休憩中の楽屋では、ウエノさんとシンイチロウさんが「俺らしゃべりすぎた」と反省モード。結果、第二部は最初に金光、MOBYさん、ユータさんの3人で出ていき、しばしトークするということに。その後、場内に流れている王貞治選手の映像を楽屋のモニターで観ながら、王選手の伝説エピソードの数々を話す面々。そこから、超ベテランバンドマンの武勇伝的エピソードへと話題が移り、さらに盛り上がる。前回は、壇上でも楽屋でも音楽の話が一切出ませんでしたが、今回は第一部の後半もそうだったように音楽話(と言っていいか微妙なネタばかりですが)も出て、ミュージシャンのトークイベントらしい雰囲気……と書くには、やや無理がありますかね(笑)。
第二部は第一部の反省からの“ユータタイム”からスタート。金光、MOBYさん、ユータさんの3人が壇上に登場するも、「何を話せばいいのよ……」と戸惑い気味のユータさん。すかさず「まずは乾杯しましょう」とスーパーアシスタントぶりをみせるMOBYさんの言葉から、目の前にあった差し入れのクリームソーダを手にしたユータさんの音頭で会場の皆さんと乾杯。第二部では今季の展望を話しますよ、と司会・金光が言うと、客席から「藤浪は?」という声があがる。それに反応し、「藤浪ねえ……」と、ここ数年不調が続く若手ピッチャーのことを思い切なくなるユータさんでしたが、期待のドラフト3位入団の木浪選手のアマチュア時代(註:社会人野球・Honda硬式野球部所属時代)の画像をみてテンションを少し持ち直します。そして「メンバーを呼びましょう!」と他の面々を呼び込み、ほどなく全員が揃ったところで、キョウスケが「あの、ちょっといいですか」とシンイチロウさんが壇上に持ち込んだ荷物の中にグローブが2つ入っていることを告げる。すると、おもむろにグローブを取り出し手にはめ、もうひとつのグローブを客席に投げるシンイチロウさん。さらに荷物の中からボールも取り出し、会話のキャッチーボールではなく、リアルに客席のお客さんとキャッチボールを始める、というトークイベントらしからぬ展開に(笑)。なんとか無事キャッチボールタイムも終わり、第二部最初のテーマである「それぞれの2019年シーズン注目の選手」を語るコーナーがスタートしたのでした。
今回は、贔屓球団と他球団の注目選手をそれぞれ挙げてもらうことに。まず阪神代表ユータさんからスケッチブックを公開していく。そこに書かれていたのは、四番打者として期待しているという大山選手の名前とシリアスベアー。すかさず「出た! これずるいやつだよ!」と壇上メンバーからツッコミが。前回、シリアスベアーのイラストに対する場内からの反応に「イラスト描いただけで、こんなに盛り上がること普通ない」「このリアクションはなんだ?」と言われていたことを思い出します。そして他球団の注目選手、ユータさんの言葉を借りれば“今一番嫌な存在”として、ヤクルトの村上選手を挙げると、客席のヤクルトファンから「おお!」と歓声が。そして彼の打席映像をみながら「筒香(嘉智外野手、横浜ベイスターズ/日本代表の4番打者)が化ける前の雰囲気がある」(ユータ)、「面構え、体格すごくいい」(あっちゃん)、「ただまだ(速球派ピッチャーに対して)振り遅れがあるんだよな」(シンイチロウ)と談義している横で、ウエノさんが、書き損じた紙を破っては、客席に投げ入れ始めています。その後、メンバー最若手・日ハム代表のキョウスケが、台湾No.1バッターで今季日ハムに入団した王 柏融(ワン・ボーロン)選手の名前を挙げ、彼は日本のプロ野球のスタイルにフィットするはずと注目理由を語ると、壇上ではふたたび熱い野球談義が始まった、と思いきや、またまたグローブを客席に投げ、客席とキャッチボールを始めるシンイチロウさん(笑)……と実にフリーダムな状態の壇上です。
