送ってきてください」と呼びかけたことがありまして。後日、ちゃんとハム葉書が届いたことをすごく憶えてます(笑)。ご丁寧にラップでグルグルになったハムに住所が書かれていて、しっかり切手が貼られてましたね。


で、今は『音楽と人』という雑誌を作っているわけです。ではここで問題。雑誌を作ることで得られる「やりがい」ってなんだと思います? 大好きなアーティストにインタビューした記事が載ること? 新曲をいち早く聴けること? 自分の名前がクレジットされること? 頑張って作った雑誌が本屋に並ぶこと? どれも「やりがい」になることだと思いますが、私が感じるこの仕事のやりがいは、「読者から届く感想メッセージ」がダントツ1位に輝きます。いまは読者メッセージを掲載する〈LETTERS〉のページを担当していて、届いたハガキとメールは確実にすべて読んでいるので、余計にそう感じるのかもしれない。とくに私は原稿作りが苦手で、なかなか時間がかかる(苦笑)。書きながら考えをまとめるタイプらしく、書いては消してを繰り返しながら、アーティストの気持ちを汲み取り、読者に伝わりやすい言葉に変換して原稿に落とし込んでいく。締め切り前は寝ないで執筆することもあるし、それはもう意地にも近いかもしれない。そうやって、ギリギリまで試行錯誤して執筆した記事についての感想をいただくと、ちゃんと読んでくれてる人がいるんだ、って認識できるので本当にありがたい。そういう反応があるからこそ、次も頑張って記事を作ろうと思えるし、「やっててよかったな」と感じられるようになりました。


ちなみに、ハガキで送られてくるものはほとんどの読者が手書きで書いてくれているので、その人がどんな性格なのかが透けて見えるようで読んでいてとても面白いです。ハガキの上のほうに小さい文字で感想をまとめて書く人、逆に1文字が大きく、完結に書いてくれている人。自作のイラストを描いてくれる人もいらっしゃいます。いまだに履歴書を手書きで書かせる企業の気持ちがちょっとだけ理解できるなぁ、と密かな楽しみにもなっています。ハガキという、アナログの醍醐味かもしれませんね。


というわけで。昨日は、aikoが表紙の『音楽と人4月号』の発売日です。すでに店頭に並んでいますので、手にとって読んでみてください。もちろん、読んだらぜひ音楽と人へ、感想を送ってみてくださいね。



文=白崎未穂

読者から編集部に届いたハガキ。いつもありがとうございます!
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