やっぱ特別なバンドなんだなって気づいたし、大事にしていこうって。そういう気持ちも出てきましたよね
今、話に出た東名阪のクアトロを廻る対バンツアーを経てのZepp Tokyoでのワンマンライヴ、という1年だったわけですが、具体的に活動再開宣言をしようとなったのは、いつぐらいになりますか?
松本「夏前ぐらいだよね? 東名阪のクアトロツアーを組むかどうか?って段階でその話をしたと思います」
石毛「そうだね。そこでちゃんと活動再開しようって決めて、発表をクアトロでするか、Zeppでするかっていう話になって、Zeppで言おうってなったのかな」
前回インタビューした時は、4人それぞれのテンションで、活動再開に対しての見解も違ったんだけど、それが夏ぐらいに4人の中で合致したわけだ。
長島「そうなりますかね。俺はけっこう早い段階から、1日でも早く言いたいと思ってて。やっぱりはっきり言わない状態で今年活動してることに対して申し訳なさみたいな気持ちがすごいあって。友達のバンドとかからもよく言われたんですよ。今はどういう状態なのかって。たとえば、『ツアーに誘いたいけど誘っていいの?』とか『来年はどうするの?』とか聞かれるたびに困ったし、たしかに〈今のこの状態って何なんだろう?〉って」
テレフォンズとしてライヴはやってるけど、バンド活動としては完全に再開したとは言えない状態といいますか。
長島「だからもし活動再開を決めないまま1年が過ぎてたら、2020年はやってないかも。それくらいの感覚でした、俺は。それこそ、もう1回やろうかって話を4人でした時に、〈また始めるなら、もう活動を止めるようなことはしたくない〉って誠治くんが泣きながら訴えていたし」
2017年の年末に4人だけで集まった時ですね。泥酔気味の誠治くんの涙の訴え(笑)。
松本「別に泣いちゃいないし(笑)。それに、あの日はしっかり終電で帰りましたけどね!」
長島「いや、俺送って帰ったよ。ノブさん家経由で送って帰ったもん」
石毛「終電なんかじゃ終わんなかったよね」
長島「最初は焼き鳥屋に行って、そのあと店変えて」
松本「え!? 俺、地下の焼き鳥屋で記憶が終わってる……」
岡本「大雨のクリスマスイヴにね。うちの近くのコンビニまで来て。俺写真撮ったもん」
松本「あれぇ……まったく憶えてない……」
あははははは! そこで、次やるならまたバンドの調子が悪くなったとしても止まらない、それが大前提のうえでやるなら、と。そうじゃないなら俺は復活には反対だ、とも言ったという。
松本「ああ、そうでしたね。そういう意味では、2018年にまたやり始めて、今年入ってもしばらくは、みんなのテンション感はバラバラだったと思います。でも活動再開に関しては、4人の気持ちが揃わなきゃダメじゃないですか、やっぱバンドなんで」
気持ちが揃ってないところで無理に決めてしまっても、それはそれで違いますしね。
松本「そうっすね」
石毛「それぞれやりたいって気持ちはもちろんあるんだけど、完全復活に関しては、〈どうするんすかねえ?〉って気持ちもあって……俺、個人としては、たぶん今年フェスとか対バンに呼ばれたりして、久しぶりにたくさんの人に会って。そこで『どうすんの?』って言われるようになって考え始めたってところがあるかもしれない」
どっか自分の中で整理できてない感じが、今年の初めのワンマンツアーの頃はまだあった。
石毛「うん。とにかく今年1年はテレフォンズをやる。先のことはそこから考える、みたいな感じだった気がするな」
前回のインタビューの時に、休止前の時期はライヴをやることが自分の中でかなりきつかったと話していたじゃないですか。それもあって、今年はライヴを積み重ねる中で、徐々に気持ちを取り戻すみたいなところもあったのかな?
