ARABAKI ROCK FEST.19の初日、〈磐越ステージ〉のトリを務めたLOW IQ 01。〈20th Anniversary Special with buddies in ARABAKI〉と題し、自身のキャリアを振り返るような選曲(初期曲はもちろん、SUPER STUPIDのナンバーやNUKEY PIKESのカヴァーも!)と、TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)や細美武士(the HIATUS/MONOEYES)、ホリエアツシ(ストレイテナー)、大木伸夫(ACIDMAN)、茂木洋晃(G-FREAK FACTORY)、TAKUMA(10-FEET)といったゲストらと共に華々しくソロ活動20周年を祝った。そして、この節目のタイミングにリリースされた新作『TWENTY ONE』では、持ち前の音楽センスと自由な精神を遺憾なく発揮。ここ数年の精力的なライヴ活動によって手にしたシンプルなバンドサウンドと、時に熱く、時に軽やかで飄々とした姿を見せるLOW IQ 01=市川昌之という人間そのものが音楽として鳴っている会心の1枚となった。ゴールデンウィークの最終日、忙しなく動きまわっている合間を縫ってのインタビュー。アラバキの話から、新作やこの20年における心持ちの変化など、がっつり語ってもらった。
GW中は、新作リリースもあって、かなり忙しく動かれていますよね。アラバキのあと札幌でライヴをやり、今日もこのあとインストアイベントがあるとかで。
「どうしちゃったのかね(笑)。でも他のミュージシャンに比べたら、全然忙しいほうじゃないよ。それに社会人なんてもっと忙しいと思うもん。週5で働いてるわけじゃない。うちらは不定期だし、たまたま2年ぶりのリリースもあって、いろいろ集中してるだけだからさ。もうね、2年分頑張りますよ! 次またアルバム出せるようにね(笑)」
はい(笑)。まずはアラバキの話を聞きたいのですが、去年は、TOSHI-LOWさんや細美さんが市川さんのステージに飛び入り参加したというのはありましたけど、今回は、〈Special with buddies in ARABAKI〉と題して、様々なゲストとのセッションありきのステージでしたね。
「今年20周年っていうので、前年度の感じを観て『何かやりませんか?』と言ってくれてね。せっかくだからその言葉ありがたくいただきますっていう。まあ、あの日いたオールスターの方々に力を借りちゃったかな」
こういう形でフェスに出演するのも、ここ最近の市川さんだからこそだなというか。5、6年前の市川さんだったら、自分から人を集めて何かやることに対して、あまり積極的じゃなかったと思うんです。
「今回のアラバキに限らず、積極的じゃなかったからね、いろいろなことに対して。昔はどっかで、〈別に俺はそういうタイプじゃないし〉って自分に言い聞かせてたというか。でも今は、せっかくチャンスをいただいたなら、〈俺はいいよ〉じゃなくて、ここは盛大にやらせてもらいましょう!って感じよ」
ここ2、3年の精力的な活動にも、それは繋がってますよね。
「やっぱ最近の動きを見てくれてないと賛同はしてくれなかっただろうなとも思うよ。〈いっちゃん、最近頑張ってんな〉って思ってくれてるから、みんな力を貸してくれたんだと思うし」
あと、あの日磐越に集まったオーディエンスもそうですが、ミュージシャンにしても、市川さんがソロになってから知った、それ以降の付き合いという人が大多数なんだよなってことをふと思ったりもして。
「SUPER STUPIDよりも、ソロの俺を知ってるみたいなね」
ええ。ゲストの面々で、バンド時代から付き合いがあるのはTOSHI-LOWさんぐらいで。
「やっぱり長くやってると、いろんな友達、後輩もできるし、そうやっていろいろ接点も増えたりしてさ。それが面白かったりもするよね。でもなんか不思議な話だよね、よく20年も続いたなって思うし」