続いて、毎回恒例の順位予想へ。まず出演者の中で唯一のパ・リーグ球団ファンであるキョウスケがスケッチブックを出すと、そこには「優勝 日本ハム」の文字。「他の順位は?」と聞かれても「1位以下なんか知らねえ!」と、コーナー主旨はまるで無視だがとても潔い回答に客席から拍手が。「では優勝のために大事なファクターは?」と問われると「王 柏融。彼が3割5分打ったら優勝します!」とこれまたブレのない回答。客席からの「あと清宮次第!」という声にすかさず反応し、「そう! さすがわかってらっしゃるライオンズファンの方!」と返すキョウスケだったが、「吉田輝星はどう?」というMOBYさんの問いに、キョウスケが答えるよりも早く、客席から「まだまだ!」と言われ、「うるさい! 俺のほうが吉田くんのこと応援してんだからな!」と噛みつく。メンバー最若手だけあって血気盛んです。でも、その隣で相変わらず書き損じを客席に配りまくる先輩ウエノさんに対し、「書き損じを渡してるなら、せめてサインも書いてあげてくださいよ!」とツッコミつつお客さまへの配慮もする、できる若手でもあるんです。
続くユータさんは、パ・リーグは日ハムが1位と予想し、セ・リーグは阪神・一位、以下、広島→巨人→ヤクルト→横浜→中日と予想。壇上メンバーから一斉に「ないって!」と言われると、「これは阪神ファンとしての希望で」と、プロ野球ファン的ガチ予想も公開(笑)。その順位は、巨人→広島→ヤクルト→横浜→中日→阪神、と贔屓球団を最下位に。ちなみに去年同じ時期に行われた第3回でユータさんは中日を最下位と予想したものの、結果は阪神が最下位となり、シーズン終了後マエカワさんに「すみませんでした!」とメールしたのだとか。そのマエカワさんも、予想という名の願望として中日を優勝とし、最下位は阪神と書く。もちろん「もし今年阪神が最下位じゃなかったら、ユータさんにメールします!」と言っておりました。そして、ベイスターズ代表チームの順番となり、あっちゃんが予想という名の自分が好きなセ・リーグ球団ランキング(もちろんベイスターズが1位。最下位は巨人)を出せば、シンイチロウさんがこの日3回目の客席とのキャッチボールを開始。ひとしきり終え、席に戻るも予想をスケッチブックに書いておらず、機転を利かせたキョウスケがヒーローインタビュー形式で話を聞き、さらにウエノさんが、球団名でなく土地名で予想を書くと、そこからなぜかアド街の話題に→ニューロティカがアド街に出た際の映像を鑑賞→まさかのあっちゃんの八王子市議会選挙への出馬表明、という、これまでの中で一番のカオスな状態に突入。なお、八王子市議会出馬は、ここ10年くらいの呑み会ネタ。でもユータさんは思いっきりビックリした声をあげておりました(笑)。
深夜の居酒屋のごときカオスな状態のまま、最後のじゃんけん大会がスタート。いつもは壇上メンバー全員のサイン入りボールがプレゼントとして用意されているのですが、今回はホワイトデー当日ということで、ユータさんみずから用意したサイン入りお菓子もプレゼントされることに。まあ、ここで未来の八王子市議候補(こんぺい党所属/キャッチフレーズは「お菓子とロックとパンクに愛を」)が暴走し、お菓子の箱ごと口に入れようとした瞬間、客席からこの日一番の悲鳴が上がる(笑)。そして司会の金光の提案で、締めの挨拶がわりにもう一度タイトルコールをすることになり、慌てて喉を潤して準備するユータさん。今度は見事一発で決め、約3時間に渡るトークイベントは大団円を迎えたのでした。
ユニフォーム着用はもちろん、選手名鑑持参でイベントに臨んでいるお客さんもいたり、これまで以上に野球好き&興味津々なお客さんが増えていることを感じた今回。「まもなく長いペナントレースが始まります。おそらく10月か11月にここで顔を揃えることになるでしょう。笑うか泣くか」というウエノさんの第一部での乾杯の挨拶の通り、おそらく2019年シーズン終了後に、ふたたび「僕たちプロ野球大好きミュージシャンです!」は開催されることでしょう。現在、開幕して2週間ほど経ちますが、パリーグは相変わらずソフトバンクホークスが強さを見せつける中、セ・リーグはまさかの広島カープが最下位という波乱含みの展開。果たして次回、この日壇上にいたメンバーの表情、テンションはどんな感じになっているのか? 今シーズンの戦況をチェックしながら、ぜひ次回開催を楽しみにしていただければと思います!
撮影=柴田恵理
文=音楽と人編集部