石毛「超個人的には、リハビリではないけど、そういうところはありましたね。まあちょっと勇気が出なかったところはあったのかな。やっぱね、時間が空けば空くほど、何事も勇気っているじゃないですか。それがバンドだったらなおさらで。でも今年ライヴをいっぱいやって、〈Light Your Fire〉をみんなで集まって作ったことによって、またバンドがひとつになって、いろんな不安が消えた気がしましたね」
あとテレフォンズというバンドと一度距離を置いたことであったり、休止期間にそれぞれがいろんな経験を積んでいく中で見えてきたものも大きかったのでは?
石毛「それもあるかな。やっぱ別のバンドだったりサポートだったり、いろんなところでやってみて、テレフォンズのメンバーの特殊さがわかってくるんですよね。来年結成15周年ということは、誠治くんが加わって15年ってことだし、ノブと涼平とは付き合い的にはもっと長かったりするし。やっぱ特別なバンドなんだなって気づいたし、大事にしていこうって。そういう気持ちも出てきましたよね」
そして4月にニューアルバムがリリースされる予定ですが、個人的には、ワンマンツアーの北浦和で披露された超初期ナンバー「Nue」を、この機会にぜひ音源化して収録してほしいなと。
石毛「うわっ、ハンパないこと言うなぁ!(笑)」
長島「でも北浦和で、音源にするって言っちゃってますからね」
石毛「え、言ったっけ? ノブがなんか言ったんじゃなかったっけ?」
岡本「俺は言ってないよ」
長島「だいたい石毛さんだよ、『俺たちの昔の曲とかいいでしょ』とか言い出すの」
松本「で、お客さんのリアクションが良かったら、新しい音源に入るかもよ、って言ったり(笑)」
石毛「あははははは! ありあり詐欺だ」
岡本「『次にやる曲アルバム入ります』って言って入らなかったこと、前にもあったしね(笑)」
石毛「そうだ!(笑)。この曲次のアルバムに絶対入るからって言って、ツアー全ヵ所でやってた曲が入らなかったことあったわ」
それは、どんな曲でしょうか?
石毛「〈Lucky People 2014〉。本当は『JAPAN』(2008年作)に入る予定だったんだけど、結果『SUPER HIGH TENSION!!!』(2014年作)に入ったっていう(笑)」
だいぶあとじゃん(笑)。では、新作のインタビューの時、「〈Nue〉入ってないじゃん!」って言ったとしても、「いつものことだ」って話になると。
石毛「ボーナストラックとかならありなのかなぁ……うーん、どうなんだろ?」
長島「まあ、アルバムを通して、あいつが必要だってなったら、投入される可能性はあるかもしれませんね」
はい(笑)。今回晴れて活動再開を宣言したことで、4人ともスッキリした気持ちで2020年に向かうわけですね。
石毛「うん。中途半端な状態が終わった!っていうスッキリ感は今すごくある(笑)」
こないだのZeppワンマンには、〈やれんのかテレフォンズ!〉というタイトルがついてましたが、〈いつ再開宣言するのかテレフォンズ!〉みたいなところもありましたしね(笑)。
岡本「〈言えんのか、テレフォンズ!〉(笑)」
松本「〈はっきりしろ、テレフォンズ!〉(笑)」
あははははは。
長島「テレフォンズって活休するって言ってから1年やってるし、復活って言わずに今年1年やってるし。そういうバンドなんですよ(笑)」
松本「助走距離が必要なんですよね」
石毛「しかも長めのね(笑)」
長島「スパって終われないし、スパって始められない(笑)」
石毛「まあ、だからこそ2020年は、きちんと褌を締め直して、初心を忘れないでやらなきゃいけないなって思います。復活特需みたいな貯金は使いきったと思うし、ここからはガチなバンド活動になると思うんで、5月21日の新木場スタジオコースト含め、よろしくお願いします!」
文=平林道子
写真=nekoze photo
~the telephones 15th anniversary~COME BACK DISCO!!!
2020年5月21日@東京・新木場STUDIO COAST
OPEN 18:00 / START 19:00
※ゲストあり
the telephones オフィシャルHP http://thetelephones.net/