本当にやりたいこととか表現は解き放っていくべきだと思ってて。躊躇して後悔するより、やって後悔したほうがいいなぁって
やりたいことに真っ直ぐ突き進んでいく姿勢は昔から変わらないんですね。今作の「take a chance」からもうかがえます。この曲の主人公はどんな人ですか?
「これはフレンズが好きな友達に『私フレンズを通勤中に聴くんだけど、励まされたい!』って言われて。通勤ってやっぱり辛いじゃないですか。朝から満員電車で、仕事して、帰りもまた(満員電車で)ギュってされて。その子だけじゃなくてみんなを励まして、一緒にチャンスを掴んでいこうよって気持ちを唄ってて。だから主人公というよりかは、自分の身近な人たちや、まだフレンズを聴いたことのない人たちの背中も押せたらいいなって」
なるほど。この曲はおかもとさんが作詞してることもあって、おかもとさんの生き様そのものも感じられるなと思って。特に〈誰のための私?/誰でもないでしょ/自分らしく/確かなこと見つけようよ〉ってところとか。おかもとさんはいろんな表情を持っているのに、迷わずやりたいことに挑戦する姿と重なるというか。
「そうですね。周りに依存しないで、自分っていうものを大切にすればもっといい景色が見えてくるんじゃない?って気持ちが入っています。本当にやりたいこととか表現は解き放っていくべきだと思ってて。躊躇して後悔するより、やって後悔したほうがいいなぁって。さっきのギャルサーの話じゃないですけど、それは小さい頃からずっと自分の中にあるので」
そう思うようになったきっかけは何ですか?
「昔から自分を持ってる子が周りにたくさんいて。ちっちゃい頃ダンスをやってたんですけど、身体で表現する上に、言葉でも表現する先輩とか同級生がカッコよく見えて。そういうところから影響を受けたのかなって思います」
自分の色を表現することに躊躇しない環境にいたのが大きいんですね。
「そうですね。もちろん緊張とかしますし、やり始めに億劫になっちゃうと本当に億劫になっちゃうので、そうならないようにスッとやっちゃおうみたいな。踏み出す一歩に戸惑いは持たないようにしてます」
おかもとさんでも戸惑いを持つことってあるんですか?
「ありますね。大人になればなるほど増えました。他の人の思いとかもあるので、自分のエゴだけでは進められなくて。そうなった時、一旦考える時間も増えた気がします。あとは1回寝たりします。私、睡眠学習って大切だなって思ってて」
わかります。寝ると気持ちを切り替えられますよね。
「1回寝たら脳が整理されるし、そうやって自分の中で解決することも多い気がします」
あと「take a chance」の歌詞で〈何回だってこえていこうぜ/躓いて転んだってオーライ〉ってところがありますが、おかもとさんも失敗を恐れず進んでいくってスタンスなんですか?
「そうですね。失敗というか、私の場合、緊張すると言わなくていいことを言っちゃう時もあって。寝て気持ちを切り替えることが多いけど、やっぱり悩むじゃないですか。そういう時は人に『これ大丈夫だったかな?』って聞いて『大丈夫だよ』って言ってもらって励まされることがあるので、すごく悩んだとしても大丈夫だよってことを歌詞で言ってあげたかったんです」
なんでそこまで曲を聴いてくれる人たちに対して親身になれるんだと思いますか?
「単純に、私がいつも元気をもらってるので。ライヴに来てくれる人が盛り上がってくれてる姿を見るだけで嬉しいし、それには曲で応えていきたい。けっこうファンの子たちのツイッターも見ちゃうんですけど、勝手に(笑)。やっぱり仕事で大変な時があるんだなぁってことがわかったった時に、フレンズのライヴでさらに活力をゲットして、また日常に戻ってくれたら嬉しいなと思ってて」
お客さんと繋がれる場所といえば、ツイッター以外に、ファンクラブアプリ「フレンズの森」もありますよね。
「そうですね! ファンのことをズッ友って呼んでるんですけど、ズッ友のみんなともっと近い距離感でいたくて。ファンクラブのアプリの中にタイムラインがあるんですけど、私はそこでみんなに好きなキャラを聞いたり、このドラマにハマってるとか、ツイッターに書かないような身近なことでスキンシップがとれる場所だなと思ってて。本当は、最近までハマっていたあるドラマの犯人について、放送中に〈誰だと思う!?〉って聞いてみたかったんですけど……(笑)。森の中ではそのぐらいの距離感でもいいのかなと思います」
まさにバンド名を体現してるようなやり取りというか。日常で落ち込むことがあっても、お客さんだったりバンドの明るさに引っ張ってもらってる実感はありますか?
「そうですね。フレンズとしているだけで元気になれるし、ファンの人のリプライ一つで嬉しくなれます。『好きです』の一言で元気がピコーンって1ポイント上がったり。本当にみんなのおかげで成り立ってます。だから、フレンズは私にとってかけがえのない居場所です」
ちなみに、おかもとさんが思う今のフレンズの一番の魅力って何ですか?
「やっぱ明るさですかねぇ。曲単位で見ると、歌詞が暗かったり明る過ぎないんですけど、そんな曲でも太陽のように思えたり。メンバーそれぞれが集まった、その集合体が光になっているというか。誰も欠けちゃいけないし、全員が全員輝いているから成り立ってるものであって。他のバンドさんもそうなんですけど、フレンズはそれがより濃い気がします。5人の個性が、太陽みたいな武器になってるのかなって」
長島さん(長島涼平/ベース)もthe telephonesで活躍されてますし。私、ライジング(サン・ロック・フェスティバル)でテレフォンズを観ましたがめちゃくちゃ良かったです。
「そうですね。またテレフォンズが始まったことで、ベースのどっしり感が増えた気がしていて。涼平さん個人の糧になっているし、フレンズにも還元されてるなって思います。あと、涼平さんはテレフォンズで弾いてる時、イケメン度が高いので、11月のフレンズのツアーでは、よりそのイケメン度が増しているんじゃないかと期待しています!」
さらにキラキラした長島さんが(笑)。
「キラキラ涼平が見られることを楽しみにしています」
おかもとさんもソロで活躍されてますが、フレンズの自分として今後やっていきたいことは何ですか?
「明るさだったり、励ますっていうことだったり、楽しさだったり……パーティーって、1人じゃ、個の自分じゃできないので。みんながいてこそのパーティーじゃないですか。みんながいてワイワイすることは、フレンズにとってとても大切だと思うので、そういう部分で曲を書いてみたいです。自分から出る歌詞なので個に寄っちゃう部分もあると思うんですけど、フレンズだからこそ表現できる言葉や歌を、明るさをより磨いて輝かせていきたいなと思います」
文=宇佐美裕世
2nd PETIT ALBUM『HEARTS GIRL』
NOW ON SALE
01 take a chance
02 HEARTS GIRL
03 12月のブルー
04 Nothing
05 0:25
06 地球を越えても
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